ラジオ作りますか?by Tuning Raido

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2003.10.15 LA1800で遊ぶ

 LA1800というAM/FMラジオICがありますが、これを入手したので鳴らしてみました。といってもFMはコイル巻くの面倒ですので、AMだけにしました。これって結構贅沢?ところで、LA1800は一個100円でしたが、100円でLA1800を使ったFMラジオが買えるので、あまり嬉しくもないような気もします。

 メーカー(三洋)の資料を見て、AMだけの端子を生かした回路です。電源は4.5Vでもいいです。データシートにはMax 6Vとあります。電圧が高いと音が大きくなるかどうかは確かめてないです。



 47μFは無くてもいいですが、発振防止には入れておいたほうが無難です。



 LA1800のピッチは狭いのでいつものブレッドボードが使えません。そこで、空中大活劇配線?をしました。コイルとバリコンは写真にはありませんが、真空管ラジオを作ったときに一緒に作ったAM用ループアンテナに繋いでいます。ループアンテナといっても、バリコンも付けてあるので、そのまま同調回路になるわけです。

 結果はうまく鳴りました。今回の組立だとちょっと感度が悪いようですが、バーアンテナとバリコンを使って、配線も短くすればもっと感度が上がると思います。さらに感度をあげるにはAGCの配線を外してしまえばいいですが、電波が強いと音が歪みます。

 とりあえずクリスタルイヤホンで聞きましたが、もっと大音量で聞きたいなら、pin11をラジカセのLINE端子に繋ぐといいでしょう。スピーカーを繋いではいけません。何なら、昨日作ったシグナルトレーサーを繋いでもいいです。あれの実体は単なる低周波アンプですから、こういう用途にも使えますね。


2003.10.14 シグナルトレーサーを作る

 最近作らないで修理ばっかりやっているものだから、修理用の工具やらを買いあさっています。まあ作る時にも役にはたつでしょうが。財布は寒くなるばかりです。さてそんな状況から、いつも電子ブロックやゲルマラジオで代用していいたシグナルトレーサーを作りました。とは言っても単なる固定バイアスの1石アンプなだけですが。これがあると、ラジオの故障箇所や動作状態がわかるという素人には有り難〜い道具です。

 あまり使うものでもないので、Vccを単5の1.5Vを使ことにして、Icが1mA、Vcは1Vは欲しいですな。するとRcは(1.5-1)/1mA=500Ω。
 hFEが150として、Ibが0.007mA、Vbeが0.6Vとして、Rbは(1.5-0.6)/0.007mA=129KΩ。そんなのは無いので120KΩにしました。

 できあがった回路図です。



 これのRFに同調回路付ければラジオになるんだよなぁ・・・。もったいねぇなあ・・・。




 とりあえずブレッドボードど組んでみます。OKならば写真下のユニバーサル基板に組むことにしましょう。

 0.5Vdiv

 良くわからないかもしれませんが、上が自作発振器で発生させた入力信号です。下がシグナルトレーサーの出力です。増幅しすぎてクリップしてます。まあ歪もうが何しようが、聞こえりゃいいので、アンプとして働いてればそれでいいという感じですね。




 できあがったシグナルトレーサーです。実は完成してから電池ボックスが逆になっているのに気がつきました。とほほです。写真は直した状態のものです。因みに各端子の電圧は次のとおりです。

 ・Vc=0.996V
 ・Vbe=0.665V
 ・全電流=1.25mA

 まあ設計どおりでした。
 これを使ってやっかいな修理もOK!(本当か!?)


2003.07.28

 発振器結果

 調整した結果次のようになりました。



 左が波形で 0.5V/div、右が周波数です。
 すべての周波数ポジションで1Vp-pに調整可能範囲内です。
 周波数は1KHzをなるべく中心にして、上は9.04KHzで10%以内でOK、下は100KHz狙ったはずなのに394.5Hzになってます。

 なぜだ!多分回路図の定数の部品が無くて、計算して求めて出した値の部品を、追試もしないでそのまま使ったからでしょうねぇ。やっぱり実験しておけばよかった。うーむ。あとで使った部品の定数で逆算してみよう。まあ周波数がわかっていればそれで使えばいいんで、とりあえず良しにしようっと。1KHzの発振器だけにしとけばこんなことは無かっただろう、と密かに反省。



 テスト用リード線も作ってみました。


2003.07.23

 発振器一応完成

 発振器が完成しました。もう少し調整が必要ですが、一応使えるレベルです。

 まずは付けられる部品をつなげます。

これで一応動かせる状態になりました。


 ちょいとつないでみよう。

 お、ちゃんと発振してますねー。周波数も良いところに来てます。
 次はケースの穴開けです。



 適当にこんな感じで。空転防止爪の穴が上下になっているのは、内部の部品レイアウトの関係でしかたがなかったんです。間違ったわけでは無いです。

 あなを開け終わったところ。

 このケース、手頃な大きさで凄く好きですねぇ。タカチのYM-130です。


 3端子レギュレーターがこんな所に移動!?

