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OPERA PRIMA オペラ・プリマ (1971)
1966年にイ・プー結成。
マイナーレーベルにおいて3枚のアルバムを残した後、ジャンカルロ・ルカリエッロという
プロデューサーに見出され大手レコード会社に移籍して発表されたのがこの作品です。
しかし実質上、POOHの長い長い歴史はここから始まった、と言ってもいいかもしれません。

高1の時にこのアルバムを含む4タイトルがキングレコードから発売されました。
NHKFMの「民族音楽をあなたに」という超深夜にやってた番組で流れた「希望に向かって」に
感動して、どのアルバムに入ってるかも分からず当時発売中だったLPを全て買い揃えまし
たが、結局どのアルバムにも入ってませんでした!!
途方にくれていた半年後、最新作「美しい幻想」を見つけて購入し、A面の3曲目、「あった
〜〜!ここに入ってたか!!」と感動の再会を果たしたわけです。
そしてもうこの時点で私はPOOHの魅力に取り付かれておりました。

当時POOH初心者の私は、この「オペラプリマ」と次作「ミラノの映像」の区別がつきません
でした。
オーケストラをバックに聞き慣れないイタリア語で割と控えめな演奏で美しいメロディを紡
いでいく・・・、そんな印象がこの2作にありましたが、今ではこの2作は全くの別物、完
成度の高さが違いすぎます!
かといって「オペラ・プリマ」が内容的に悪いわけではなく、まだ60年代のちょっとビー
トロック的な雰囲気が残ってはいるものの、ロビーのメロディは既に全開、フランコ・モナ
ルディのオーケストラアレンジが重厚感を演出しています。
特に最後のタイトル曲ではキラキラと後光が射しているかのような美しい曲です。
シングルヒットした「君をこの胸に」「ペンシェロ」はとってもいい曲ですが、私の数あるベ
スト盤には入っていません。(笑)

このアルバムを最後にドラムのヴァレリオ・ネグリーニが作詞に専念するため脱退します
が、以後Poohの曲の大半を作詞しています。

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ALESSANDRA ミラノの映像(1972)
プロデュース:ジャンカルロ・ルカリエッロ、アレンジ:フランコ・モナルディによる2作
目。
このアルバムの魅力に気づいたのは20代半ば頃、初めて聞いてから10年近く経ってまし
た(笑)
10代のガキには少々取っ付きにくい音楽だったのか、もしくは日本語の極甘タイトルに拒
否反応を示していたのか忘れましたが、あまりターンテーブルには乗せていませんでした。
何しろ、「愛の後に美しく燃える君」、「大人の遊び」、「初めての恋人」ですから、かな
り気恥ずかしかったはず。。

ところが私も大人になったんでしょう、久々に「ロマンの世代」「青春の哀しみ」を聴いた
時は泣くほどの感動を覚えました。
この作品には捨て曲がない!歌がフェードアウトした後もバックの演奏がしばらく残ってい
たり、ロビーのビブラートが他作品と比べて妙に切なかったり(これはリッカルド・フォッ
リとの声質の違いが極端だからかな?)、オープニング「ロマンの世代」でのリードボーカ
ルの移り変わりが絶妙だったりして、素晴らしい!あー今まで何故ないがしろにしてたんだ
〜〜!
といった具合で、ある時期を境に大好きな作品となりました。
今ではPOOHのアルバム中、一番繊細で自分の子供のように接することが出来る作品です。
もちろん、5本の指に入るお気に入りです。

このアルバムよりドラムスが現在のメンバー、ステファーノ・ドラッツィオに交代。
ヴァレリオの“ドッタンバッタン”ドラムに比べると大分落ち着いた演奏です。
そしてこのアルバムを最後に看板ヴォーカリスト&ベーシストのリッカルド・フォッリがソ
ロ活動のため脱退。
やっと軌道に乗ってきた時期でしょうから、当時これはかなりバンド存続の危機だったんじ
ゃないかと思いますが、結果的に更なる飛躍につながっていくのですね。

ロビー純度は80%にも達しておりますのでかなり酔います!

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PARSIFAL パルシファル(1973)
御多分にもれず、私もこのアルバムよりPOOHの門戸をたたきました。
そう、まずニュートロルスやバンコ、オザンナ等と同じ括りのプログレとしてPOOHを聞いて
いましたが、前記の「希望に向かって」を聞いて以来、プログレという枠を取り払って接す
るようになりました。
フランコ・モナルディのオーケストラアレンジも、「前2作は予告編に過ぎなかっ
た・・・」と言わんばかりの強烈なインパクト、当時流行していたプログレッシヴ・ロック
に挑戦した意欲作です


それにしてもこの「パルシファル」は寒いです、クールです、ひやっとしてます、オープニン
グのイントロから冷たい空気が流れています。それはアルバム通して一貫しており、刺すよ
うな金管楽器の音色、ロック色を増したドディのギター、タイトになったステファーノのド
ラム、そして彼らの特徴でもあった甘いメロディは影を潜めシリアスな曲が大半を占めてい
ます。
前作があれだけ「目の中に入れても痛くない」的愛しさを醸し出していたのに、この作品は
美術館の絵画を鑑賞しているような、「手を触れたら怒られる」的な存在感があります。
こうも印象が変わったのは、やっぱりレッドの加入が相当影響しているんでしょう。
クールでひやっとした空気の中、それでもやっぱりロビーの曲は美しいです!
ドディの作った「レイ・エ・レイ」もロビーが情感込めて歌い上げる素晴らしい曲です。
そして大作「パルシファル」でのギターソロは鳥肌が立つほどのカタルシスを生んでエンデ
ィングを迎えます。(友人のアラはいつもそこで身悶えしています。(笑))
もちろんこの作品も5本の指に入る私のお気に入りとなっています。

