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CSICとオプス

 

 現在執筆中の論文のために、第二次大戦中のスペイン史を勉強しているのですが、予想もしなかったこんな一節に出くわしてしまいました。

 

 政教一致と国家主義的愛国精神の色合いが濃厚なCSIC(科学研究最高評議会)が一九三九年一一月に創設された。この評議会の会長職はイバニェス・マルティンが四半世紀も(一九六五年まで)独占し、事務局長はオプス・デイの有力メンバー、アルバレダが長年にわたって務めた。評議会はこうして、いずれ大学や政治の分野に浸透してゆくオプス・デイ集団の拠点となった。
(楠貞義/ラモン・タマメス/戸門一衛/深澤安博、『スペイン現代史 模索と挑戦の120年』、大修館書店、1999年、236ページ)

 

 CSICっつったら、僕が「研究所」と呼ぶ、博士課程留学したときの受入機関じゃないですか。

 「科学研究最高評議会」なんて、たいそうな名称に訳されてるけど、奨学生部屋に国王夫妻の肖像写真が飾られてて確かに「国家主義的愛国精神が濃厚」だったよなぁ。

 驚いたのは、あそこがオプスの拠点だったっていうこと。そう言われてみたら、そうだとしても不思議じゃない、っていうか、いろんな意味で納得。

 

 オプスがなんのことだかわからない人は、もう一度、『ダヴィンチ・コード』を読んでみてください。ほら、怖くなってきたでしょ?

 

 今度の11月には、CSICでこの時代に関する発表やるんだよなぁ・・・(遠い目)

06/8/24

 
後ろから前に戻るな

 

 スペイン語講読の授業をどう組み立てるのか、と四苦八苦しているなかで、非常に参考になった『本を読む本』。

 訳者による「あとがき」が説得力に乏しく、うーん、という内容だったのが残念なのですが、ただ、そのなかでも、ああ、なるほどね、と納得する箇所がありました。

 

 なんでも、外国語の文章を日本語に翻訳する作業は、明治以前から続いてきた、漢文の読み方を踏襲しているのだそうです。

 返り点で上に言ったり、飛ばしたり、文章の順序に手を加えて無理やり日本語の順序に並べ替えてしまうっていう、あれです。

 

 明治のはじめに、英語にも漢文と同じような返り点をつけて読もうという試みがなされたのである。
 さすがに、英文には返り点をつけ切れなくて、“白文”で読むことにはなったが、返り点に代わる方法が案出された。英文解釈法である。
(外山滋比古/槇未知子、「日本人の読書−訳者あとがきにかえて」、M.J.アドラー/C.V.ドーレン、『本を読む本』、講談社学術文庫、263ページ)

 

 英文解釈法、つまり、関係代名詞や接続詞があると、後ろから前に、順序を逆にして訳すのって、受験勉強をやっていると嫌でも身についてしまう技術ですよね。

 そういうのって、実は漢文の読み方を引きずっているんだという指摘は、なるほど、同じ構造だと、思わず膝をうったわけです。

 

 ただね、そういう方法じゃ本当の意味での「翻訳」にはならないんですよね。

 

 翻訳と言わないにしても、こういう方法を続けている限り、外国語の思考方法が身につくことはないんです。

 

 学部の頃にカンキ先生にも言われたよなぁ。

 

「後ろから前に訳すな。スペイン人はそういう順序で物事を考えるんじゃない」

 

って。あの教えは本当だったって、実感をもって言えるようになるまで、いったい何年かかったことか。

 

 

 ただ、偉そうなこと言ってますが、頭では十分理解しているつもりでも、自分で翻訳するときに100%生かされているのか、今でも自信がもてません。

 

 スペイン語で文章を書くのに、そう不自由しなくなった今でもそうなんですから、翻訳って奥が深いなぁ。

06/04/08