 実はケースは別なものを想定していたんですが、タカチのYM-130に入れることにしたら、レギュレータの高さが高すぎてケースに収まり切れず、基板の裏に移設しました。外したときの熱で、なんか基板が黄色くなってたりします。

 スピーカーと電池押さえを取り付けます。

 電池押さえはL型金具を用い、電池を当ててネジ止めし、一旦電池を外して、電池を押さえている部分を軽く曲げておきます。これで簡単にははずれません。

 基板その他を取り付けます。

出力端子とテストスイッチはまだ付けていません。

 配線完了。

これで配線はすべて完了です。




 これが完成した状態です。周波数切り替えロータリースイッチ(写真右端)のツマミが何か前に飛び出てます。スイッチの軸が長すぎるんですよね。後で切ろうっと。

 やっとこれでテスト環境の一つが手に入りました。自分で作るラジオが出来るまで、まだまだ先は長いです。

 テスト結果は後日報告します。


2003.07.21

 発振器続き

 基板の製作は終わりました。

 実はユニバーサル基板にこんなに部品を乗せたことはありません。最初は勝手がわかりませんでしたが、なかなかおもしろいものですね。なるべく配線をまたいで部品を付けたり、ジャンパ線を使わないようにしました。ジャンパ線は使いませんでしたが、配線またぎの部品は2個あります。

 次はこれにスイッチ類と電源の配線をします。




2003.07.17

・発振器つづき

 ずいぶんあいてしまいましたが、続きです。
 前回に引き続き、ユニバーサル基板への実装を考えます。


 こんな感じでしょうか。

 良くわかりませんが、フロントパネルと上部レイアウトです。

 ここでフト疑問が。皆さんは電源スイッチどっちにつける派でしょうか。私の場合はコンポーネントオーディオ機器のほとんどが左なので、左かな?と思っておりますが、TVは右だったりして、業界で統一されているわけでは無いようですねぇ。まあ一応この発振器も左でいきます。因みに上下の場合は日米は上がONですが、イギリスは下がONの場合が多いですねぇ。

 部品勢揃いです。




 ユニバーサル基板へ部品を取り付けはじめました。



 それから、最初に考えた配線図ですが、周波数調整用のボリュームが1個だと、やはり調整で狙った周波数に追い込むのが面倒そうなので、周波数を決める各CR回路に1個ずつ半固定ボリュームを入れることにしました。それから、出力調整は2段目の出力に付けた方が一段目を安定させられると思うので移します。最終的な回路図は後ほど。

 発振器の1KHzの音を録音しました。聞いてみてください。


2003.06.04

・発振器つづき

 最終的には、下記のような感じにしてみました。



 発振周波数は結局プリセットで100Hz、1KHz、10KHzにしました。
 プリセットにする理由というのは希薄なんですよね。可変式でも一向にかまわないんですが、まあ思いつくまま、というのがアマチュアの特権なので。

 問題は、「微調整程度でいいから周波数を調整するポイント」だったのですが、これはRcの値を変えると、1KHzでプラスマイナス150Hzぐらいは変化してくれることがわかりました。



 そこでRcに直列に半固定抵抗2kΩを入れてみました。




 周波数は追い込めますが、Rc/Reの比率が変わるので、出力電圧・動作点とある程度バーターになります。まあ動作範囲内で調整可なのでOKということにしましょう。

 それから、元々の回路にエミッタフォロワ回路を追加し、出力のインピーダンスを低くしました。スピーカーからも音を出せるようになるでしょう。電源については9Vを使うことにし、それを3端子レギュレーターLM7805で5Vにしてみました。発振器は電圧が高い方が安定する、とものの本には書いてありましたが、そもそも100Hz台は捨ててるので扱いやすい(というか計算しやすい?)電圧で良しにします。3端子レギュレーターを入れたので、DC9Vの電源アダプタでも使えます。




 上記が最終の回路定数で動いているところです。何が何やらわかりません。



 動作電流は電池のところで計って7.1mAでした。




 で、出力にスピーカーを付けてみたところです。ぴーっ・・・ん〜大きくていい音。しかし見事に歪んでます。この現象は定本に書いてあります。エミッタフォロワ回路に重い負荷(小さな抵抗値)を付けると負側がクリップする、と。でも今ひとつ原理が不明で、ちょっと勉強中です。最終形態は、音は小さくなりますが、スピーカーに200Ωを直列に入れてクリップを小さくしました。まあまじないみたいなもんでしょうか。600Ωの負荷までは波形は崩れないので、使うときには600Ω以上の入力インピーダンスで使え、ということにしましょう。

 ちなみに、スピーカーをつないでもエミッタフォロワ回路がクリップしないようにするには、エミッタフォロワのReを小さくして、Ieをガンガン流しておく(アイドリング電流を多くする)と良い、と定本に書いてありましたが、机上の空論でやってみると、

Re//RL=8Ω
ただしRL=8Ω

となるようにReを計算すると Re=0になってしまいます。まあ仮にRe=1Ωとでもしてみますと、

Re=1
RL=8

合成すると1/1.125=0.89Ω

Veが実測で2.994Vだったので、

Ie=2.994/0.89=3.36A

凄すぎます。2SC1814でそんなことしたら吹き飛びますね。なるほど、アウトプットトランスレスのアンプの出力段が損失のでかいトランジスタを使うわけですよこれは。

 さらに負荷インピーダンスが低くても大丈夫な回路としてプッシュプル回路がありますが、今回の回路にはそれは要りますまい(というか勉強してない)。それよりはエミッタフォロワ回路の部分は自分で決めた定数でちゃんと動いてくれた、というところが良いです。

