ロッシェル塩、イケてます。変なタイトルだ・・・

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2005.10.14

私が実験中のロッシェル塩の結晶を作る方法をご紹介します。
といっても、シロウトの方法です。皆さんの追試験により、より良い方法が確立されるとよろしいと思います。よろしくお願いします。


参考文献

 さて、まず私がロッシェル塩を結晶するにあたり、参考文献を先に書いておきます。
 買うと高い本が多いので、殆ど図書館を利用しました。これら参考文献によって、ロッシェル塩の物性や実験方法がかなりわかりました。

日本放送協會技術局編1940『ラジオ技術教科書』日本放送出版協會
ラジオ科学社編1943『新編ラジオ早わかり』ラジオ科学社
三宅静雄著1949『理化集報4 ロッシェル鹽』小山出版
ケニス・M・スエジー著、金沢養訳1962『科学マジック1 アマチュア実験室』白揚社
化学大辞典編集委員会編1984『化学大辞典』共立出版
高木豊、田中哲郎監修、村田製作所編1990『驚異のチタバリ』丸善

 これら参考文献の中では三宅博士のロッシェル鹽がどうやらバイブルと呼ばれている本のようです。しかし市販された本ではないので、見つけるのは至難の業です。ところが世はインターネット時代。ググッてみると、あら不思議。全国各地の図書館に蔵書があることがわかります。国立国会図書館にももちろんあります。

 ロッシェル塩に興味があるなら、この三宅博士の本をぜひ一度読んでみて欲しいとおもいます。あらゆるヒントがここにあります。

 それと文献でもう一つ追加。

高木昇・三宅康友共著1941『ロッシェル塩振動子A板,B板,C板の実験的研究』

 これは電子情報通信学会の秋山・志田記念賞第2回受賞論文です。私はこの論文を元にしたと思われる高木昇博士の「ロッシェル鹽振動子の振動姿態」という論文を読んだことがありますが、初出不明です。

 まあこのレベルの論文を読んでも、シロウトにはここに書いてある通りには決して作れないと思うのですが、ロッシェル塩がくねくね動いて電気を発生させている様子が良くわかります。


その他参考リンク
クリスタルピックアップの再生(ただしクリスタル部分は別品から持ってきただけ)
http://www3.sympatico.ca/belanger.eric/Radios/cartridge.htm
クリスタルカートリッジの構造
http://home.earthlink.net/~mrkevo4/radiocity/pages/technical.html
バイモルフの電極の接続(クリスタルピックアップはparallel typeで電極を配線します)
http://www.fuji-piezo.com/Bimorph.htm



飽和濃度

ロッシェル塩の純粋に対する飽和溶解度は三宅(1949)によると、次のようになります。

純水100ccに対し、
0℃で41g
10℃で78g
20℃で110g
30℃で150g
40℃で205g
50℃で285g
となります。

 さらに結晶生成の部分を引用しますと、「種は液の中に細い糸で吊すやりかたと、溶液の底または容器の中に入れられた臺(台の旧字体)の上にのせるやり方がある。第一の場合には結晶はすべての方向に完全に生長するが、第二の方法では半結晶になる。第一の方法に於いて用いられる糸は白金、ニッケルのような錆びない金属線、あるいはてぐすなどが良い。結晶を多量的に作るには第二の方法が適当である。液の温度は30℃前後が一番良い」とあります。私は器具の関係上、38℃からスタートしました。

 飽和溶液から結晶を生成するために大切なのは、一つは種結晶、次に飽和溶液です。この飽和溶液を作るのが一番面倒と言えるでしょう。実はロッシェル塩の粉末を水に溶かし始めると、溶液の温度がどんどん下がっていくのです。また飽和溶液から結晶の生成が始まると、今度は溶液の温度が上がっていくのです。この現象が影響してピッタリの飽和溶液を作るのが難しいのです。同じ三宅の文献によると、水溶液から結晶として析出するとき、12.3Kcal/mol、即ち53.5cal/grという相当に大きい結晶化熱を発生する、とあります。実はこの値の意味するところは良くわかりません。専門家に任せますが、飽和溶液の温度を一定に保つのが難しい、ということは理解できたと思います。逆に言えば、十分時間をかけて飽和溶液を作り、温度を一定に保っておかないとなりません。

 結晶化が始まり、結晶化熱によって溶液温度が上がるということは、その分下げてやらねば、溶液内に対流が発生し場所によって違う温度となり、一つの大きな結晶を育てるのが難しくなります。この温度の下げ方もその量や容器の形状も関係してコントロールが難しく、下げ方が急だと、溶液に混入した埃を核にして溶液のあちこちで析出が始まり、ザラメ状になったり、あるいは年輪が入った結晶ができてしまいます。しかし三宅は、この対流現象によって一面濃度の大きい液を薄部部に補給することにより結晶の成長を早めることにも貢献する、としています。

 この項でのまとめは、次のようになります。

・飽和溶解度を把握する
・温度と濃度が安定した飽和溶液を作る必要がある
・溶液の温度を下げて結晶化熱を相殺する
・溶液の温度を下げるのは急激であってはならない



結晶の析出

 析出が始まった飽和溶液の温度を下げていく必要があるのですが、これは「驚異のチタバリ」から引用します。

 戦前、小林理研製作所(現:リオン株式会社)でロッシェル塩結晶を作っていた様子を、陸軍第二研究所から財団法人小林理学研究所に派遣された丸山庄一さんがこのように記述されています。当時第二研究所では潜水艦の水中聴音機を開発中で、水中の潜水艦の音を電気に変える電気音響変換器(トランスジューサ)には、ロッシェル塩が使われていました。陸軍が研究していたのはいわゆるパッシブソナーで、陸軍とは別に海軍は音波によるアクティブソナーを研究していましたが、それにもロッシェル塩が使われていました。そして「単結晶の育成は、飽和水溶液を除冷する方法で、種子結晶を底に置き、その上にバルクの結晶を成長させる。装置は殆ど手作りで、水銀の膨張を使った電流のオン・オフで温度を一定に保つ。そして一日に一回か二回、温度を0.3Kくらいずつ下げる。電流の接点が汚れて温度制御に失敗すると、結晶内に細かな泡("す"とよんだ)ができたり、まわりに小さな結晶("雑晶"とよんだ)が多数発生して不良品の結晶ができてしまう。歩留まりはよくなかった。」ということです。

 これにより、メーカーでも温度管理はかなり難しかったということがわかります。

 この丸山さんのお話には、ロッシェル塩は甲州産のぶどうが使われており云々というエピソードも出てきます。ロッシェル塩の事を調べ始めると必ず葡萄の話しにぶつかるというのは、最近のアマチュア研究者がよく経験することです。

 さて、一日に0.3Kから0.6Kで温度を下げるですが、間違っても0.3x1000=300ののことではありませんネ。熱力学温度の0.3ケルビンだから単純に0.3℃と、考えます(たぶん)。一日に0.3℃から0.6℃温度を下げる、これは例えば水の温度を60℃に保つのと比べて、コントロールが難しい数字です。これを間違いなくやるにはコンピュータ制御の恒温漕を使うしかありません。しかしそんな物をボーナスはたいて買うわけにはいきません。

 この項のまとめです。

・種結晶を入れたら、一日0.3℃〜0.6℃の割合で溶液の温度を下げていく
・下げ方がマズイと"す"や"雑晶"ができて使い物にならない

 これらの話しを元にして、具体的にどうやって結晶を作ったか、次項から説明します。


私の方法

 この方法は安全性が完全に担保された方法ではありませんので、実行される場合は at your own risk 、つまり実験者の自己責任でお願いします。特にヨーグルトメーカーは本来の使い方では無いため、実験による故障・事故は保証書に書いてあるとおりメーカーは一切保証しません。よろしくお願いします。


