National/Panasonic R-225 トランジスタラジオのレストア
2004.07.08
プーリーを外します。まずダイヤルを下一杯に回しておいて、プーリーと糸の位置をマジックでチェックしてから外します。
外した状態です。ああ、嫌な気分・・・
問題のバンド切り替えスイッチを外しました。案外外しやすかったです。これは基板にリード線毎に穴があって取り付けるタイプではなく、基板には細長いスリットがあって、そこにリード線を通す形式だったからです。
爪を起こして、静かにケースを外します。
接点をショート(というかブリッジ?)させるコマです。よく見ないとわかりませんが、写真中央のコマを見てください。コマの裏側が写っています。縦に細いスジが入っているんですが、これはもう皮一枚でコマが繋がってる状態です。あと2mmも広げたら千切れます。といってこのコマを作る訳にもいきません。このスイッチは単純な4回路2接点のスライドスイッチなので、ならアキバを探せば売ってると思うんですが、オリジナル部品にこだわりを持つ私としては、リペアすることを考えます。
まず接触不良の一端の原因である、接点をリペアします。接点はクレンザーを含ませた水で丁寧に磨きます。接触不良のスイッチというのは、ユーザーが接触不良を直そうとしてスイッチをガチャガチャと操作するため、接点が曲がってしまっていることが多いので、ラジオペンチで修正します。修正のさい、ラジオペンチで接点に傷がつきますので、接点をゴムで挟んでから作業すると良いでしょう。
次にコマのリペアです。写真中央右下のゴミのようなものはニッパで切り出した半田です。コマを逆さまにして、この細く切った半田を差し込みます。
コマは水平に持ちまして、半田ごてを下からあてて、半田を溶かします。十分溶けて隙間に行き渡ったことを確認してからコテを外します。このときコマが斜めになっていると、半田が溶け出して失敗します。
写真はリペアが終了したコマです。
すべてのコマと接点を修正し、リペアが終わった状態です。この後元の姿に組立てますが、接点とコマには触らないようにしなければいけません。皮脂が付くと、またそれが接触不良の原因になります。
この後、切り替えスイッチを半田付けし、プーリーを取り付けました。ダイヤルは最初だけギリギリという音を立てましたが、その後はスムーズに動きました。
清掃のため、スピーカーとフロントパネルを分離します。
ケースの清掃が終了しました。このラジオは埃にまみれて、薄汚れてはいましたが、それほど状態は悪くありませんでしたので、磨きを入れるほどではありません。
とはいえ、ダイヤル窓はご覧の通りですので、例によって謎の粉を使って磨きます。
磨き終了のダイヤル窓です。
スピーカーの清掃です。スピーカーはフロントパネルの穴を通して直接外気に触れているので、どうしても埃がたまりやすいのですが、素材が紙ですのでザバザバと水洗いするわけにはいきません。水で湿らせた(本当にちょっと濡れてるだけ程度)綿棒を回転させながら埃を取ります。決して綿棒でスピーカーコーンをこすってはいけません。それでも多少はスピーカーが濡れますので、十分自然乾燥します。
スピーカーが乾燥したら、再度取り付けます。スピーカーコードを押さえているガムテープが剥がれて使えなくなっているので、新しく同サイズに切ったガムテープで同じところを留めます。
ボディエフェクトを減らすために、スピーカーからフロントパネルへ線が延びています。これはスピーカーにボンドで留めてありましたので、同じ箇所をボンドで留めます。これはスピーカーの音で線が暴れてビビリ音が出ないようにするためのものですので、ボンドで留めるのは重要です。
電池ボックスの蓋にはウレタンが張ってあったと思われます。元の張ったあとを綺麗に剥がし、新たに貼り付けます。
この後は、イヤホン端子とロッドアンテナを磨き、すべて組立てました。ロッドアンテナは、底面がこのラジオ専用の切り欠きがあるため、他のアンテナと取り替えるのは諦めました。とりあえず先端を潰して中に落ちないようにしておきました。そのうちロッドアンテナもリペアできるようになったら良いのですが、治具が無いとちょっと無理です。仮組状態での音をお聞きください。→こちら