 定数を決めるまでの段階

1)エミッタフォロワ回路だ。
2)前段は3.576Vだ。
3)Vbeはこのトランジスタは測定したところ0.632Vだった。ということはVeは2.944Vだ。
4)Ieはあんまり小さいと重い負荷でクリップするから大きくしたい、けど電池が減るのが早いし危険。よって2mAにする。
5)すると Re=2.944V/2mA=1.5kΩ

 こんな感じでした。実験ではエミッタフォロワ回路のIeは実測1.8mAだったので計算どおりといって良いでしょう。

 エミッタ接地回路を先に作るつもりでいましたが(今回の発振増幅回路の元はお手本ありなので自分で設計したとは言えない)、エミッタフォロワが先だったとは・・・人生はまか不思議ですね。

 さあ、次は実装です。がんばるぞ〜


 ↑バラしたらわけがわからなくなりそうです。


2003.05.27

・発振器続き

 せっかく作ったんだし、こいつの音を聞いてみたいと思いまして、8Ωのスピーカをとりあえず出力(コレクタから電解コンデンサ経由の)に付けてみましたが鳴らず。まあそりゃあインピーダンスが違いすぎるってやつだと思います。そこで、インピーダンスの低いエミッタに1μの電解コンデンサを付けてスピーカを付けてみましたら、か細い音で聞こえました。1KHzでピーッと。しかし弱すぎます。やはりコレクタから取り出すのが良いようですが、そうするとインピーダンスをあわせるのには、コレクタのところに出力トランスを入れるか、それとも今では当たり前のエミッタフォロワを入れるかどちらかです。鳴れば良いので周波数特性の悪い出力トランスを入れてもいいのですが、コストを考えると、もう1個2SC1815-Yと抵抗2本、コンデンサ1個のほうが安いかな、と。

 定数はまだ決めてませんが、大体以下のような仕様にしようと思っています。



2003.05.11

・発振器その後

 とりあえず、0,022μFを買ってきて取り替えてみました。

 1V/DIV。うわ歪んでるし!

しかも、上が2,4Vで下が2.7Vだし。勢いありすぎじゃ!しかもなんだか微妙にゆれてる。

 周波数は下がったが、ぜーんぜん不安定。

 10KHzオーダーが上の周波数へどんどんドリフトしてきます。

 さて、ここまでは波形見たまんまなので当たり前ですが、ではなぜ歪んでいるか?というところが重要です。
 そのためにはまずはこの波形の中心はなんぼじゃ、というところを見てみましょう。それはとりもなおさずVcであります。テスターで計ったところ、Vc=3.731Vでした。そこを中心に上が+2.4V、下が-2.7Vです。上は綺麗なのでさておいて、下のピークは1.031Vです。下のピークはVe以下にはならないので、今度はVeを計ってみました。VE=1.119Vでした。つまり、波の電圧高すぎ、ということです。先日コンデンサの値を間違えて組んだときより、さらに(交流)電圧が高くなっているのには驚きです。

 さすがオシロ、とでも言っておきましょう。

 で、CQ出版社「初歩のエレクトロニクス&コンピューター」No.1に掲載の回路と何がちがっていてこのような問題がでたのかというと、それはもうhFEの違いでしょう。hFEが違うとすれば、私の使った2SC1815YのほうがhFEが高いんだとすると、かなり電流が多く流れている、つまりそれだけ増幅している、ということなので、対策はもう下に示した2つ、しか無いでしょう。

1)増幅率を下げる
    これだと REを大きくすればいいでしょう。ただし、REだけ増加するとVcがどんどん上に行ってしまいます。
2)増幅率を変えないで、電流だけ押さえる
    この場合はRcとREの比を変えないで両方の値を増やす。すると、Vcは動かないので、いちばんおいしいところにVcを置いたままにできます。

 何はともあれ実験です。とりあえず、考えがただしいかどうか、REに直列に適当なボリューム(たまたまあった10KΩ)をREに直列に入れて、ちょちょいと回してみました。下がその様子の写真です。



 で、ちょいと回してみましたところ、どうです。下の写真。

 0.5V/DIV。いらっしゃい正弦波さん。

 えっへん。ちゃんと1Vになりましたよ〜よかった〜勉強して。
 で、REだけを増やしたんだから、当然Vcはあがってるよな、と計ったら、案の定 4.86Vでした。この位置を下げるにはRcも調整しなければならなんわけです。

 周波数のほうはというと、これがドンピシャと言ってもいい1.04KHzでした。10Hz以下は上下にフラフラはしていますが、安定しています。あと、ボリュームを回すと、出力を0V〜2V程度までなら波形も綺麗で調整ができますので、実際に組み込む時はボリュームをいれると「可変電圧出力」式になって、かっこよさも倍増です(電圧によってちょっと周波数が変わりますが)。

 なお、出力1Vのときのボリュームの値は0.798Ω、Reの実測は0.983Ωなので、必要なReは 1.781Ω ということになります。

 測定器の上に工具を置いてはいけません。

 この回路は今、剥き出しですが、ケースに入れると発振周波数また微妙に変わでしょうから、Rcはもう少し大きめのにして半固定抵抗を直列に入れ、Vcを下げ、それからReと直列にボリュームを入れて、調整出来るようにしようと思います。ついでに移相回路も3種類ぐらい作って切り替えられるようにするといいかも。
あと、さっさと1石アンプを作って、テスト音が鳴るようにするといいかも。思いつきは止まりませんが、いつ出来るんだ?