必要な物:
500ccパック用ヨーグルトメーカー(恒温漕として使います。2000円程度で入手できます)
ヨーグルトメーカーに入る大きさの蓋付きの丸いタッパウエア
浅い皿(100mm程度のもの)
バッテリー補充液(純水)
ロッシェル塩(私は和光純薬の試薬一級の500g瓶を買いました。薬局で注文できます。1500円ぐらいです)
タオル、毛布、布団、出来れば毛布は電気毛布が良い
プラスチックの箸(キャラクター等を印刷していないもの)。割り箸は不可。木の切れ端が溶液に沢山出ます
はかり(料理用で1gまで計れるもの。電子ばかりは1000円程度売っています)
温度計(電子温度計が良いが、アルコール温度計でもかまわない。私は1000円のテスターに付いている機能を使っていますが無くても良い)。
マジックペン
雑巾

注意:
 ロッシェル塩にはLとDがあり、これは光学的に右旋性、左旋性の違いが結晶に出てきます。がしかし、何のことやら良くわかりません。だれか教えてください。とは言え、食うので無ければどちらでも結晶ができます。
D-のほうが若干安いようです。実は注文したときLかDかを指定しなかったんですが、そうしたらDが来ました。必ず「試薬一級」にしてください。これより下のものもありますが、純度が違います。

目標:
長辺50mm程度の透明なロッシェル塩半結晶の生成

種結晶の生成:
 入手した瓶からロッシェル塩を出してみると、すでに0.5mm〜1mmの四角い結晶が無数にあります。しかし、殆どは"す"や傷が入っており、このまま使うとろくな事はありません。そこで、純水で一度すすいだ浅い皿に10mlほどの純水を入れて、乾いたスプーンでロッシェル塩を少し、完全に溶かします。

 そしてこのまま日陰で乾燥させれば、綺麗な種結晶ができます。長いところで1mm〜2mmぐらいの大きさで引き上げてください。次の準備後、この種結晶を大きく成長させます。種結晶は箸で引き上げて直ぐにタッパに入れるのがベストですが、もし一旦どこかに引き上げておくなら、やはり純水ですすいだ皿の上もしくはプラスチックの上に置いてください。種結晶に埃が付くとダメですから、取り扱いに注意してください。当然ちり紙の上はダメです。そして一旦引き上げた種結晶を使う場合は、箸でつまんで綺麗なコップに入れた純水で軽く洗ってから使ってください。

ヨーグルトメーカーの性能測定:
 ヨーグルトメーカーは何度で温度を一定にしてくれるでしょう。ヨーグルトメーカーは牛乳に入れたヨーグルト菌を繁殖させるために、一定の温度に保つように設計されています。恒温漕を必要とするロッシェル塩結晶の生成にうってつけです。私のものは純水50mlを20分で38℃まで上昇させ、その後一定を保ちました。ヨーグルト菌はこの温度以上だと死滅するので、他社製品でも似たり寄ったりの性能だと思います。したがって、測定せずに38℃としてもらってもかまいませんが、測定するなら、ヨーグルトメーカーにタッパウエアを入れ、純水50mlを注いでスイッチを入れ、1時間程度で何度まで上昇し、数時間毎にその温度を計測してください。その温度が、ロッシェル塩生成開始の温度になります。

飽和溶液の作り方:
 はかりにタッパウエアを置き、はかりを見ながら、まず純水50g、これを38℃まで暖めますので、前述の溶解度からロッシェル塩を100g入れます。
はかりから下ろしてプラスチック箸で静かに良くかき混ぜます。周りに飛ばさないようにしてください。溶液が付いたところに片っ端から結晶ができてしまいます。でも室温が38℃以下なら完全には溶けないでしょう。それでもかまいません。どうせ暖めたら完全に溶けます。
 そして必ずタッパの外側に、水面のところへマジックで印を付けておいてください。

 次にこのタッパをヨーグルトメーカーに入れスイッチを入れます。このときタッパの蓋は完全に閉めず、乗せておくだけにしておきます。これは主に埃よけ、そして蒸気抜きのためです。ヨーグルトメーカーの蓋は閉めてください。ヨーグルトメーカーで本来の目的であるヨーグルトを作った場合もそうですが、水分を暖めると当然のように蒸気が出て、それを逃がす構造になっています。私のヨーグルトメーカーでは60分ほどたつと、ロッシェル塩は完全に溶解しました。ここから、ヨーグルトメーカーにより定温状態を保ち、水分を蒸発させていきます。そうすると溶液が少しずつ濃くなっていきますが、きっかけが無いので、どんどん濃くなっていくだけです。つまり過飽和の状態にもっていくわけです。ここがコツといえばコツです。溶解度どおりの状態を作るのは難しいですが、過飽和状態であれば、スタートが多少違っても「過飽和になればいい」ので、アバウトな作業でも良いわけです。

