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悲劇 『オルレアンの少女(をとめ)』 ( フリードリッヒ・フォン・シラー著,藤沢古雪訳、富山房,明治36) 緒言、出場人物、及び 序幕 |
タイトル オルレアンの少女 : 悲劇 著者 シルレル/藤沢古雪訳 出版社 富山房 出版年月日 明治36年12月 緒 言 悲劇『オルレアンの少女 』は、有名なる独逸の劇詩人、ョハァン、クリストフ、フリードリッヒ、シルレルが一千八百〇一年の作なり。 シルレルが、此の悲劇を作れる動機は、ジャンダルクの宣告に関する数多の文書、及び、アカデミイ、デ、ザンスクリプシオンのヅラヴルヂイが、この時、はじめて公にせる、翻訳を見て得たる者なりき。シルレルは此等の書を見て、大に感興を催し、其の結果は、遂にこの悲劇となりきと伝ふ。 シルレルは、自ら、此の戯曲に題して、神秘的悲劇 と呼びたり。実に、此の作は、氏が数多の戯曲中、最も完全に其の戯曲的技巧を、示めしたるものにて、繊麗花の如き少女が、綺羅にも堪へざる身を以て、勝ちに誇れる英國軍を、瞬くひまに粉齏 し。祖国を、その巳に亡びたるに救ひ、功は一簀 にして、全からんとせるに、端なくも天上より棄却すべく命ぜられたる、地上の愛は、彼女が心中に喚起され、それが為め、大命に背き、神慮に悖 りて、一度は、敵軍の捕虜となりしも、遂に、其の天職を全うして、悲劇的最後を遂ぐるに至るまで、崇高なる勇気、熱心なる慨世的愛国心、敬虔なる信仰等、遺憾なく描出せられたり。殊に、後段ヨハンナ最後の一齣 、彼女が従容として光栄ある死に、就けるが如き、吾人をして、轉 た感涙に堪へざらしむるものあり。シユレエゲルが此の齣を評して、「薔薇の如く美わしき最後」と称讃せしは、決して、溢美の言にあらざるなり。 この悲劇の、はじめてライプチッヒにて演ぜられしとき、其の序幕の終るや、『フリイドリッヒ、シルレル』万歳の声は、沸くが如く、四方より起こりて、千百の雷鳴、なりはたゝくが如き喝采の響と、嚠喨 たる音楽とは、互ひに相ひ交りて、場内為めに震動し、観者が熱心は、実に其の極点に達したりき。やがて、全曲を演じ終るや、群衆は、今、シルレルが、還らんとせる入口の外に、犇々と群り来りて、彼の、衆人の面前に、現はれ来れる時、皆等しく、其の帽を脱して、敬礼を行ひ、彼等が腕に、児童をかきのせて、高くさゝげ、この光栄ある詩人を視せしめ、『彼れこそは、シルレルよ、』と、口々に叫びて、氏が光栄を、永く後毘 に伝えんとせりき。 其の後、此の悲劇は、到る処に演ぜられて、到る処に歓迎せられたり。殊に、ベルリンに於いて演ぜられし時の如きは、其の評判、頗 る高かりき。 斯の訳稿を改むること、前後三回。始めの二回は、一派の訳者がなす如き、唯原文にのみ忠実に、一字一句、逐字的に訳せしが、不文菲才、余の如きものの、到底よくするところならぬを覚え、なまなかに、晦渋なる鵺 的文字となさんよりはと、原文の許す限り、国劇化せんと努めたり。されば、原意を害せざる範囲内に於いて、字句を取捨増減せし個処少からず。従うて、原文には、一々記入せる各段 (auftritt)の如きも、めまぐるしきを厭うて、殊更に、取り除き、これに代ふるに、各幕のはじめに於いて、その中なる場割を示したり。もとより訳者が僭越の咎は、言はずもあれ、金玉の名文を化して、瓦礫となし、地下の大劇詩人を辱めたる罪、将に湯钁 に就くべきなり。 斯の書を繙 くもの、ひとわたり、百年戦争が顛末を心得では、隔靴掻痒の感あるべし。而して、その歴史は読者諸彦 のすでに熟知せらるゝ所なるべしと雖ども、猶ほ万一を慮りて、巻末に於いて、本篇に関係深きところのみを略述したり。また、本文中に見えたる故事の如きも、必要なるものゝみ、二三を摘出して、その出所を示めしたり。 斯の書、出版に就きては、学友梅澤精一氏が、一方ならぬ尽力に与 りたり。また、独逸劇に精通せらるゝ某氏、并 びに、我が劇界に関係深き某氏は、間接に、或は直接に、忠言を与へられたり。茲 に記して、感謝の意を表す。 最後に附記す。世を挙げて、あまりに常識的なる今日。明窓淨几の下に、かかる奇蹟譚を繙くも、亦、面白からずとせんや。 明治三十六年九月下浣 古 雪 生 識悲劇 オルレアンの少女 出場人名 仏蘭西 国王 カアル第 七世 。 (シャルル七世)国王 の母 イサボオ女皇 。 (シャルル六世妃)国王 の寵姫 アニエ、ゾレエ。 (アニェス・ソレル) ブルグンド公爵 フィリツプ善王 。 (ブルゴーニュ公) オルレアンの庶子 ヅノア伯爵 。 (デュノワ伯) ラ、ヒィル。 近衛武官。 (ラ・イール) ヅ、シヤッテル。近衛武官。 (デュ・シャテル) ライムの大僧正 。 (ランスの大司教) ブルグンドの騎士 シヤチヨン。 ブルゴーニュの Chatillon ロトリンゲンの騎士 ラオヽル。 Raoul ロレーヌ(仏語) 英国の将軍タルボオト。 Talbot (ジョン・タルボット) リオネル。英国軍 の指揮官 。 Lionel ライオネル ハストルフ。英国軍 の指揮官 。 (ジョン・ファストルフ) ヱエルス人モントゴメリイ。英国方 の使節 。 ウェールズ人豪農 チボオ、ダアク。 (ジャック・ダルク) マルゴオ。 チボオ、ダアクの娘 。 (マルグリット) ルイゾン。 チボオ、ダアクの娘 。 (ルイーズ) ヨハンナ。 チボオ、ダアクの娘 。 (ジャンヌ・ダルク) エチエンヌ。羊牧者 。 クロオドマリィ。羊牧者 。 レイモン。羊牧者 。 (Raymond)農夫 ベルトラン。黒装束 せる騎士 の妖怪 。焼炭者夫婦 。及 び其 の子 。其 の外 兵士 。市民 。戴冠式係 り諸役人 。僧正 。僧都 。式部官 。市庁 の吏 。庭臣 。戴冠式行列 の人数 。序 幕 ドムレミ村 の場 チボオダアク 「ナント 村落 の書割 。右手 に聖母 の像 を安置 しある祠 。左手 に、大 なる檞 の立木 等 、鄙 べて、ドムレミ村の体 。茲 に豪農 チボオダアク、其 の娘 マルゴオ、ルイゾン、ヨハンナ、并 びに、其 の娘 に懸想 せる、三人 の羊牧 ひ、エチエンヌ、クロオドマリィ、レイモン立ちかゝり、野良話 しの体 。近所 の衆 や。俺等 は、まづ今日 日 の処 では、仏蘭西国 の自由 の民 。御先祖代々 持 ち伝 へた、田畑 の主人 ぢや。シタガ、明日 が日 にも、御領主様 は変 つてしまひ、何方 が代 りになられる事 か知 れぬわい。○何処 へ行 つても、勝 ち誇 る、英国人 は旗 押 し立 て、この仏蘭西 の豊饒 な、田畑 を駒 の蹄 に掛 け、無 残 々 々 と踏 み荒 らす。巴黎 の城下 は、逸早 くも、敵 を歓 び入 れ迎 へ、年 久 しう伝 へ来 た。ダゴベルト 家 の王冠 を、あの外国 の宗族 の、子孫 が頭 に飾 り居 る。其 れには引 きかへ、我 が国 君 の御裔 に渡 らす御方 は、おのが領土 を狭 められ、処々 方々 と流浪 の御姿 。浅間 しいは、御 従 兄 弟 、ブルグンド公爵様 。あらう事 か、あるまい事 か、敵 の勢 と合体 され、味方 と鎬 を削 らせ給 ふ。又 、その上 に情無 い。胴慾非道 の御母皇 。町 とも言 はず、村とも言はず、焼 けをる中 に、敵軍を、国 の内 へと導 かれる。○それ故 、浮世 離 れて、平和 なる、この村にさへ、破壊 の雲 は、次第々々 に立 ち舞 うて、来 ますわい。―――サ、かうした状態 ゆゑ、近所の衆 。娘 が話 しも、今の中 に、定 めて置 うと思ひますわ。総 じて、女子 と言 ふものは、かう物騒 な世の中には、保 護 者 が無くては、愜 ひませぬ。すべて苦痛の重荷をば、耐 へる事 の出来るのも、貴 い「愛 」のある故 ぢや。と、 コレエチエンヌ、羊牧者 のエチエンヌに向 ひ、其方 は兼々 マルゴオに、どうやら心 の有 る様子 。其方 が畑 も地続 なら、御互 ひの心 もよう似合 うてぢや、コリヤ、頃合 ひの夫婦 ぢやわい。オヽ。クロオドマリィとしたことが、 又 、クロオドマリィに向 ひ、何 を欝 いで居 るのぢや。又 、こちのルイゾンも、何故 に、下を向いて居 やるぞ、結納 の品 が無いと言うて、二人 が交情 をさくやうな事 、何 の為 て好 いものか。イヤモ、今日 日 のさまでは、誰 ぢやとて、財産を持つて居ると言はれうか。家屋敷ぢやとて、穀庫 ぢやとて、敵の為 めに奪 はれずば、火災 の為 めに灰燼 とならう。―――かう、物騒千万 な世の中には、雄々 しい男 の胸 ばかりが、大丈夫 な避難 の場所で、御 座 るわいのう。」ルイゾン 「とゝさん。」 クロオドマリィ 「ルイゾン。」 是 にて、両人嬉 しきこなし、ルイゾン、ヨハンナを ルイゾン 「オヽ、抱 きて、妹 。」 