2003.05.07

・高感度ラジオの秘密

 作ったラジオは未だに通勤ラジオで使っております。使っていて非常に大事な事に気がつきました。それは、弱電界では高周波増幅無しのラジオは使い物にならない、ということです。はい、そりゃもう当然のことです。しかし、頭で理解していたのと実体験で気がついたというところの違いは大きいです。つまりこういうことです。例えばつぎのようなラジオがあったとしましょう。

 アンテナ->同調回路->検波回路->出力2000Wの低周波増幅回路->スピーカー

 なんか鳴りそうな気もするんですが、実は電波の弱いところでは全然ならないことは容易に予想がつきます(というか、突然気がついたんですが)。検波回路に例えばゲルマニウムダイオードを使っているとしましょう。ゲルマニウムダイオードは電流がが通りはじめるのが0.4Vぐらいからなので、同調回路が0.4V以上の電圧を出力してこなかったら、哀れ高周波はダイオードを通過出来ず、当然のごとく、いくら低周波増幅回路が凄くても、絶対鳴らないということなのですね。

 LMF-501Tはその点、同調回路から出てきた高周波の電圧を3段も増幅させてから検波してますから、そりゃもう、いきなりクリスタルイヤホンを付けても鳴るというものです。

 したがって、やはり実用的なラジオを目指すなら、高周波増幅は欠かせないし、ダブルスーパーヘテロダインラジオにいたっては、高周波を増幅しやすい低い周波数に変換して2段も増幅するんだから、高感度なのは当然だよなぁと、今頃になって感心しているのであります。


・低周波発信器を作ってみよう

 アンプを作って、性能を評価するには、何が必要でしょう。例えばこんな感じでしょうか

  ファンクションジェネレーター
  バルボルというか低周波電圧計
  歪み計
  スペアナ
  オシロスコープ
  周波数カウンター

 このうちオシロと周波数カウンターはあります。立派なのが。バルボルはオシロの波形をちゃんと読めば電圧はわかりますから、オシロで代用できます。でもさらに高そうなスペアナと歪み計は、まあ想像力と自分の耳を信じることにして(凄い諦め方!)も、ファンクションジェネレーターは欲しいところです。

 毎度おなじみ秋月のキットを買おうかとも思いましたが、1kHzの正弦波だけなら、CR発振器でいいやと思って、何かお手本はと探したところ、CQ出版社「初歩のエレクトロニクス&コンピューター」No.1に掲載の回路を作ってみることにしました。こりゃ簡単です。

 いきなりユニバーサル基板に組もうかと思いましたが、ブレッドボードにちょっと組んで、本当に発振するのか見てやろうということにしました。これは頭の体操にもなります。

 組んだところ。

 ところが、上の写真ではウンともスンともいいません。1時間悩んで、実はブレッドボードの構造を間違って覚えていたのが原因でした。写真では3つのブレッドボードが並んでいますが、単独で5つの穴の列があるのが見て取れますでしょうか。穴が密集しているところではありません。

 わたしはこの5つの穴は5つづつが一塊りになっていて、それぞれ独立している、と思いこんでいたのです。実はこの「5つ穴の固まりが並んでいる縦一列」は全部繋がってました。たまたまVccは別なところでつなげていたので、火を吹かなかったんですが、かなりヤバイところでした。どうして解ったかというと、抵抗値を間違っているのではないかとテスターで計っていったら、ある抵抗が0Ωだったので変だな、と思った次第です。危うくCQ出版社に電話するところでした。発振せんぞ、と。そんなわけ無いのにも関わらず。

 下記が測定スペースです。いや、気分はテストベンチです。

 

 さて、配線を正しくし直して、オシロで波形を見てみました。

1V/div、20μs

 お〜発振してる〜。ものすごく綺麗ですねぇ。CR発振器最高です。電圧も読める!読めるぞ〜。
 あれ?1V/divだから・・・2.2V? 製作記事では1.3Vだったのに違いすぎるんでないかい?!

 出ました!周波数カウンター!

 んん〜っ???9.3kHz?1kHzじゃないのかぁ? と、ここでまた1時間悩んで解ったその原因は、移相回路のコンデンサに 0.022μF を使うところを 0.0022μFを使っていたのです!セラミックコンデンサの数字でいうと 222 なわけですが、これが原因。一桁小さいので、発振周波数は一桁多くなるわけです。

                1
発信周波数 f =-----------------------
           2π(ルート6)・CR

 じゃあ、0.022μFに交換・・・と思ったら無い!部品ストックに無いのです。いやぁ参りました。また買ってこないとなりません。
 遠いですねぇ。ホームビルダーの電子工作というのは。

 それと、電圧が違いすぎるのは、一つはVccがアルカリ乾電池4本の電圧が 6.4Vだったのと、発信周波数が高くなったので、その分実効分が多くなって、結果的にIcが多く流れたのが原因と思われます。あるいはhFEが大きいのかも。

 改良するとしたら、Vccに6Vレギュレータを付けるか、各部品の定数を見直す必要があるでしょう。マンガン電池とちがってアルカリ電池は使用中でも電圧下がりませんからねぇ・・・電源装置ができあがったら、Vccを変化させてどうなるか、とか実験できるんですがトホホ。

