虹は七色か

虹は本当に七色か

虹はなん色ですかと質問されたら、皆さんは何と答えますか。そんな分かりきったことをわざわざ質問するんだから、答えは「七色じゃない」なんだろ?と思うでしょうね。

答えは・・・虹は七色だと言っても構いませんし、七色ではないといっても構いません。

中学の時に、理科の時間にやった実験を思い出してください。三角プリズムに太陽光線を通すと、光の波長によって屈折率が異なるため、白色光線が七色に分かれて、虹が出来ましたね。でも、光の帯は七つに切れていましたか。切れ目はありませんでしたね。

連続スペクトルですから、切れ目なんて何処にもありません。元々切れ目が無いのですから、それを七つに切るのも勝手ですが、五つに切るのはおかしいと非難する根拠も全くありません。二つに切ったって構わないじゃないですか。

現に、虹は五色だといっている言語も、二色だと言っている言語もあります。



切れないものを切っている―名詞の場合

額の真中に右手の人差し指を当ててください。指先が触れている場所は「額」ですね。では、顔の形に沿って、指をゆっくりと右に動かして行きましょう。気が付いたら米神に来ています。そのままゆっくりと下げて行きましょう。今指が触れている場所は「頬」です。もっと下げて行くと・・・気が付いたらそこは「顎」でした。
いつ「額」から「米神」に変わったんでしょうか。いつ「米神」から「頬」に変わったのでしょうか。そしていつ「顎」に変わったのですか。

顔の何処を見たってそんな切れ目はありません。

どこからどこまでが顔で、どこからどこまでが頭なのでしょう。境目は髪の毛の生え際ですか?だったら、どんどん禿げていったら、どうなります?最後には頭はなくなるんですか?医学的には眉毛を境目にしたりしていますが、後から作った定義です。対象物に切れ目がないからこそ、言葉の範囲を正確に決めるために「定義」が必要になってくるのです。

モンゴル語では羊に関する単語は非常に細分化しています。日本語では大雑把に表す単語が1つあるだけの部分について、非常に細かく分けて単語が作られているのです。

インドヨーロッパ語系の言語では血縁関係を表す単語があまり発達していません。例えば、「兄」を表す一つの単語は存在しません。弟、姉、妹、姪、甥などもも同様です。

この方面で、日本語はインドヨーロッパ語よりは発達(分化)していますが、中国語と比べると、遥かに簡単です。中国語では、母方か父方か、母親または父親より年下か年上か、などによって細かく分かれているのです。

切れないものを斬っている―動詞の場合

動作にしたって同じことです。日本語には「切る」という動詞があります。当然、「切る」という動作の概念そのものはどの言語にも共通の、人間の基本的動作だと日本人は思うかもしれませんが、決してそうではありません。広東語(中国語)には、日本語の「切る」に相当する概念は存在しません。

カッターで新聞を切り抜く、包丁で野菜を切る、鋏で爪を切る、鋸で板を切る、刀でばっさり切る・・・どのケースでも、日本語では「切る」一言で済みますが、広東語では各々異なる動詞になります。

「いやデンさん、「刀でばっさり切る」は間違いだよ。その場合には「切る」じゃなくて、「斬る」が正しいんだよ。日本語でも使い分けがあるよ。こんな使い分けも知らないようじゃ、中学校にも入れないよ。」

そうですか?これって日本語の使い分けなんですか?そうじゃないですよね。和語では「きる」しかないんです。只、中国語では使い分けがある(ということは漢字の意味範囲が日本語の単語と1:1で対応していない)からこそ、漢字で表記するときに使い分けが生じるのです。和語の「はやい」を「早い」と表記したり「速い」と表記したりするのも、同様の理由です。


認識の対象に切れ目はない

このように、認識の対象世界そのものには切れ目はありません。対象そのものに切れ目がないのに、それを切らなければ言語は成立しません。だからどうしても切ります。切る根拠は対象そのものには存在していないのですから、どう切るかは恣意的です。また、モンゴル語の例などからも分かるように、切り分けの根拠として非常に大きな、と言うより恐らく最大の比重を占めているのは「必要性」です。切る必要があるから切って、単語を作っているのです。


(以下執筆中)
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