チボオダアク 「俺 は銘々 へ、畑を三十「エヽクル」、又 、厩 ・屋敷 ・家畜 を頒 けますぞ。―――俺 が、かうして暮 すのも、皆 神様の御 庇 護 ゆゑ、其方 達 へも俺同様 、神様 の御 恵 みあるのを願 ふのぢや。」マルゴオ、ヨハンナを マルゴオ 「コレ、ヨハンナ、抱 き、其方 も妾達 を、手本にして、早 う老 爺 様 を、安心 さしてあげたが好 い、三組 の楽 しい祝言 の約束 を、今日 、取 り結 んだが、善 いぞえ。」 チボオダアク 「其方 達は、早 う返 つて、祝言 の仕度 をしやれ。明日 は、いよいよ婚礼 ぢや、定 めし、村中 が祝 うて呉 るで、あらうぞい。」チボオダアク 「コレ、ヨハンナ。 是 にて、エチエンヌはマルゴオ、クロオドマリィはルイゾンと、手 を結 び合 うて、向 へ這入 る。其方 の姉達 は、祝言 して、楽 しそうなを見 るに附 け、この年寄 りも悦 しい。シタガ、一番年齢下 の、其方 は何 ぜに悲 しい目 を、俺 に見 せやうと、為 やるのぢや。」 レイモン 「なぜ、娘御 を、御叱 りなされまする。」 チボオダアク 「この村方 に、雙 ぶ者無 く、才気勝 れた勇 しい、この男 が、この三年 が程 と言 ふもの、其方 が上 に思 ひを焦 し、さまざま、心 を碎 くものを、其方 は、水 に受 け流 し、それのみならず、数多 ある、羊牧者 のその中 で、其方 が笑顔 を見 た者 は、誰 れ一人 もありはせぬ。かう見 たところ、其方 も早 や好 い芳紀 。其方 が春 は、今 が盛 り。やさしい恋 の花 が開 き、楽 しい黄金 の果実 が熟 さうかと、待 ち設 けたは皆無益事 、コリヤ、造化 の過失 ではあらうなれど、物 の哀 を知 る頃 を、テモ冷 に、頑 な、其方 の心 が気 に入 らぬわい。」 レイモン「マヽ、老爺様 。うつちやつて、御 置 きなされ。人並勝 れたヨハンナが「愛 」は、あの天国 にあるとか言 ふ、優 し菓実 と申 すもの、ハテ、次第 々々 に熟 しますわ。ヨハンナは、この頃 は、山 の上 を大層 悦 び、好 んで広野 をさまよひ歩 き。つまらぬ心配 の絶間 ない、人 の住居 の、屋根裏 を、苛 く嫌 うて居 る様子 。俺 は、屡々 谷間 から、聳 え立 つたる大巌 の、けはしい上 に、ヨハンナが、数多 の家畜に取囲 れ、立 つて居 るのを打 ち見 やり吃驚 したことも、間々 あります。その貴 い容貌 は、どうやら、女神 のやうに思 はれましたわ。」 チボオダアク 「サヽヽ、それが俺 の気に入らぬ歎 の種 で、御 座 るわいのう。楽しい家内 の団欒 を避 け、夜明 る前 に、こつそりと、臥戸 を出 て、恐 しい、山 又 山 を山廻 り、人 は怖 る、暗黒 の夜 、妖霊 などの出 る頃 を、宛然 梟 か何 ぞのやうに、彼女奴 は彷徨 歩 きますわ。又 、或時 は、四辻 に、独 り衝立 ち、空 を見上 げ、何 やら怪 しい話 しを為 る、何故 に、まあ、あのやうに、常々淋 しい場所を好み、家畜を彼所 の広場 で追 ふか。 ヅルイドと呼ぶ檞 の木陰 、基督教徒 は道さへ避 けるに、一時 余 りも座 を占 めて、夢見 る如 き時 もある、彼所 は往昔 、未開なる異教徒の時代から、怪しい物 の棲 むといふ。又 、村の古老 の話 には、其 の空洞 の幹 よりして、怪しい声の数多 度 聞 えしをもあつたとか。俺 も何時 ぞや此道 を、丁度 家 への還 りしな、時分 ははやも、誰 ぞ彼 れ時 、夕 の光は影薄 く、うす暗 がりを地 の上 に、影幻 の怪性 の者 、広 く襞 ある衣着 けて、痩 せさらぼひし手 を伸 し、我 を招 くに恐ろしく、跡をも見ずに一目山 、逃 げ還 つて来 ましたわい。」レイモン 「あれ、御覧なされ。あの 是 れにて、レイモン聖母の像 を指 し、あらたか な尊像は、天の平和を垂れ給ひ、悪魔を払うて、こなさんが娘御 をば救はれますわ。」 チボオダアク 「イヤイヤ、然 ばかりも、言はれますまい。俺 は忌 しい影幻 、前兆悪 い夢を見ました。このぢうから三度まで王位 に登り、ライムにある、彼 女 奴 が様 を見ましたわい、額の上 には、輝ける、星を飾れる七重 の冠 、手には三個の百合 を彫 し、黄金 の笏 を構え持ち、父 なる俺 を始 となし、二人の姉達、皇子 、伯爵、大僧正、我 が君 さへもヨハンナの、前にぬかづき、礼拝して居 られましたが、どうして俺等 の小屋の中 に、かうした栄花 が来まそうぞ。