 ちなみに、回路の安定度ですが、直接部品をさわったりしなければボディエフェクトはあまり無く(クリチカルではない、ということです)、息を吹きかけたりしても、すぐもとに戻ります。上記だと通電20秒で9.3xxxkHzになり、小数点1桁は安定していますが、小数点2桁以下はふらふらして使いものになりません。100Hz未満の変動なら、まあとりあえず使えるからいいです。良い部品(誤差も当然だが、温度係数が小さいやつ))を使えばもっと安定するんでしょうが、こんな何の補償回路もない発振器には勿体ないです。



2003.04.27

・LMF-501Tラジオの完成

 実際に完成したのは2003.04.26未明でしたが、あまりのいい音(手前味噌っぽいが)に、そのままうたた寝してしまった上、その晩には呑みに行ってしまったため、その日の日記に書けなかったというていたらくはさておき、完成までのお話です。でもこれで、このプロジェクトが終わるということではありません。元々は本で見たあるラジオの回路を理解した上で、自分で設計し直すことです。はい。したがって、このLMF501Tのラジオは習作ってことですね。


 やっと見つけたバーアンテナのホルダー

 秋葉原で見つけましたが、この四角いタイプは、昔良く製作記事で見かけた「MAXコイル」用(いまでも売っていますが)ので、あさひ通信のSLシリーズにはちょっと大きいのです。なんでも、バーアンテナはまだ入荷しているけれど、なぜかホルダーは入荷しないそうなんですね。なぜなんでしょう。

MAXのPB-450とあさひ通信のSL-55GT

 しかし、厚みは同じなので、MAXコイル用でも多少ぐらつきますが、十分使えます。また、同じあさひ通信の丸いコアのSL-45GTにも使えます。ちょうどそのコアの外径ががこのホルダーの内径と同じなのですね。

 下記はそのホルダーを平ラグのラグ端子を外して取り付けたところです。でもホルダーのピンを溶かしただけだと、ちょっと弱いので、瞬間接着剤で留めてしまいました。それから、バーアンテナは本当は写真でいうと横に取り付ける(平ラグに直角に取り付ける)つもりでいましたが、現物合わせをした結果、この位置だとケースに引っかかってしまうことがわかったので、縦に取り付けることにしました。



 自分が考えた回路でラジオを作るなんて初めてです!下記は完成して動作テストをしている所です。
 赤い太い線はアンテナ線です。



 早速NHK第一、第二、AFNが聞こえました。ううむ。電池式真空管ラジオより感度がいい・・・
 ところが、AFNより上が発振してます。ギャーッと。ひょっとしてコイルと501が近すぎる?何しろ501は高周波3段増幅ですからねぇ。きっと敏感なんですね。
 対策する前に、まずは実装しましょう。



 とりあえずケースに穴を開けました。当方マンション住まいなので電動工具は騒音問題になるので使えません。必然的にハンドドリルを使いますが、このタッパっていうのは柔らかいので、ハンドドリルも使いにくい。そこでどうやるかというと、まず部品を乗せて、鉛筆で穴の位置決めをし、そこのところを半田ごてでちょっとだけ穴を開けます(ポンチの代わり:これがコツです)。そしてドリルの刃だけを手で持ってゆっくり丁寧に開けるのです。手の力でも綺麗に開きます。



 ポリバリコンの真ん中の穴は9mmですが、私は最大6mmのドリル刃しか持っていないので、まず6mmで開けてからテーパーリーマーで広げました。しかし金属用のテーパーリーマーで柔らかい素材の穴を広げるのはちょっと苦しいですね。底に開けた平ラグを留めるための皿ネジ穴は3.2mmです。外側から6mmの刃でこそげて、皿ネジのテーパーを付けてあります。




 完成したアッセンブリ(ちょっとかっこいい言い方ネ)をケースに実装しました。昔の製作記事は、タッパにラジオというと、タッパを逆さまにしてポリバリコンを底に取り付ける、つまりフタには何も付けないのが定石ですが、子供のころから「タッパを逆さまに使うのは変だ」と思っておりましたので、当然のようにフタ側にポリバリコンを取り付けました。

 単4の電池ケースは留めていません。実はポリバリコンがついたフタを締めると、ポリバリコンが電池ケースをちょうど(偶然にも)押さえてくれるので、良い具合なのです。
 


 組み立て後にスイッチを入れてみますと、アンテナ線無しでもNHK第一、第二、AFNが聞こえるではないですか!凄い良い感度です。AFNはもうSIMPO55555です。RS59です。たった1個のICでここまで高感度というのは本当にびっくりです。逆に、高周波増幅をすると高感度なラジオになるということが身をもって理解できました。

 さて、AFNより上(大体1000kHz)以上で発振する件ですが、ケースに収めてもやはり発振します。手を近づけたり離したりしても現象に変化は無いので、ボディエフェクトではありません。多分同調コイルが高周波増幅回路に近すぎて、発振しているんだと思い、コイルを指で501から離すようにしてみました。すると、発振は完全に止まります。