 時々ヨーグルトメーカーごとゆすると、何となくドロっとした感じになってきます。

 タッパに付けた印より2割まで溶液が減ってもまだ結晶の析出は始まらないでしょう。きっかけ(種結晶)がないからです。ヨーグルトメーカーの周りに蒸気がたれてきて水滴が垂れてきますので、雑巾で拭きます。なお雑巾でヨーグルトメーカーをくるんではいけません。ヨーグルトメーカーは発熱していますので雑巾などで断熱すると危険です。

(実験)
 溶液が2割減ったぐらいのところで、ヨーグルトメーカーのスイッチを切って、一日置いてみてください。種結晶は不要です(家での実験は完全に埃を排除できないので、それが核になる)。次の日にはでかい結晶ができているはずです。ただし、先に書いたとおり結晶化熱による対流のせいと、それを補償するものが何もないので、一気に室温まで下がってしまった結果、年輪が沢山入った結晶になっているでしょう。しかし、これができると言うことは、温度をゆっくり下げれば綺麗な結晶ができることを表しています。もう一歩です。

 実験が終わったら、タッパに純水をマジックの印まで注ぎ、もう一度ヨーグルトメーカーで暖めます。半日ほどで完全に溶けてしまいます。

 溶け残っている場合は、タッパを手に取り、プラスチックの箸でガシガシ砕いてかき混ぜてください。そのとき埃が入らないように注意してください。この実験は何度でもできますが、埃が入ると良くないです。この実験で、どの程度の温度の水にどの程度のロッシェル塩が溶けるか、おおよその見当がつきます。


結晶作り本番:
 ヨーグルトメーカーで暖めた溶液が再び2割減るまで水分を蒸発させます。これとは別にタオル、毛布布団を用意します。電気毛布は無くても良いですがあればベストです。電気毛布がある場合はタオルと布団を暖めておいてください。温度が測れるなら38℃になるよう調整しておくとなお良いです。

 まずヨーグルトメーカーのスイッチを消します。それから溶液が入ったタッパに種結晶を入れ蓋を完全に閉めます。その後直ぐに暖めておいたタオルでくるんで、同じく暖めておいた布団に入れます。電気毛布がある場合は先に布団内部を暖めておければなおベストです。そうして電気毛布は除々に温度を下げていってください。

 要するに種結晶を入れた溶液の温度が簡単に下がらないようにすればいいので、私のタオル・電気毛布・布団を使った方法以外でも良いです。例えば魔法ランチボックス(魔法瓶の原理を応用したさめない弁当箱)に入れても良いし、熱帯魚関係の装置を使って、金魚水槽を使った方法でもいいでしょう。その場合は文献どおりスタート温度は30℃が良いでしょう。温度がうまくゆっくり下がれば、種結晶をベースに長辺20mm〜30mm程度の透明な半結晶ができます。大体5時間から10時間後に見てみてください。

 綺麗な結晶ができていなければ、何かが問題です。うまくいかない原因は、埃やフケ等の異物混入、溶液濃度、温度を下げる方法がマズイ、のいずれかが殆どです。理想は一日0.3℃〜0.6℃除冷ですが、何度か実験をして、この温度を保つ最適な方法を各々やってみてください。


後書き:
 かつて小林理研が大量生産していたときに作っていた半結晶の長辺は200mm以上ありました。しかし、そんなでかい結晶でなくても、せいぜい50mm程度あれば、クリスタルイヤホンやピックアップ、スピーカー、マイクは作れると思います。

 あとは加工方法と電極の接着方法となりますが、イヤホンを作るならxカット(αカット、キュリーカット、もしくはaカットとも呼ぶ)した結晶を0.3mmの厚みまでスライスまたは削らなければなりません。これはまだ方法が完成していません。また電極とロッシェル塩を接着する方法は三宅(1949)によるとアルコールで溶かしたシェラックを用いるとあり、また、薄い電極をロッシェル塩に貼るときに鉛筆の底でこすると良いとも書いてありました。バイモルフについては文献もしくは参考リンクを参照していただくと良くわかるでしょう。