是 れぞ、正しく恐 しい、曲事 の来る前兆 の、物 に準 へて、警戒 の、夢幻 に顕 はれて、彼 女 がほこれる心の裡 、現はすもので御座 らうぞ。彼 女 が卑しい身の様を、兎角に恥ぢて思ふのも、原因 はと言へば、神様の、人並外 れて美しい、姿色 をあれに授 け給ひ、また、此所 の村 なる羊牧 ふ、女童 の身に過ぎし、恵 を降し給ひし為 め、身の程知らぬ罪深き、慢心の生 ぜしゆゑ。天使の魔道へ、墜 るのも、悪魔が人を誘 ふのも、皆この慢心故 で御座 るわい。」 レイモン 「イヤイヤ、ヨハンナほどに、心の高い、よく人に謙遜 る、無邪気至極の娘御が、又と何処 にありませうぞ。姉人 達には従順 に事 へ、又 卑しい奴婢 同様、つらい仕事も取り行ふ、そればかりでは厶 りませぬ、 ヨハンナが一度手を下 せば、家畜と言はず、作物と言はず、驚くばかりに繁殖する。其 の外 、如何なる事を為 るも、不思議な程に、豊 なる、幸 があるでは、御座 りませぬか。」 チボオダアク 「成程 、此方 の言やる通 り、どうも、不思議なほどの幸福 。サ、それ故 、俺 は猶更 に、気味が悪うてなりませぬ。シタガ、もう何も言ひますまい。口を噤 むで御座 ろうわい。己 が生 したる子の事故 、誰 が好 き好 んで悪しざまに、罵 る者が、御座 ろうか。唯 戒めて、行く末 とも、悪 しい事の無いやうと、祈るばかりで御座 るわい。が、よつく戒 めて置 ねばならぬは、此 の後 共、あの木蔭 には、かまへてかまへて、立ち寄るなや。唯一人 、真夜中まで、彷徨歩 き、、木 の根 を掘り、飲み物などの準備 をし、砂 の上に怪 し気 な、文字など、必ず書 ぬが好いぞや。ほんにもう、魔界はたつた皮一重 。其の下には、悪魔 奴 が、何時も人を待つて居 て、それはそれは、蚊の鳴くやうな声にさへ、すぐ聞 き附 けて飛んで出る。あの有難い、神様の御子 にさへ、悪魔 奴 は憑 き居 つたと言ふ、例 がある。好 いかや、必 ず共 に独り居 つてはなりませぬぞ。」と レイモン 「オヽ、町からベルトランが話 の中 、向 ふより農夫ベルトラン手 に立派なる兜 を持ち出 で来 る。帰 つて見 えた。ヤ、御覧なされ、アレ手に持つて居 るものを。」 ベルトラン 「此方 達 は、俺 を見 て、いかう吃驚 したやうす。ハヽア、何 ぢやな、この珍 らしいものを、持つて居 る故 、それで、驚いてぢやな。」 チボオダアク 「コレ、この平和 なる村方 へ、なんで見 るさへ忌 はしい、兜 なんぞを、持 つて来 さしやつた。様子 が有 らう。逐一話して、聞 かさつしやれ。」と ベルトラン 「是 れにて、今までは、遠 く離れて居 たヨハンナ、次第に近 き来 り、以前とはうつて変 つて、熱心に耳を傾 くること、よろしく此 一品 が手に入 つたは、それはそれは妙 な話、かう言ふわけぢや。マ、一通 り聞 しやれや。○まづ、鉄物 買ひにボオクウルウルへ、出掛けて行つたと、思 はつしやれ。すると、市中 はえらい騒 ぎぢや。夥 しい群衆故 、何 ぢや知 らぬと、訳 を聞けば、オルレアンから、逃げて来た落人 達が、悪い報知 を持つて来たで、さてこそ市中 は沸くやうに、上 を下 への大混雑 。丁度 、俺 が其の中を、やつて来ると、一人の女 。褐色 の髪の毛振り乱し、是 れなる兜 を手に持つて、俺 が傍 へ眼 じろじろ。「コレ、其所 な方 、貴方 が兜 を、捜しておいでは、妾 は善 う知つて居 ますぞえ、サ、御 買 め被下 いませ、安直な品 で御座 います」と。テモ、無体な押 し附 け商買 。「はて、迷惑な。コリヤ、飛 んだ御 門 違 ひ。俺 は平和 な羊牧者 。兜 なぞはいりませぬ。騎士 れば辱かしめ、剣をはきし男の子とあれば、方 の所へ、持つて御座 れ」と。辞 る言葉を耳にも入れず、跡 追 ひ掛 けて、申 すには、 「今日 此頃 の有様では何者 ぢやとて、兜がいらぬとは、言はれませぬ。頭 の上 の鋼 の屋根は、石の屋根より必要な」と、拒むも聞 ず、買 へ買 へと、跡 を追 け来る迷惑さ。つい釣 り込 れ、よく見れば、テモ美事 なる、その造 り、天晴 れ、騎士達にふさはしい、希代の品よと、心の中 考へるとも無く、手に取つて、ためつすがめつ見るうちに、折 りから、群衆 どやどやと、なだれをうつて、寄せて来る。あはやと見 るうち、たちまちに、女 が姿は見失ひ、兜 ばかりはこれこの通 り、俺 の手に残つて、御座 るわいのう。」 ヨハンナ 「其 の兜 は、妾 に被下 りませ。」 ベルトラン 「ハテ、何 を言 やる。女子 などの、持つものでは御座 らぬわ。」 ヨハンナ 「イエ、何 うもこれは、妾 の物 、妾 の物 で御座 んすわいなア。」 チボオダアク 「娘 、そちやどうしたものぢや。」 レイモン 「マ、思ふ通りにして、御 置 きなされ。騎士らしい此の飾りは、ヨハンナにはよう似 合 ひます。なぜと言 うて、御覧なされ。ヨハンナの胸の中 には、雄 々 しい心が、包 れてありますわ。オヽ、ソレ々々、あの恐 しい野獣奴 が、家畜を掠 めて逃げ去るに、他 の羊牧者 は恐 れ慄 き、手出しさえ得 せなんだを、獅子王の勇 あるヨハンナは、物ともせずに、唯一人 、あの野獣奴 を、退治 つけ、血腥 さいその口から、羊をば取り返へした、例 もあるでは御座 らぬか。よしや、この兜 が、どのやうな、勇士がものとなつたとて、ヨハンナよりも勝 れたる、頭 の飾 とはなりますまいわ。」チボオダアク 「シテ、 此 の時 、チボオダアク、ベルトランに向 ひ、戦場 の模様は、何 とて御座 るぞい。落武者 から、新しい消息 聞いてぢや御座 らぬか。」 ベルトラン 「神様、御門 を御 護 り被下 れませ。御国 を憐 み給 はりませ。再度の烈 しき合戦に、味方は散々 打ち破られ、敵は仏蘭西 の中央 まで侵入 なし、ロワアル川 より彼方 の地 は、もはや残らず占領 され、今は敵勢力 を合 せ、オルレアンを包囲 せんづ、用意取り々々に御座 るわい。」 チボオダアク 「神様、御門 を護 せ給 へ。」 ベルトラン 「数限 り無 き大砲 は、処々 方々 より集 られ、戦 の雲 は果 も無 く、オルレアンの野 に立 ち迷 ひ、宛然 夏の日、巣 の傍 に、蜂の群 をばなす如 く、又、黒雲 なして飛び来 る、限りも知らぬ蝗 の、数里 の田野 を蔽 うがごとし。偖 も、敵の陣中 は、処々 国々 の言 の葉 に、ワヤワヤ、ガヤガヤ、沸 きもかへらん其 の有様 。音 に聞 えしブルグンド公 。麾下 の兵士を悉 く、引 き具 し給 へる事 なれば。その混雑理 か。まづ、第一にリユチヒ、ルキゼンブルグ、ヘネガウ人 、ナムウル人 を始めとなし、国 豊 なるブラバント人 。絹天鵞絨 に聞 えたるゲントの人々 。海上 に、市 を建 てたる、ゼエランド人 。乳搾りたる和蘭多 人 。ウトレヒト人 、北極 のウエストフリィランドの人々 まで、其 の勢 すぐつて、幾万余騎 。ブルグンド公が下 に走 せ参 じ。唯 一揉 みにオルレアンを、揉 み潰 さむと、息巻 きたり。」 チボオダアク 「仏蘭西 国 の物 の具 もて、仏蘭西 国 に刃向 ふとは、テモ情け無い事ぢやなア。」 ベルトラン 「未 だ其 ればかりでは、御座 らぬぞや。先皇 の御女皇 、バイエルン候女 に御 在 します、傲慢不遜 のイサボオ様、女 だてらに、物 の具 着 け、陣屋 の中 を馬上 の往 き来 。聞 くも忌 はしい毒舌に、兵共 を励 して、現在 御身 の懐 に、抱 かせ給 ひし親身 の御子 を、当 の敵 と目指 させ給 ふ。」 チボオダアク 「聞けば、聞くほど情無 い。傲慢不遜の女皇 が上 に、神の御罰 も降りかゝれ。伝 え聞 く、其 の昔 、イスラエル王 アカブが妃 、イサベラと呼ぶ皇女 、傲慢不遜 の其 の為 に、神の怒りの烈 しくて、あへ無 き最後 を遂 げしとか。まづその如く、女皇 の御身 も、うち亡 ぼして被下 れませ。」 ベルトラン 「世に恐ろしいゾオルスベリイが、麾下 に属する大将 は、獅子 にも優 れし武勇のリオネル。戦場 を処 きらはず、屠 り廻 れるハストルフ。女 と見誰 れ彼 れの用捨 なく、剣 に掛 けて殺 さんと、互 ひに誓 を立てしとか。又、城郭 の外 の面 には、四個所 に高く望楼 をかまへ、其所 の上 よりゾオルスベルイ、眼光 鋭 く、市中 を見下 し、足を早めて行 き過 る、通行人 を数 ふるとか。かゝる中にもうち出す、弾丸の目方は幾千斤 、雨 や霰 と降 り来 るに、さしも荘厳 双 びなきノオトルダアム の塔 さへも、木端微塵 に打 ち砕 かる。敵はますます狂ひ立ち。地下に地雷火 仕掛 たれば、市中 の者は、いつなんどき、破裂しやうも知れぬとて、ちつとも安 き心 はなく、焦熱地獄 の其 の上 に、住 ふに似 たる今 の有様 。」ヨハンナこれまで、 チボオダアク 「シテ、勇将サントライエ様非常 に注意 して聞 いて居 りしが、この時 に兜 を着 る。始 め、ラヒイル様、まつた仏蘭西 国が護 の武具 、武勇勝れしヅノア様何処 に何 うして居 られまする、此の人々の、永 らへ給 はゞ、敵はかうまで、やすやすと、傍若無人 の進撃は、得 すまいもの。シテ、御門様 には、何所 に御渡 り遊 ばしますか。国家 の安危 、都城 の没落 、余所 に御覧 じ、なされてか。」 ベルトラン 「御門様 には、陣屋をシノンに構へ給へども、守りの兵に事欠けば、防御 の程 も、覚束 なく、殊 に陣中 怯気 立 ち、諸将も術 を施 すよし無 く。神の業 かと思 ふばかり、恐怖 の念 は、武夫 の胸に深くも涵 み入つたり。かう伝 ふさま故 、大将が命令ぢやとて、従 ふものは一人も無く、唯 徒 に響くばかり。さながら、羊が狼 の声に恐れて逃ぐるやう、昔の名誉も打ち忘れ、恥外聞も何のその、唯もう堅固な隠家 を求むる中 に、唯一人 、僅 の兵を駆り集めて、十六隊を編成し、御門 の軍に走 せ参 ぜし、騎士があるとの人の噂 。」ヨハンナいそぎて、 ヨハンナ 「シテ、その騎士の姓名は………………。」 ベルトラン 「ボォドリクゥルと伝 るゝげな、とは伝 ふものゝ、敵の兵、二隊直 ぐさま跡 を付けたれば、その偵察を遁 れんこと、なかなか気遣 はしう御座 るてな。」 ヨハンナ 「シテ、其 騎士が今のありか、知つてなら聞 して被下 れや。」 ベルトラン 「ボオクウルウルを離 ることろ、一日路 の処 ぢやわい。」チボオダアク、ヨハンナに チボオダアク 「向 ひ、其 の様 なこと尋 ねて、其方 に何 の益 に立つ。女 らしうも無い事を聞くものぢや。」 ベルトラン 「敵は、かばかり優勢 に、御門 の安危 も心元 なければ、ボオクウルウルの人民も、今は余議 なく、ブルグンド公に降 らんと、評議一決 、敵へ降 るとは云 ふものゝ、ブルグンド公に従ふなれば、我等はやはり、外国 の絆 を避 けて、其の儘 に系図 も古き王家 の民 、万が一にも、幸 いに、ブルグンド公 方 と仏蘭西 方 が、和睦の折 りもあらうなら、再びもとの皇室 を戴 く訳 になりますわ。」 この時薄 どろ になりヨハンナに神霊 の乗りうつりしさま、 ヨハンナ 「エヽ、聞 き度 くも無き条約沙汰 。降参なんどとは、汚 らはしや。救 ひの主 は天降 り、出陣 の用意めされずや。あの、オルレアンの城下 にて、敵の武運は尽き申 さんぞ。物に比べば、即 ち穀物、実 入 りも今は十二分。刈入れなさんず、好い時節。鎌 もて少女 は現 はれいで、誇り高ぶる敵の勢 、悉皆 薙 ぎ立 て、刈 り掃 ひ、御空 の星まで、届 んずる、敵の名誉を打ち崩さん。怖 れ給 ふな。遁 げ給 ふな。麦 の黄 ばまぬそのさきに、月 円 ならぬその中 に、英吉利 軍 の馬一匹、このロワアルが河水 を、飲み得ぬやうに、致 して見 せう。」 ベルトラン 「そんな奇蹟 が今の世に、何 として起 るものぞ。」 ヨハンナ 「イエイエ、奇蹟 は現 はるべし。一羽 の白鳩 飛び来たり、勢猛 なる鷲 のごとく、この本国 に仇 をなす、鷲鳥 奴 を引き裂かん。裏切りなせし、あの国賊、驕慢 無礼のブルグンド公を始 とし、神をなみするトオルスバッド、寺 を涜 せるゾオルスベリイ、無道極 る島人 をば、さながら羊を駆る如く、皆悉 く追 ひかへさん。軍 の神には少女子 が影身 にそふて、立ち給 はん。可弱 き者 の手を借りて、限り知られぬ御力 、世の人みなに示 めし給 はん。これぞ、全智全能なる天 つ御神 の御 威徳 。」 チボオダアク 「コリヤ、娘 には、物 の怪 が憑 きをつたか。」 レイモン 「それこそ正 しく兜故 。アレ、御覧なされませ。眼 はかゞやき、頬 はもえ、火花を散 さんばかりの顔色 。」 ヨハンナ 「なでう、此 の国 亡 びんや。遠 つ御代 より伝へたる、世にも希 なる、此 の国 は、彼 の永久 に移りゆく、天日 の下 に、双 びなき、げに美 はしき国土なり。さればぞ、神はさながらに、 き国土をば、無礼御眼 の玉 の如く愛 でさす。これぞ、現世の極楽浄土。かゝる目出度極 る外国人 が、絆 にやはかくるしめやうか。其 のかみ、異教徒 の軍 敗 れしも、此所 なれば、まづ第一に、十字架 立て、聖像安置されしも此所 なり。リルゥドヰッヒの御屍体 収めあるも此所 なれば、ゼルサレムの市 を征服せし、あまたの将士の出 でたるも、此所 よりなりとは、知らざるか。」 レイモン 「娘御 の言 ふこと、聞 かしやつたか。何処 からかうした、天啓 を受けしやつたか。モシ、老爺様 、不思議な娘を神様は、貴方 に御 授 けなされましたなア。」 ヨハンナ 「我等 は、真実 の国王 に、今よりやはか、離れてならふか。実 に天攘 と極 みなき、皇統 の今 絶 ゆ可 きか。其 の君 こそは、牧畜耕耘、共に護らせ給ひつゝ、国を豊 に富 せ給 ひ、奴隷を自由 に放 ち遣 り、四方 に楽しき都を建て、弱 きを救 け、悪 しきを懲 らす。元より一の人に御在 せば、さらさら、人を妬み給はず、生 は現世に受け給 へど、常に悲愍 を垂れ給 ふ。実 に天使にて御在 しませ。黄金 の光 り輝 ける、貴 き君 の御座 こと、棄てられし身の隠家 にて、其所 には情けと力とあり。罪ある者は怖 るれど、正しき者は近づきて、保護者なる獅子と、馴 れ遊 ぶ。それとはいたく事 変 り、遙々 海を渡り来て、此処 に祖先 の墳墓なき、異国 の君 の、如何 にして、我等が国を愛すべき。幼 き頃 より、馴染 も無く、御国 の言葉も解せぬ人の、いかでか、我等 を子 とすべきぞ。」 チボオダアク 「神様、御門 と御国 を護 らせ給へ。俺等 は平和 な百姓で、剣 はどう揮 るものぢややら、軍馬はどう乗るものぢややら、頓 と知 ては居 りませぬ。此度 の戦 に打ち勝つて、何方 が王位 につかれることか、静 に待つて、居 りませう。勝つも、敗 るも、神慮 次第。ライムの都で王位 につかれ、聖油 を御頭 に、注 がせし御方 こそ我等が王様 。なにはしかれ、仕事に掛 ると、仕 ませうわい。てんでに仕事に精出すが、肝心要 の勤 じやわい。天下賭けての争 ひは、豪 い衆 の為 さること。よしや、戦 が有 ればとて、俺等 は静 に、見物 せう。俺等 が耕 す田畑 は、風が吹 うが、嵐 が吼えやうが、ついぞ、崩 れたためしは無い。又 、炎 は村を焼き払ひ、軍馬 の蹄 に作物が、踏 み荒 されたにした処 で、又 新 しい春が来れば、新芽が萌 ゆるで、あらうぞい。雨露 凌 ぐ位 の小屋 は、再び建てるに、何 の造作 も、御座 らぬわい。」と、これにて、チボオダアク、レイモン、ベルトランの三人打ち連れて ヨハンナ 「あゝ、なつかしき這入 る、跡 にはヨハンナ一人 残り、決然 意 を決したるさまにて、其 の故国の山河 風物 に対して、訣別 の辞 を述 る。山々 よ。 あゝ、なつかしき牧場 よ。平和 に静 けき幽谷 よ。 別れを告 げむ、幸あれや。今 、別 れなば、いつの日 に、 わらはは、再 び還 り来む。 このヨハンナはとこしへの、 わかれを、今は、告 るぞよ。 わらは自 ら水そゝぎ、 おほしたてたる、草 よ木 よ。幾 ひさしくもさかえよや。 こゝの洞穴 、かしこの岫 、清 き泉 よ、幸 あれや。 このとしごろを我 がうたふ、声 に合 せしやまびこよ。 別れをつげむ、いざさらば。 わらはは去 りてとこしへに、 こゝへはかへり来 ざるべし。 なほ、その外 に、みづからが、心静 に、たのしみし、我 が故郷 の、野よ、山よ。 わらはは、汝 に、とこしへの、 わかれを、告 ぐべき時 は来 ぬ。あゝ、愛 らしき小羊 よ。 これより、わらはは、戦場 に、異 る羊 を牧 んため、 そなたを残 して出 でたてば、我 がなきあとは汝 が群 を、 はぐくみ育 つるものあらじ。 この後、汝 は、飼 ふ人 も、 なければ、ひとり野 に、山 に、おのがまにまに、さまよへや。 わらは彼処 へ行くとても、 さらさら、浮 きたる望 ならず。唯々 、神 の大御詔 、 かしこみてこそ、戦場 へ。 ホレブの峰 の頂 に、火焔 の森 に、現 はれて、 フワラオにあたれと、モオゼをさとし、又 、ある時 は、イザイの子 、 ダビッドを、戦手 と選 りいでて、羊牧 ふなる賤 が身 を、敵 の挑 みに応 ずべく、教 え給 ひし御神 の、 あれなる槲 の木梢 より、 わらはに宣 らせ給 うやう、 「ゆけや少女子 、我 が威力 、洽 く、諸人 に知 らせよ、」と。 「汝 が柔 き手 も足 も、 やさしき胸 も、悉 く、鋼 の鎧 によそほへや。必 ず共 に、人の世の、仇 なる恋 に汚 れたる、快楽 の炎 に、汝 が心、 かまへて、焦 すことなかれ。 かの花嫁 を飾るなる、花環 をもつて、汝 が胸 は、飾 らることも、あらざれば、 また、愛 らしき稚児 を、懐 にせん、こともあらじ。 しかはあれども、目覚 しき、軍 の名誉 を、よの常 の、婦 女 子 に。超 えて授 くべし。」 「世 に勝 れたる武夫 は、皆悉 く、ひるみ立 ち、仏蘭西 国 の命数 も、 はや、旦夕 に迫 れるとき、錦 の御旗 押 し立てゝ、 いとも巧 に刈 るものゝ、 さながら作物 くさぎる如 く、勝 ち誇 りたる敵 の勢 、心 のまゝに打 ち敗 り、幸 ある敵 の運命 を、味方 のかたへ取 り返 し、 かくて、ライムの囲 みをとき、我 が大君 を御位 に、 ふたゝびつかせまゐらせて、民 を塗 炭 に救 へよ、」と。 この兜 こそは、御空 より、 わらはの出 づべき時節 をば、知 らせ給 へる御兆 。 わらはが胸 には、神 の威力 、 またセルビム の勇気 の炎 、燃 るがごとく、充 ち満 ちて、 すさびにすさぶ暴風 のごと、 わらはを軍 に誘 ひ行 く。 わらはが耳 には、今 ははや、喇叭 の響 、鬨 の声 、軍馬 の嘶 く声 のみぞ、 さそふが如 く、ひゞくなる。(幕)。 ( 序 幕 了 ) 是 れにて、ヨハンナ這 入 る。悲劇 : オルレアンの 少女 目次 緒 言 出場人物 序 幕 ドムレミ村 の場 第一幕 シノン行宮 の 場 第二幕 一、戦場巌 蔭 の 場 二、同 じく英陣炎上 の場 第三幕 一、マルネ河畔 シヤロン行宮 の場 二、戦場 タルボォト戦死 の場 三、同じく戦 場 の 場 第四幕 一、大 広 間 の場 二、寺 院 前 の 場 第五幕 一、深 林 の場 二、仏 軍 陣 営 の 場 三、英 軍 哨 楼 の 場 四、ヨハンナ最後 の 場 附録 底本: オルレアンの少女 1902年 富山房 譯者: 藤沢 古雪 (周次)明治後期~大正初期の劇作家 原著:die Jungfrau von Orleans 1803 著者:Johann Christoph Friedrich von Schiller (1759.11.10 - 1805.5.9)
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底本:国立国会図書館 近代デジタルライブラリー 所収 / オルレアンの少女 : 悲劇 ( シルレル著/藤沢古雪訳、富山房,明治36年12月) 閲覧に当たっての注意事項、などこのページは、縦書き文庫様提供の、 javascript で動作する組版エンジン 「涅槃2(Nehan2-1.22)」を利用させて頂いて、縦書き表示を行っています。(頁の横幅は760 pixel 固定)。表示確認は Mozilla Firefox 18 で行っています。 ですので、閲覧に際しては、 (1) インターネットに接続されているコンピュータ類にて、ウェブ・ブラウザで閲覧すること。 (2) ウェブ・ブラウザにて、javascript が動作している(許可されている)こと。 が、必要です。(多分、大抵は問題ないと思いますが。)この頁掲載の「序」の本文や目次がきちんと縦書き表示されていればOK。 ※ なお、ブラウザの動作しているウインドウの横幅は760ピクセル以上のサイズでご覧ください。 基本的にオフラインでは閲覧できません。 この 藤澤古雪訳の「オルレアンの少女」(明治36)をウェブ頁化するにあたり、底本では旧字体が用いられておりますが、テキスト化に当たっては、新字体を用いるように改めました。(ただし、仮名遣いは原著のままです。)一部の現代の字体には見受けられないものも混在しているかもしれませんが、ご容赦願います。
( 2013-03-23 cygnus_odile )
履歴:
2013-05-27 : 誤記訂正:「ツルイド」⇒「ヅルイド」他。 2013-03-23 : Website にて公開。 2013-03-19 : ルビタグミス、誤記など数箇所修正。 2013-02-13 : 字下げに、<indent> タグを利用。 2013-01-24 : 縦書き組版エンジン:涅槃2(Nehan2)を利用して縦書き化作業。緒言&序幕。 |