 ところがです。発振が止まった状態でNHKやAFNを聞くと、音が小さいのです。つまり、高周波が回り込んでいるということで、期せずして、我がLMF-501Tラジオは、見事なまでの再生ラジオになっていたのですね。そこでどうせならこの現象を利用して、発振しないギリギリの距離を保てば、高感度なままでいられるのでは無いかと思い、最適な角度を探ってみました。すると501から約10mmのところにコイルを置くとBC帯全域で発振せず、こんどは何とスーパーヘテロダインのラジオでもやっと聞こえるニッポン放送まで聞こえるようになりました。当然TBSラジオも聞こえます。いや〜驚きました。

 次の写真は、発振してしまったコイル位置です。



 次は感度のいいところで留めたコイルの様子です。どうやって留めようかと思ったら、ちょうどラグ板の穴があるではないですか!さっそく爪楊枝を削ってストッパーにしました。



 これでアンテナ無しで下はNHK第一から上はニッポン放送まで聞こえます。ヒョウタンから駒といいますか、発振から高感度といいますか、妙な気持ちです。設計段階では考えてもいませんでしたし、そもそも発振するようなレイアウトに問題があったわけですから、本当は恥ずかしい事なのでしょうが、まあアマチュアだから許してくだされ。

 次は完成した本ホームページはじまって以来第2号のラジオの記念写真です。後ろを黒で撮るとカッチョイイですね。ちょっと厚みがありますが、シャツの胸ポケットにすっぽり収まります。



 その他の性能についてですが、次のような感じでした。測定器が無いので、正確な事はわかりませんが、十分実用になるラジオだと言って良いと思います。

1)感度
   外部アンテナを付けなくても、自宅室内でスーパーでもかなり小さくしか聞こえないニッポン放送が聞こえる。ラジオ日本は元々全然聞こえないので問題無し。
2)分離度
   自宅で使う分では混信はしないが、ややブロードな感じ。強電界地域では多少混信する予感。
3)音量
   本機はボリュームは付けていないが、音量は十分で、放送内容が100%聞き取れる。音量がうるさい場合は、耳からイヤホンを少し抜けば良い。
4)フィールドテスト
   自宅がある横浜から新橋までまで、通勤ラジオとして使ってみた。いつもニッポン放送の「高嶋ひでたけのお早よう!中年探偵団」と「うえやなぎまさひこのサプライズ」を聞いているのですが、今回のフィールドテストも、ニッポン放送です。結果は、トンネルを除いて、手すりのそばにいるなり窓のそばにいるなりすれば、不感地帯はほとんどありませんでした。ただ新川崎近辺で少々AFNが混信してきました。なぜAFNが新川崎であんなに強かったのかは不思議でしたが、まあいいでしょう。音量も電車内でも十分聞ける音量でした。ただしクリスタルイヤホンはいまいちかっちょ悪いです。

 ゴールデンウイークは電源の製作をしようかと思っておりますが、完成するかどうかは不明です。なお、このページ「ラジオ、作りますか?」はまだまだ続きます。


2003.04.26

・LMF501Tを使ったラジオ、完成しました。

 構想一瞬、完成まで大体3時間ぐらいでしょうか。ハプニングもありましたが、通勤ラジオに使えなくもない性能で驚いております。
 なお、本日はアルコールで頭がぶっとんでますので、明日詳しく書かせて頂きます。


・違うけど同じ

 ミツミのLMF501Tのスペックにある使用例(以下「使用例」と称す)は、こんな回路です。



 電池と501の1番ピンとの間は、コイルが直流を通すので、動作しますよね。さらに同調回路がありますので、交流(高周波)も501の1番ピンを目指します。でも直流は下の方向には流れません。なぜなら、途中にコンデンサ0.01μFがあるからです。コンデンサは直流を通しません。

 ここまではいいんですが、なぜ今回のような回路(2003.04.23の日記の回路参照のこと)になったかと言うと、あまり大した理由ではないのですが、ネットで見かける作例は、使用例と違う回路のように見えて仕方がなかったのです。もし使用例と他の作例が等価な回路だと理解できれば、まあどっちでも良いということになるので、理解が深まります(これ重要)。

 回路をじっと見ていたら、こんな風に理解できました。まずは使用例の同調回路をぐにゃっと90度曲げてみます。


 使用例と同じです。別に変わったところはありませんよね。
 次に100kの左側の線は、ずーっと下にたれてるのを、同調回路の内側に寄せます。



 これもやっぱり使用例と同じです、501の1番ピンには直流と交流(高周波)がいってます。
 そこで、今度は100kの左側の下にたれている線をちょっとつなぎかえてみます。



 501の1番ピンには直流と交流(高周波)が仲良く入力されています。
 コイルには直流が流れませんが、ここからは交流(高周波)だけが出力されればいいので、わざわざ直流を通す必要はありません。
 それで良いならコンデンサ0.01μFが別に下に無くたっていいわけです。



 コイル側へは直流は完全に阻止されていますが、交流(高周波)は流れてきます。
 そしてやっぱり、501の1番ピンへは直流と交流(高周波)が、入力されています。

 結果的にミツミの使用例と、今回作ったラジオの回路は等価である、と言っていいわけです。むしろ使用例のほうは、コイルに直流を通すので、高電流の直流がコイルを流れていくような場合は、コイルにダメージがあるんじゃないかと考えられます。それとも使用例のような回路は何か良いことでもあるんでしょうか。


