旧タイプの電子ブロック
復刻版のオリジナルにあたる旧タイプの電子ブロックのお話。
電子ブロックの歴史は古く、昭和30年代後半にまでさかのぼっていくらしいですが、そこまではフォロー出来ないんで、
今回は、ブロックの形状が同じっぽい(でも微妙に異なる)当時のST、EX、FXシリーズについての話題です。
【 注意!】 この記事や画像・資料等をもとにしてのメーカー・販売店への問い合わせ等は絶対にしないでください。
ご迷惑やトラブルの素になることがあります。
ここの記事や画像・資料は、1970/80年代に製造・販売されていた過去のアイテムについてのものです。
すでに製造・販売・サポートは終了しています。
それらの資料等は、記事を読んでくださる皆さんの参考にしたり、趣味に生かすために掲載しています。
【 注意!】 ブロック等のパーツを旧型同士や復刻版と組み合わせたとき、物理的なサイズが合わないことがあります。
無理に組み合わせるとブロックや本体を破損することがあります。
また、電気的にも不適合な場合があります。
さすがに古いものなんで、傷みもそれ相応に出ています。
主な対応例は、(あくまで「例」です。個別の状態に応じた適切な処置が必要です。)
・ 電極のサビ(ツヤが無く白っぽい) : ティッシュペーパーで軽くみがく。白っぽくても電気が流れればOK。
・ 電極のめっきはがれ : 浮いてはがれそうなめっきはセロテープで除去。あとはティッシュペーパーで軽くみがく。
・ 電極の変形 : ブロックから電極をはずして、ラジオペンチで修正、再組み立て。
・ 部品と電極のハンダづけのはがれ : ヒートクリップを使って再ハンダづけ。 できれば古いハンダを除去してから新しいハンダで!
電子ブロックの電極金具は「ブロック用」と「アンプユニット用」と「STそら色ケース用」の3種類です。
「ブロック用」と「アンプユニット用」は 、それぞれ各シリーズで、ほぼ同一形状なので補修用に流用できます。
また、「アンプユニット用」と「STそら色ケース用」は、簡単な形状なので薄板素材から切り出して作るのも容易でしょう。
(金メッキパーツに変更するときは腐食防止のため、接触する全ての金具を金メッキパーツにする必要があります。)
ST・EX・FXシリーズとも、発泡スチロールの箱に入って売っていました。
長い時を経た現在は、接続コードが発泡スチロールと反応して溶けてめり込んでいることがあります。
この程度なら接続コードを発泡スチロールから丁寧に剥がして、セロテープ等で発泡スチロールのカスを取り除けば、
簡単にきれいになります。
【 STシリーズ 】
テレビCMなどでガンガン宣伝していたそら色のハンディーな筐体が印象的な製品でした。
あのCMのように浜辺に持ってくと、錆びちゃうゾと心配もしてみたり。
ブロックが無色透明タイプで、ラジオの同調回路も大きなブロック(普通のブロック10個分)に収められているのが特徴です。
つまり、コイル(バーアンテナ)やバリコンの羽根の動きも観察できるのですヨ。
付属品は、イヤホン、スイッチ(電鍵)などの他に、磁石に反応するリードスイッチもありました。
トランスブロックにセンタータップ(中点)が無いので、実験はちょっと変わった感じ。
006P電池のDC9V電源で動くのですが、アンプユニットが3石に増えたためなのか
電池とコンデンサが干渉してしまい、電池がアンプユニットに収まらないことがあります。
電池スナップのコードが短いのも影響してますが、一番下の電極を少し倒して、コンデンサを倒すか、ずらして付けなおせば解消します。
そら色ケースの最上位機種はST-100ですが、その上にデスクトップ型のST-125/155がありました。
こちらもブロックは無色透明タイプですが、機能は同一のアンプユニットの色が黒になっています。
DC9V電源の他に、単二電池×4本のDC6Vの電源もある豪華な仕様です。
パネル上に、可変抵抗器や2個めのランプ、CdSも追加されました。
さらにST-155ではメータと温度センサのサーミスタが追加されました。
メータのレンジ抵抗のブロックが、メータのすぐ下の専用スペースに実装できるので、わかりやすかったです。
ただ、メータに温度目盛りが無かったんで、温度の実験は実用にはなりませんでした。
個人的にも思い入れのある『ST−155』についての資料を追加します。(2006/03/15)
外箱 復刻版を重ねてみる。見た目以上にでかい!