2005.08.02

 ロッシェル塩を入手してクリスタルピックアップを復活させるなどと、どえらいことを書いてしまった私ですが、8ヶ月の研究の結果(途中かなりサボりました)、綺麗な結晶を簡単な設備で確実に且つ安定して作ることができるまでになりましたので、そろそろ発表する次第です。

 まずとにかく、できあがったばかりのロッシェル塩の結晶を見てください。

 この他にいびつに成長してしまった雑結晶も数個できてました。

 ちょっとぼけてます。すんません。

 こういう状態のを半結晶といいます。種になる結晶を飽和溶液の底に沈めて成長させた場合、もしくは飽和溶液内で自然に結晶したものをほおっておくと、この状態になります。大量生産時代には何十センチもある半結晶を金魚の水槽で作っていたそうですが、いやまあしかし見事にロッシェル塩結晶の相が出てます。惚れ惚れしました。透明度もかなり良い感じです。

 透明だ!大成功をたたえて、こいつはこのまま保管しておこう!トンガリ具合も良い感じ。

 我慢できなくて20mmで取り出してしまいましたがこのくらいの大きさまでなら数時間で成長させられます。透明なロッシェル塩の結晶は、空気に暴露させたままにしておくと、だんだんと白く濁ってくるそうです。あと風解といって、少しずつ解ける、というか表面が粉になってどんどん小さくなっていきますので、密封容器に入れておく必要があります。それか防湿剤を塗っておくのもいいでしょう。

 古い文献によると、防湿・接着にはアルコールで溶かしたシェラック(いわゆる白ラック)や、膠(にかわ)を使うと良い、とあります。防湿はともかく、結晶と電極を張り合わせるのにそんなものでいいのか、と思いましたが、そもそもロッシェル塩は圧電効果・逆圧電効果があるとしても、基本的に電気を通しにくいコンデンサのようなものですから、そういったもので貼り付けても問題は無さそうです。
まあ問題無さそうも何も、ロッシェル塩の特性を研究していた研究者が白ラックや膠で電極を貼っ付けてたんですから間違いないでしょう。ごく初期のコンデンサも実は白ラックや膠を使っていたことからも、正当な方法と言えなくもないです。

 ロッシェル塩の結晶を作ろうと思い立った最初のころ、ロッシェル塩に電極を接着する方法は、それこそ純銀入り導電性ペーストから果ては真空蒸着まで調べましたが、どれもこれも、普及品、いやはっきりいって安物であったクリスタルピックアップやイヤホンで使うような技術とは思えず、殆ど入手不可能な古い文献をたどって、やっと白ラックや膠で十分ということが分かったのです。過去には炭素粉を混ぜたご飯粒でも良いようなことも聞いたことがありますが、均一に塗るにはチト固すぎのではないかと思います。とはいえ、これもお粥みたいにドロドロにすれば使えそうです。

 ところで白ラックも膠も未だに簡単に入手できるものです。白ラックは高級家具の仕上げ塗りに使ったりしますし(有機溶剤を使うラッカーとは違います)、膠はお湯で煮るだけで使える昔ながらの接着剤ですから、味があっていいです(膠の仲間には、食品添加物としてお菓子を作るときに使ういわゆる「ゼラチン」というやつがあって、まさに味が・・・味はあんまりしませんね)。両方ともネットで買うことができます。

 というわけで、何やらロッシェル塩を使ったクリスタルピックアップ、イヤホン、スピーカを自作する目処が付きました。ここに至る経緯や、ご家庭で手軽に透明でお美しいロッシェル塩結晶を作る方法については、おいおいご紹介しましょう。

 加工技術については、いましばらく研究のお時間を頂きたいと思います。手作業でやると指が真っ白になることまでは分かりました。

 つづく。

 オマケ:長辺が50mmもあるのにスが入って使い物にならないロッシェル塩のクズ結晶たち。

 全然使い物になりませんよええ。はっはっは。


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