以上で完成です。ダイヤルはスムーズに動きます。AM/SWとも問題なく受信でき、周波数も狂っていません。リペアした切り替えスイッチは全く問題無いようです。SWはあまり感度が良くないですが、これは昼間ということもあります。夜にもう一度聞いてみようかと。音はちょっと堅めの音です。色も当時のナショナルっぽい感じで良いですね。
→
あの超汚かったダイヤル周りも綺麗になりました。本当に同じラジオかと思うぐらいです。
完
2004.07.06
ところで・・・
台所で鍋の整理をするのに使う網棚を買いました。高さ200mmぐらいありますが、これと100円ショップで買った回転台と組み合わせると、点検しやすいのなんの。作業中は下に道具やテスト機器を置いて作業出来るのはもちろんのこと、作業を中断するときはそのまま奥に移動すれば直ちに机を広く出来るという一石二丁の環境です。お奨めです。
さて、回路の点検をしてみました。まずいつもの低周波発信器で1Vp-pの1KHzの信号をAF初段ボリューム手前に入れてみました。ボリュームにガリも無く、綺麗に大きく音が出ます。次はシグナルインジェクターで検波用ダイオードの前から信号を入れます。問題ありません。バンド切り替えはMW(中波)にして、シグナルインジェクターとシグナルトレーサーで信号を探っていきますと、バリコン周辺で異変が。触った場所によっては、テスター棒がアンテナになるのか、サーッという音が出てきます。つまり、RF回路も結構生きている可能性があります。ただ、この状態でも放送は聞こえません。シグナルインジェクターをアンテナにつなぎ、バンド切り替えスイッチのあたりをトレーサーで聞いてみると、切り替えスイッチの足によってははっきり聞こえるところと聞こえないところがあります。バンド切り替えはコイルを切り替えているだけなので、普通は切り替えスイッチのどの足からも同じように聞こえそうなものですが、それが聞こえないということは、このスイッチがかなり怪しいということです。
そこで、このスイッチをゆすりながらガチャガチャと早めに動かし、その後ゆっくり動かしてみたところ、シグナルインジェクターの音がどこでも大きく聞こえるようになりました。ここでダイヤルを回すと、594KHz
NHK第一放送を受信することができました。しかし、バンドスイッチを少しでも動かすと、もう聞こえません。故障の原因はバンド切り替えスイッチの接触不良でした。
バンド切り替えスイッチ
これがスイッチですが、バラして接点を磨くことが可能なようです。これを外すことを考えましょう。ところがここで難関が・・・
スイッチのパターン面はプーリーで隠れてます。ということはどう考えてもこのプーリーを外さないとスイッチを取ることはできません。うーん・・・糸かけは素人にはできないから外しちゃいけない、と、ある人に言われてるのだが。まあ仕方がないか。これは根気がいるので、ちょっと休んでからにしよう。
イヤホン端子兼電源端子です。錆びて真っ黒です。これも磨きます。
ロッドアンテナです。なんだか知りませんが、異様に汚れています。
底の部分には切り欠きがあって、単純には換えが利かないようです。どうしましょう。丸まった部品は外部アンテナ端子で、裏蓋にある小さい穴に合うようになっています。
つづく
2004.07.03
National/Panasonic R-225 8石AM/SWラジオです。
初見は・・・電源は入ります。アンプのノイズはボリュームの大小で変わるのでAF段は大丈夫な感じ。ダイヤルを回しても何も聞こえません。AM/SWのどちらもだめです。バンドスイッチを中途半端にすると、ノイズが大きくなる点がありますが、その状態でダイヤルを回してもやはり聞こえません。初見としてはRF段の故障を疑います。
こうして遠くから見ると綺麗ですが。
ダイヤル周りです。汚い!それにあまりスムーズに回りません。ゴミが詰まってるのでしょうか。
ロッドアンテナ先折れ。しかも埃が。
バンドスイッチにも埃・・・と思ったら何かの脱皮の皮でした。それが何かは追求しません。
裏蓋のネジは開けた痕有り。
例によって3枚おろしにしたところです。電池は単三x4本で電池端子は基板に直づけです。1本青くなってますが、概ね綺麗です。
とりあえず黒ずんだ埃とか何かの脱皮した皮とかを丁寧に取り除きます。
つづく