箱の中の様子 電池ボックス上の化粧紙をはずした
使用状態 横から見る
メーター周辺
取説・回路集(EXと同じサイズ) 回路の例
ST−125/155の部品表
>追加終了(2006/03/15)
【 EXシリーズ 】
復刻版の原型になったモデルです。 ブロックが透明の緑色になりました。
アンプユニット(スピーカのある緑色の部分)が外せるので、ICとかプリント基板の観察ができて、うれしかったり。
ラジオの同調回路は本体内部に内蔵されているので、観察できません。
EX-150の上にEX-181やFMパーツがありますが、実験の方向性が違いはじめています。
EXシリーズは、ここで紹介している中では唯一、単三電池×4本のDC6Vの電源で動作しますので、
実験をシリーズ間で移植するときは電源電圧への配慮が必要です。
シリーズ内でも「トランジスタ・ブロック」はバリエーションがあります。
確認されているだけでも、標準の2SC945、2SC1815の他、2SC828、2SC536 があります。
(違っていても、実験には影響ありませんが。)
また、電池の入れ方はコツがあります。
電池ふたはガムテープで持つところを追加するぐらいしか思いつかなかったですが
電池の実装は、2本を山型に並べて真ん中を押さえれば簡単です。 (下の画像を参照)
この時代の黒いプラスチックの特徴なのか、経年変化なのか、すごくもろく、簡単に割れたり折れたりします。
この頃の一般家電製品にも、その傾向があります。 留めネジを廻すだけでも、軸周りやネジ座が割れたり。
かなり注意を払っても破損しますので、不具合がなければ分解はしないほうが良いでしょう。
あと、旧EXシリーズのダイオードは壊れていることが多いです。 私のところので50%以上の故障率!(STシリーズは大丈夫なのにぃ)
壊れかたは、「導通なし」と「整流しない(両方向で電流が流れる)」でした。 これではラジオにもなりません。
判定は、「No.138ダイオード検査機」でおこなえます。 整流作用があればOKです。
修理には、ダイオードの品名にこだわらず、それっぽい用途のものなら大抵使えるハズです。
部品を扱っているお店で「検波用のゲルマニウムダイオード」と言えば入手できると思います。
【 FXシリーズ 】
こちらも、ブロックは透明の緑色です。
デジタル時計とメロディーブロックとマイクロコンピュータを軸にその入出力の実験がメインです。
電源は、単三電池×6本のDC9Vです。 006Pよりも、ちょっと長持ち。
10kΩから1MΩの間の抵抗ブロックの種類が増えていますが、ラジオの同調回路は廃止されています。
また、メータも実装スペースはあるんですが、塞がれていて使えません。
実験の方向性がデジタルに向いているので、アナログな実験には不向きです。
でも、ブロックを並べるスペースは、シリーズ中、最大なのでEXシリーズと組み合わせて新しい回路を考えるには有利かも。
(ただし、電源電圧の差を克服する工夫が必要です。)
共通部分の回路集(説明書)には、抵抗器やコンデンサを手作りする「実験らしい実験」も載っています。
こちらの筐体の黒いプラスチックも、もろく、簡単に割れたり折れたりしますので、分解はお勧めできません。
特に、本体の留めネジのうち、左上はネジ座が5mm角ほどの部分で固定しているだけなので、そっと留めネジを廻しても割れます。
【 その後 】
以降、電子ブロックのシリーズは終了し、電子系玩具は「Cosmos1000/2000」へと続くのですが、
これは機能単位にモジュール化された部品と入出力パーツを組み合わせて、どう使うかの実験が中心になります。
したがって、トランジスタやコンデンサなどの部品単体に触れることのできる電子系玩具は消滅し、「復刻版」を待つことになりました。
途中、いろいろ画策されていたようですが、
製造元の電子ブロック機器製造(株)から 「バーチャル電子ブロック」ってパソコンソフトも出てますな。
外部インターフェースでの制御もできるらしいです。 (筆者は体験版しか触ったことがないです。)
電気系としては接触不良も無く完璧な動作をするのですが、ラジオなどの外界とのコンタクトが無くてさびしいのと
手をかざしても、何の変化も起きないってところが物足りなかったりします。
旧タイプも復刻版もラジオを組んだ時、ブロックの上に手をかざしてみると動作が変化して、いろんな影響を受けるのを実感できます。
また、同じく電子ブロック機器製造(株)から玩具モデル「NT−55」が発売されています。
機能とか申し分ないのですが筐体とブロックが大きく、「はじめての電子ブロック」にはゴツイです。 どちらかと言えば第2ステップ向け。
その分、オプションパーツも用意されているので拡張等の自由度は高いです。
個人的には旧タイプの「ST−100」からスタートできると最良の人生だと思います。
【 復刻版の雑感 】
話しついでに、復刻版のEX-150のはなしを。 ICアンプの観察ができないのが、ちょっと残念な復刻版ですが、
内部を観察すると、バリコン(可変コンデンサ)が2連タイプになってます。 しかもトリマ付き。
これは、一般のラジオからの流用ですな。 羽根の数から推定するとAMシングルスーパー用のもののようです。
つながっていない側のは、局発用っぽい静電容量(キャパシタンス)の小さい方ですが
せっかくだから、どこかに端子を増設して、利用できるようにしたいなと企んでる今日この頃。
同調コイルがつながっていない、単体のバリコンが使えるんですから。
【 注意!】 ケースを開けた場合、不具合が起きても誰もフォローできません。 ご自身の自己責任のもとに観察等してください。
内部には細い配線や弱い部品などがあるので、自信が無いなど責任を持てない方は、ケースを開けては いけません。
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