TA EIS HEAUTON -日日覚書-

11月

 
                
2004年11月8日(月)

いまだに続いているある感覚。

ブッシュかあ……。やっぱブッシュなのかあ……。

この無力感。非現実感は、
今年のこの豊崎由美さんの表現を借りて表わすのが適当だろう。
元ネタ。
この元ネタには、文学賞の選考委員に自治体行政のトップが入っていることへの、
深ーい怒りも込められておりましょうね。


さて、
米国は、ともかく大統領選後は、なるべく一致団結するよう努めるのが常である。
そうなってくると、これまでのブッシュさんに対する批判の矛先は、
何処にいくのだろう?
まさか、この間までの米国内からの激しいブッシュさんへの批判は、
単なるネガティヴ・キャンペーンの一環に過ぎないということなのか。
戦時下に最高司令官を取っ替えるような国でないことは、
重々承知してはいたものの、
だからといって、選挙戦に費やされたばく大なエネルギーが、
単なる一時のガス抜きに過ぎなかったのでは、
と思い始めるといらぬ神経まですり減らしてしまうので、
何事もなく、相変わらずのスタンスでいるのがよい。

それにしても、混乱期の米国は、表象面において、魅惑的な複雑さを呈している。
今年は、韓国映画が面白いって言ったって、米国映画もやっぱり面白い訳ですよ。
今、米国映画観ないで、いつ観るのかって位面白いのですよ。
日本は先の大戦中、米国の映画を観られなかったのは痛かった。
敵性だからこそ、観るべきだったのだ、と相変わらず思う。
勿論、観たくても観られなかったのだものね。


米国は表象と現実の間で、微妙にバランスを取り続ける。
ここは、本当に曲者なのだ。
2期目に突入した共和党政権下でも、
恐らく、何食わぬ顔をして、
TVドラマシリーズ『ホワイト・ハウス』では、
架空の民主党政権が続いていくのかもしれない。

以前、エリア・カザン氏の訃報に際して、米国のリベラル知識人とは何なのか?
という疑問について少し触れたけれど、
米国の良心的な芸術的表象は、
かえって米国という国を見えにくくしているのかも知れない。
ここでいう良心的とは、共和党派か民主党派かにかかわらず、
真摯に本音を語ろうとするもの全てを指している。

おっと、芸術的表象というのは、いかんか。
エンターテインメント的表象といった方が適切かしら。
今時の文化産業は、破局=極度の矛盾状態の表現をも、
既にして獲得しているように思われてならないのですよ。

『華氏911』は、出来上がりをみると、
ストック・ショットもどきのジャンク・フッテージを多用して、
割合、クールなB級映画風味になっていたけれど、
ネガティヴ・キャンペーンとして観られてしまう、
決定的な弱さはあった。
だからこそ、ビンラディン氏はちゃんと便乗して、
ブッシュ氏の支持に回ったのだ。

『ヴィレッジ』みたいな映画が、改めて興味深い。
観た時は、これは『華氏911』と、思いっきり被るなぁ、
と思いましたが、結構尾を引くものがあります。

最近、わたくしは、本当に地味な何の変哲もない作品『ツイステッド』を、
大いに楽しんで観たのだけれど、
あのアシュレイ・ジャッドさんの演技はちょっと忘れがたいものがあった。

大統領選の直前の何かの集会で、
アシュレイ・ジャッドさんが激しく演説をしているところが、
日本のTVでも放送されたようですが、
何の集会だったのだろう?
気になって、米国のニュースソースをいろいろと検索していたのですが、
見つからない。
かの女は、自ら公言しているフェミニストだということは分かった。
どうも、4月に首都で行われた大規模な中絶禁止法への反対集会への参加が、
随分、取り沙汰されている。
放送されていたのも、もしや、その時のものかもしれない。
かの女の母親と妹は、共に著名なカントリー・シンガーである。
カントリーの世界が、反政府活動に対していかに不寛容であるかは、
デキシー・チックスの例の通りである。
ネット上には、ジャッドさんの活動を、
家庭問題として批判、中傷する記事が多数見られたが、
これはお気の毒としかいいようがない。
『ツイステッド』での、これまでのイメージを裏切るかの女の芝居にも、
どこか不退転の意気のようなものを感じたのは錯覚ではないだろう。


かの女の、もう一本の主演作『五線譜のラヴレター』が公開待機中だ。
これは、見逃せない。
半世紀ぶりに作られたコール・ポーターの伝記映画。
ナタリー・コール、シェリル・クロウ、ロビー・ウィリアムス、
アラニス・モリセット各氏、
それに、エルヴィス・コステロ&ダイアナ・クラール夫妻らが、
劇中歌手として、ポーター・ナンバーを披露してくれるんだって。
ちょっと、サーヴィス過剰?
でも、予告篇は悪くなかった。

と。
全然関係ない話ですが、
ひと月ほど前、
友人が、「山の手線wackyさんのドッペルゲンガーを見た。」
と電話をかけてきた。
それは、有楽町で降りていったのだそうだ。
この日、このドッペルゲンガーと同じく、
確かにわたくしも有楽町に行っていたのだが、
乗ったのは丸の内線だ。

あれ以来、山手線に乗っていないな。
できれば、死にたくないが、
山手線に乗らないというわけにもいくまい。

ともかく、ドッペルゲンガー情報を求めています。
わたくしに似た人を見かけたら、
とりあえず、声をかけて下さい。
多分、わたくしですから。

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