2003.04.24

・コレクタ電流決定の極意?
 こちらのプロジェクトはずっともう教科書首っ引きです。マジでやると物理Uと数学Vまでいってしまうので、私はこれでも文系だから全然理解不能。とにかく諸先輩が「天から降ってくる」という、コレクタ電流値を自分なりに決めるための法則を考えてみたいと思います。たぶんこれって間違ってはいないと思いますが、証明しろといわれても無理です。まあ「歩くとき、右足から出すというのをルールにしよう」といっているのだとでも思ってください。

 エミッタ共通回路において、コレクタ電流を自分なりに決めるためのTuning Radio的法則(長ぁ〜)
 法則1 その回路の前段からどのくらい電流が来るのか考える。
         →たとえば前段がゲルマラジオなら?とかクリスタルマイクなら?とか考えるわけですね。
 法則2 その電流を、使おうと思っているトランジスタでのhFEめいっぱいに増幅したときの、コレクタ電流の値はいくらか。
         →だってhFE以上な流れないから。

書いてて思いましたけど、こんなの当たり前ですよね。でもいまの私の段階はそんな感じなんですよ。そのうち右足からでも左足からでも歩き始めて良し、という感覚がつかめればいいと思いますけれど。

・LMF501Tに出会ってしまった。
 この間、サトー電気に買い物にいったんですが、フト壁をみたらミツミ製のLMF501T在庫有りの紙が貼ってあるではないですか。さっそく5個ほど買ってきました。自分で回路を全部決めるのもいいですが、たまにはこういう石との出会いでラジオを作るのも良いのではないでしょうか。

 というわけで、さっそくミツミのホームページからスペック表を入手して読んでみました。何々、1.5Vで動くとな!3000kHzまでいける!そりゃあ小型なラジオが作れるぞ、と思って、まずケースをこれ↓にしました。100円ショップで4個100円で売っていたパックです。1個25円!?メーカーも大変でしょうねぇ。

 バンテリン無しには生きられない私・・・

で、考えた回路図がこれです。ほとんどスペック表の使用例のままですが。



501の出力は直接クリスタルイヤホンに接続しています。本当は直列にコンデンサを入れるらしいんですが、クリスタルイヤホンのキャパシタンスをそのまま利用してやろう、という腹です。部品点数を減らすためわざとそうしました。

部品のレイアウトと完成図がこれです。

 あんまし上手くないな・・・



 部品を並べてみました。

部品表
----------------------------------------
AMラジオ用IC..............LMF501T(ミツミ) x1
バーアンテナ................SL-55GT(あさひ通信) x1
単連ポリバリコン.........220pF(メーカー不明) x1
ダイヤル........................ネジ付き x1
平ラグ板........................6P(サトーパーツ) x1
抵抗...............................1/4W 100k x1
抵抗...............................1/4W 1k x1
コンデンサ.....................セラミック 0.1 x1
コンデンサ.....................セラミック 0.01 x1
電池ケース...................単4x1 x1
電源スイッチ.................スナップ式 x1
クリスタルイヤホン.......リード線式 x1
ビニール線....................適宜
ケース............................100円ショップで4個一組のもの。
ネジ................................3mmx10mm平ネジ x2
ナット..............................3mm x2
------------------------------------------
SL55GTをとめるためのバーアンテナホルダーが無いんですけど、通販ではみつかりませんねぇ。ネット上では蝋燭でとめたり、L型金具でとめたり、宙ぶらりんのままにしてたり、様々ですが、やっぱりあのバーアンテナホルダーで留めたいところです。とりあえずは紐かなんかで・・・

下記が組み立てに入ったところです。果たして動くやら・・・。



あとで自前で設計した1石アンプを内蔵し、低周波の増幅で感度増強してみたら、きっと良いラジオになるでしょう。

ところで501Tというのは高周波3段に検波回路が入っているそうですが、100kオームって当然NFBの量を決めてるんですよね?そうするとここにボリュームを入れて帰還量を調整出来るようにすべきであろうか・・・。ミツミの使用例にはそんなことは書いてないんですが、どうなのかな。


2003.04.09

 トランジスタを買ってきた。まあ単なる1石アンプなぞ、どんなのでも良いのでありますが、一応定番の2SC1815-Yを買ってきました。東急ハンズで10本100円です。何て安いんだ!ついでに2SC2240欲しかったのですが、それは無かった・・・。

 ところで、回路を設計するにも、実測値が無いとどうしようもない部分もあります。
 まずは、下記のような回路を作って、IC、IB、VBEの測定をしてみました。RBもVCCもそのへんの物を使ったという感じです。
 IBが流れすぎないようにRBに大きい抵抗を付けましたが、大体0.02mAぐらいを狙ってみました。2SC1815-YはhFEが120-240なので、240とすると、ICは最大4.8mAぐらいになるわけですね。2SC1815のスペック表を見るとIC(MAX)は150mAだけど、PC=400mW(今室温が20度です)で、VCCが9Vだから400/9=44mAまでが限界。しかし、その1/10の4.8mAなら問題なしと判断できます。



ブレッドボードに上記回路を組んで、電池を接続します。

 Icの測定中です。
安定するのに30秒ぐらいかかりました。2485μAでした。

 今度はIBの測定中です。
15.9μAでした。

よって、電流増幅率hFEは 2485/15.9=156.3 でした。
ついでに
 VBE=0.68V
 VCE=8.81V
 実際のコレクタ損失は 2485μA x 8.81V =21mW