このアルバムからベーシストとして現在のメンバー、レッド・カンツィアンが加入。
前任者よりもロック寄りの人で、この作品の成功は彼の存在があったからこそ、だと思いま
す。
これ以降、メンバーチェンジすることなく最強のカルテットとなりました。

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UN PO' DEL NOSTRO TEMPO MIGLIORE ロマン組曲(1975)
「パルシファル」と同じようにプログレッシヴ・ロックを意識した作品ですが、オープニン
グ曲でそのニュアンスが前作とは全く違うものである事を提示しています。
このオープニング「朝やけのプレリュード」は穏やかで、幸福感に満ちていて、激しさが極
限まで達した前作のエンディングとは対になっているような気がします。
まるでショパンのピアノ曲のような気品があり、メンバーも「自分達の音楽」に自信を持っ
て作られていると思います。
この穏やかで品のある情感は最後まで一貫していて、完成度は「パルシファル」の更に上を
行く、これもまた「触ったら怒られる」ような緊張感に満ちた作品です。
ジャケットも音楽性を具現化していて素晴らしい。(でも真ん中に立っている少女は幽霊み
たいで怖い・・)
ただ「パルシファル」と比べてロック色が薄まり、よりクラシカルな趣きとなっていて強力
なカタルシスは無くなっています。
ちょっとモナルディ氏の趣味に走っちゃった感も否めませんね。


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FORSE ANCORA POESIA ミラノの騎士(1975)
このアルバムを初めて聞いたときは今一つパっとしない印象でした。
それは部屋の壁に飾りたくなるような、そしてこちら側に語りかけてくるような今までの印
象的なジャケットとは違う、無味無臭な雰囲気がそう感じさせたのかもしれません。
ジャケットに惑わされる事なく本質である音楽を聴かなければいけないとは思いますが、や
はりそこは作品の顔なわけですからもう少しこの美しくも儚い作品をイメージさせる、そし
て購買意欲をそそるジャケットのほうが良かったと思います。
(それを危惧してか、日本では独自のジャケット仕様で発売しました。ちなみにイタリア盤
の内ジャケットはまるで王子様のようなのメンバー写真です。いい写真です!)

さて、それでも繰り返し聞いていくうちに「やっぱりPoohはいいなぁ。」って事になるんで
すね・・・「パルシファル」「ロマン組曲」という大作の後なのでちょっと印象がこじんま
りしているように思われがちなのですが、これこそが本来のPOOHの音楽であり、前2作がプ
ログレッシヴ・ロックに挑戦した別格的存在だとするならば、この”ミラノの騎士”は「ミ
ラノの映像」直系の「目の中に入れたって痛くないです!」的作品となっています。
私のマイベスト盤には常連の「青春の子守歌」「恋するミラノ」が感動を約束、そしてラス
トの「ミラノの詩情」では、ゆったりとしたオーケストラ演奏をバックにロビーの鼻歌が静
かにメロディを奏で、大感動の中アルバムの幕は下りていきます。

日本盤の帯はこちら         当時の日本仕様ジャケットはこちら




POOHLOVER プー・ラヴァー(1976)
この作品からpooh自身でプロデュースも手がけるようになり、オーケストラを極力排してラ
イヴでも再現可能なサウンドを目指している姿が窺えます。
オーケストラの代わりにロビーのシンセが多少目立つようになり、ドディのギターも欧米ス
タイルを研究した跡が見え隠れしています。
このアルバムには名曲「ピエール」の他に、「リンダ」というイタリア版「安奈」(by甲斐
バンド)も収録されていて、AB面最後にはバンドアンサンブルによる「パルシファル」系
の作品が収められています。
強引な解釈ですが、ジャケットの毛糸の玉がまだ大きいのは、「新しいpoohはまだ出来てな
いよ、今作ってる最中だよ!」と言っているような気がします。
楽曲の良さは相変わらずなのですが、試行錯誤しているのが分かってしまう、全体としてち
ょっとチグハグな印象のアルバムです。

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ROTOLANDO RESPIRANDO ロマンの誕生(1977)
このアルバム、キングレコードから発売された時期になぜか買いそびれてまして、初めて聞
いたのは、23、4歳の頃でした。たしか「OASI」あたりと一緒に買った記憶がありま
す。
雄大なイントロを経てロビーの若々しい声が聞こえてくる・・・Poohの魅力はやっぱり
ロビーの声に尽きると思います。美声ではないけど、あの金切り声とビブラートが妙に安心
する。。。

大名曲「ひと吹きの夢」「冬につげて」は「1975-78ベスト」に入っていて既に知っていまし
たのでその曲ばかりが耳についてしまい、他の曲がどうも印象薄い。これは今も変わりませ
ん。
それだけこの2曲が素晴らしいって事なのでしょうか。(マイベスト盤にはもちろん常
連。)
でもやっぱりPooh、締めは切なくなるような感動を用意してました。
純粋に曲の良さへの感動。
「ライブの最後に流れる曲はこれだったのか!」という感動。
そしてこの印象的なリフレインはオープニングと繋がっている感動。(プログレでもこの時
期あまりやらない手法)←笑
この循環作用によって何度も何度も聴くことになり、結局「Poohはいいなぁ。」となっ
てしまうんです。
う〜む、でもやっぱりこのアルバム、印象が薄いです。


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1975-1978 BEST(1978)
タイトル通り、75年の「ロマン組曲」〜78年までのアルバムから選りすぐったベスト盤で
す。
当時、これでもかと言う位メロディの美しい曲を連発していた頃。
否が応でも「素晴らしすