私のハードウエア−史

 色々な機器を上手く活用することは、外国語の学習の上でとても重要なポイントです。
 録音、再生に関わる機器は日進月歩ですから、新しい製品については、いつもアンテナを張って、情報を集め、自分の勉強に有効に活用できるものを見つけたら、どんどん取り入れていきましょう。

 新しい機器についての情報や、体験談等も、雑談掲示板にどしどし書き込んで下さい。


私のハードウエア−史

 
最初に、私が今までどんな機器を使って、どんな風に勉強してきたかを、概略お話ししようと思います。

 その理由は、私がどのような理由で、どのようなハードウエア−を選択し、それが実際の使用上どのように便利で、どのように不都合だったかをここに記しておくことで、皆さんがハードウエア−を選択する時の考える材料にして頂きたいというものです。


最初のテープレコーダー

 テープレコーダーとの最初の出会いはまだ子供の頃、近所の人がテープレコーダーを持っていると言うので、見せてもらいに行きました。

 その家の人が得意げに、マイクを使って録音して、それを再生して聞かせてくれました。私はなんと表現したらよいか分からないような興奮を覚えました。

 それからというもの、私は必死になって小遣いを貯めました。そして父と交渉して、「幾らの物でも、半額は払ってやる」という約束を取り付けて、ついにテープレコーダーを手に入れたのです。

 当時のお金で22,000 円ほどしました。当時の物価が現在の何分の一だったのかよく分かりませんが、確か、りんごが1個15円、バスが30円程度の頃だったと思うので、現在の7分の1程度だったのかもしれません。

 だとすると、現在の15万円に相当することになりますから、貧乏な子供にとっては大変な買い物でした。

 これで外国語をバリバリ勉強したというんなら少しはかっこいいのですが、現実はそれ程格好良くは有りませんでした。

 当時は、英会話とか国際化とかの言葉は聞いたこともなく、外人と接触したこともなく、外国語学習への動機付けは全くなされませんでした。

 結局、このテープレコーダーは、自分の声を録音したり、ラジオ放送を録音したりしましたが、そういうお遊びの範囲を出ることはありませんでした。

 当時はテープ自体もかなり高価で、いろんなものを繰り返し録音して遊ぶくらいのことしかできなかった、と言うのが事実に近いかも知れません。


愛用したソニーのテープレコーダー

 
それから何年もたって、多分大学に入ってから、今度はソニーのテープレコーダーを手に入れました。(勿論、オープンリールのもの。カセットテープなんか、当時はまだこの世に存在していなかった)

 これは私がこよなく愛したテープレコーダーで、ドイツ語等を、声がかれるほど練習したりしました。

 当時私が属していた学部には、第二外国語としてドイツ語は存在していませんでした。

 独学でドイツ語をやっていたのですが、まだ外国語学習方法論を確立していない頃だったので、一人で勉強することに確信が持てなかったことと、自分の実力の程度を知りたくて、ドイツ語を始めて1 ヶ月ほど経った頃、他学部の第二外国語の2年目のクラスに入ってみました。

 余りのレベルの低さに唖然としてしまったのを覚えています。全く時間の無駄なので、このクラスはじきに辞めてしまいました。

 当時は、現在のオ−トリバースのような都合のいい機構はまだ発明されていませんでしたが、何とかして外国語のテープを流しっぱなしにする方法はないものかと考えました。

 そこで思いついたのがエンドレステープです。構造を文字で説明するのは大変なので省きますが、要するに、テープの頭とお尻がつながっている特殊なテープです。

 高価なエンドレステープを買ってきて、教材テープをダビングして聞いてみたのですが,エンドレステープは数分間のごく短い時間のものしかなく、しかも録音が難しいのです。

 録音時間が少しでも長すぎると、頭の部分が消えてしまい、短すぎると、頭が再生されるまでの無音の時間が長くなってしまうのです。結局、苦労ばかりで、効果はあまりあがりませんでした。

 さしたる効果もあがらなかったのには他にも理由があります。当時は、「デンさんの外国語勉強史」に述べている、4 日間でネイティブと思われるようになったと言う経験をするまでには、まだ6年程あり、チベット語の経験をするまでにも3〜4年ほど時間が有った時期でした。
(以下執筆中)


ウオークマン誕生前からウオークマンしてた

 外国語を音から習得することの重要性に気付いてからは、何とかしてテープを聞く時間をもっと増やしたいと思っていました。移動中の電車の中や、歩いている間もテープを聞くことが出来れば最高です。
 
 そこで思いついたのが、電池駆動のテープレコーダーを外に持ち出すことでした。

 当時は既にオランダのフィリップス社が、カセットの特許を公開し、日本でもカセットテープレコーダーが製造されるようになっていましたので、オープンリールのテープレコーダーを担ぐほど大袈裟な事にはならずに済んだのです。

 最初に購入したのは、確か松下電器のものでした。ICを5個使用しているとのふれこみでした。

 当時としては画期的な小ささでしたが、今のウオークマン等からは想像もつかないほど頑丈な作りで、本体重量1100g程度でした。

 バッテリー駆動が可能でしたし、大きさも下の写真のソニーのものより一回り大きい程度のものでした。これなら持ち歩いて、移動中でもテープを聞くことが出来ると思うと、嬉しさの余り夜も眠れないほど興奮したのを、今でも良く覚えています。

 ただ、携帯することを前提とした設計ではなかったようで、キャリイングケースなどは発売されませんでした。やむを得ず帆布でケースを作り、肩から下げて使えるようにしました。

 これで夢の実現となる訳ですが、実際に使用してみると、重さ以外にも苦しい点がありました。電源は単三電池を四本使うのですが、新品の電池を入れても1時間と持たないのです。

 当然、交換用の電池も持ち歩くことになりますが、電池8本使用しても、往復の行程全てでテープを聞きつづけることは出来ませんでした。

 移動中もテープを聞こうという私のアイディアはこうして実現する運びとなりましたが、当時は、テープレコーダーを担いで、外国語の勉強をしている人など1人もいない時代でした。


 その後、ソニーの小型カセットテレコがアメリカのアポロ宇宙船に採用され、ほぼ其の侭の形のものが発売されました。受注生産だったかもしれません。

 これは駆動部分とスピーカー部分とが切り離せるようになっているテープレコーダーで、当時としては非常に軽く、確か三百数十gで、価格は三万数千円だったと思います。

 当時の私にとってはあまりにも高額でしたし、宇宙船に持ち込むために設計されたもののため、異常に軽くて、いかにもひ弱で、耐久性も心配だたため、結局あきらめて、見送りました。

 その後しばらく経って、ソニーからもっと実用的な、丈夫なテレコが発売されました。TC−1000というテレコです。

 
ソニー TC−1000
(左は現在使用中のソニーのMDプレーヤー)
 価格はやはり安くないものでしたが、耐久性に期待して購入したわけです。結果的には、私が最も長期間にわたって愛用することとなりました。

 頑丈に出来ていて、重量は800g以上(使用時1kg以上)。単3電池4本で作動。ガンガン使ってヘッドが磨り減ってくるとヘッドを交換し、更に使うとモーターが寿命で、これも交換するという風にして、長期間にわたって活躍してくれました。

 これを携行するための本皮製のホルダーが別売であったので、購入したのですが、アメリカのFBIが使っているガンホルダーにそっくりの代物で、でかい図体にこんな恐ろしげな代物をつけているものだから、何処に行っても、じろじろと注目の的でした。


引き起こされた弊害

 テープレコーダーを電車の中でも聞くというこの方法は、素晴らしい成果をあげましたが、重大な弊害をも引き起こしました。

 この機械はモノラルだったため、両耳に挿入するタイプのヘッドホンは使えず(と言うより、当時はこういう物はまだ無かったはず)、私は機械に付属していた片耳用のイアホン使用していたのですが、イアホンを挿していない方の耳からは騒音が遠慮なく入きて、それに打ち勝つ程度にイアホンの音量を上げなければなりませんでした。

 その結果、片耳から過大な音圧がかかることとなり、30分も聞いていると、耳が痛くなるのが常でした。そしてこの状態を長く続けているうちに、聴力がずいぶん落ちてしまったのです。

 外でヘッドホンを使用するときの注意事項は別項で述べますが、皆さんは同じ失敗を繰り返さないよう、十分に注意してください。


聴覚保護を考えたヘッドフォンの選び方

 聴覚の保護を考えたとき、使用できるヘッドホンの種類は限られてきます。

 先ず、耳に挿入するタイプの物は使えません。必ず耳が痛くなってきます。

 耳の外から着ける式のものでも、オープンエアータイプ(外部の音が入るように設計されたもの)のものは、外部の騒音がもろに入ってくるため、音量を上げることになり、耳に悪い影響を与えます。

 密閉型のヘッドフォンでも、パッドが完全に耳の外側に来るような大型のものでないと、外の音が盛大に進入してきて、音量を上げざるを得ないことになります。

 結論として、使用できるヘッドフォンは、密閉型で、パッドの内側に耳がすっぽり入るくらい大型のもので、しかも小型再生装置の出力が小さいことを考えると、効率の高いものである必要があります。