とりあえずこの2SC1815-Yで遊んでみましょう。



2003.04.02

 真空管ラジオが上手くできたので、では今度は自分で設計してみよう、とふと思ったのが大間違いで、はまるにはまっております。
 まず方針を決めねばなりますまい。

・トランジスタで作る
  真空管だと部品も高いですから。
・安価に作る
  安定性は多少犠牲にしても部品点数は極力少なくしたいのです。こづかいで作れるように。
・原理を理解して、設計製作する。
  自分が作った物がどう動いてるか理解しながら作ります。

 特に3番目は重要。ブラックボックスじゃない物を手にするのは気持ちいいです。
 とは言っても、何のとっかかりも無しでは、脳内にラジオの回路は浮かんできませんから、古い回路を理解してみようと思い、昔の回路図集からあるラジオを取り上げてみることにしました。それが良くなかった・・・。

 誠文堂新光社刊 「子供の科学別冊・カードを使ってラジオを作ろう」(昭和49年)の中にあった”2石直結ラジオ”という回路を何となく選んだのですが、これがもうかなりの曲者でして、どこがどう動いているのか、分からない。もちろん、同調回路は簡単です。問題は低周波アンプの回路なんですが、次のような回路でした。



 同本の他の回路は、オーソドックスな固定バイアスか自己バイアスのエミッタ接地回路(この言い方も古いんですか?今はエミッタ共通回路というのですか)ばかりなのです。これだけが不思議な回路なんですよね。

 一見NFBかと思いきや、2SC372のエミッタから出た信号は47μFで交流的にアースされてしまっています。いや、それは実は結論でして、まずこの回路の動作を理解すべく、ネット上で公開されているトランジスタアンプの回路で同じようなものを探しても探しても見つからず、じっと手を見るような日が1週間続きました。ならば仕方がない、と思い、入門書を片っ端から買いあさりました。するとどうやら、似たような回路は確かにありました。しかしそれには47μFでQ2から出たせっかくの信号をコンデンサで交流的にアースなどしていません。一体全体どうなっているのでしょうか。

 そこで今度は2段になっている回路を半分に割って、1石で動くとしたらどうなのヨと調べていくうちに、そもそも1石低周波アンプの設計からしてよくわからん、ということになり、ここ10日ほど1石アンプの設計ばっかりやっておりました。ノート(ノートPCにあらず。いわゆる紙と鉛筆だけの世界)の上に何度も作りましたが、コツが全然わからず、書いてはX印を付ける毎日でした。

 それでどうやら出来たのが↓でして(迫力を出すため、メモ書きをそのままにお届けします)、いわゆる回路シミュレータ上では動くようですが、これが実際動くのかどうかは、まだ試していません。



 上の回路だけでも電圧利得が77倍あるので(発振したりして(笑))、なにかに使えるかも知れません。

 いろんな本を読んで思ったのですが、同じような入門書の1石アンプでも、著者によって、定数を決める順番が全然違っていて、とても迷いました。ある著者は「コレクタ電流から決める」、別な本には「まずVcc、そしてコレクタ負荷抵抗を決める」とか「ベース電流は0Aと見なす」とか、その一番最初のところが肝心なのに、天下り的に決めてしまっているので、それが著者の脳のどこから出てくるのかを知りたいんですが、どこにも書いていません。ここは2Vにしましょう、とか言われても何で?と子供のような疑問が出てきて仕方がないのです。
 もっともびっくりしたのは「IC-VCE特性図に直流負荷線を決める場合、IC=0mAの時にVCC=6VとしてA点が決まる」と書いてある本です。まあ分かる人は当然分かる話ですが、私の脳は「え?電流が流れないときが一番電圧高い状態?それって回路のどこを差して言ってるのだ?んー想像出来ない」というレベルなんです。いきなりこういう
「分かっててあたりまえだよね」
「もっと勉強したら分かるようになるから、とりあえずここのA点を起きなさい」
というような書き方をされると全然理解出来なくなるのです。

 特に”とりあえず”の感覚が難しいですね。別な本では「とりあえず適当に考えて、不具合はあとで修正しましょう」という、アメリカンな?発想のものもあり、こういった入門書の著者のバックボーンが何であるかがちょっとかいま見られたりしておもしろいなと思いました。きっと著者どおしで入門書に関して話しあったら「同じ事を言っているはずなのに、話しがかみ合わない」という状況になるのではないでしょうか。

 しかし、これだけははっきりしました。トランジスタの増幅回路は「直流動作と交流動作に分けて考える」です。これはおもしろいです。デジタル回路はTTL上等とでもいいますか、5Vで何でも決めてしまう、みたいなイメージ(乱暴なイメージだなぁ)がありますが、アナログ回路は音楽でいえばポリフォニーとでもいいますか、すべての定数が表裏一体である、というのが興味深いところです。

 さて、2石直結ラジオの理解はというと、1石アンプは分かってきましたので、おぼろげながら見えてきました。そのあたりは次回に書きたいと思います。

今までの流れを簡単に書くとこうなります。

トランジスタラジオを作ろう

昔の回路図を分析してみよう

まずは低周波回路かな

おや、これは変な回路だ。どう動いているのだ。

他に同様の事例が無いかネットで探す

無かったので入門書を買う

入門書にも無い(かなり近いものは1つだけあった)

では入門書を参考に1石アンプを設計してみよう

とりあえず出来た。

つづく(はまりつづける)