 私は103db以上を目安にしていますが、100db程度でも(使用する再製装置の出力によって一概には言えませんが)実用上問題はないでしょう。

 これらの条件を満たすものを選ぶとなると、製品はかなり限られてきます。

 この条件を満たすものとして最初に使用したのが、下のワイヤレスウオークマンの写真に出ている、ソニーのMDR−Z600でした。


ワイヤレスウオークマンの時代

 ということで、大型のヘッドフォンを使うことになる訳ですが、そうなると、ヘッドフォンとウオークマンがコードでつながっていると、極めて不都合です。

 使用中に耳から外さなければならない状況はいくらでも出てきますが、大型のヘッドフォンでは、気楽にポケットに突っ込む訳にも行きません。ヘッドフォンには何もつながっていない状態でないと、非常に都合が悪いのです。

 ウオークマンを直接ヘッドフォンに固定してしまうことも考えましたが、いくら軽くなったとはいえ、バッテリーとカセットを含めれば、400gを軽くオーバーしてしまいます。そんなものを付ければ、ヘッドフォンはバランスが悪くなり、外れやすくなってしまいます。

 困っていたところで、ソニーからワイヤレスウオークマンが発売されました。

 これはワイヤレスのリモコンにインナーイヤータイプのヘッドフォンがついていて、本体との間にはコードが無いものでした。

 早速これを購入し、大型ヘッドフォンに元々ついていた太いコードを外し、ワイヤレスリモコンについていたヘッドフォンを外して、大型ヘッドフォンと直結し、リモコンをヘッドフォンに固定しました。

 これで使い勝手が非常に良くなりました。色もいいし、性能的にも文句無いもので、私の大好きなマシンの一つです。

 なお、最近のワイヤレスウオークマンは、リモコンとヘッドフォンが一体化しているため、改造不可能で、全く使えません。

改造したワイヤレスウオークマン
(写真では、リモコンとヘッドフォンを繋いでいるコードがだらしなく伸びているが、私が使っていた時はこの部分をコイル状に加工し、短く纏めてあった。写真のものは別の人のために再加工したもの)
 この赤いワイヤレスウオークマンの次の世代のワイヤレスウオークマンも使いましたが、ヘッドフォンに取りつけたリモコンと本体との間に自分の体があるというような位置関係で使用すると、電波が届かず、非常に使いにくいものになっていました。

 恐らく、混信などを防ぐため、電波の出力を赤いウオークマンより弱く設計してあったのでしょう。


ノイズキャンセル式のヘッドフォン

 その後、JALの国際線のスチュワーデスをしている教え子から、面白いヘッドフォンの情報が入ってきました。

 JAL国際線ファーストクラスの席についているヘッドフォンで、外のノイズがあまり聞こえないようになっていて、乗客がそのヘッドフォンを着けていると、スチュワーデスが話しかけても聞こえない位。

 ソニー製で、コードの途中にバッテリーボックスがついている。市販はされていないとのこと。

 私はこの話を聞いたとき、どのようにして外からの音を消しているのか、その方法を考えてみました。

 バッテリーボックスがついているということから、何かアクティブな動作をする回路が使われていることが推測されます。恐らく、外部のノイズと同じ波形で、位相が完全に逆の音を、ヘッドフォンから外に向かって出す仕組みになっているだろうと考えました。

 こうすれば、外からのノイズと打ち消し合ってゼロになるはずだから、これは絶大な効果があるはず。スチュワーデスの声が聞こえないというのも頷ける。

 ただ、このような原理だとすると、特に低い周波数と高い周波数のノイズに対しては、問題もあるかなと思いました。

 低い周波数に就いては、小さな装置では発生させるのが難しいし、高い周波数に就いては直進性が強いので、四方八方から来るノイズをキャンセルするのは難しいのではないかと思った訳です。

 このような問題が考えられるにせよ、この原理のヘッドフォンを使えば、耳を完全に覆う大げさなヘッドフォンを使わず(私は大変暑がりで、このタイプのヘッドフォンは1年のうち半年は暑くて使えないのです)とも、地下鉄の中でも静かな室内と同じようにボリュームを下げて、落ち着いて勉強が出来るだろうと考えました。

 それから随分月日が経って、私が理想的な方法だと考えたノイズキャンセル式のヘッドフォンがついに、ソニーから発売されました(発売から数年経過していますが、現在も販売されています)。

 早速購入しました。原理は私が想像したとおりのようでしたが、実際に使用してみると、少なくとも私の耳では、ノイズキャンセルをオンにしてもオフにしてもその差を感じ取ることすら出来ないほどで、大型ヘッドフォンの代わりになるようなものではありませんでし

 スチュワーデスの声も聞こえないというのは、単純にボリュームを上げていたからだったのかなと思っています。
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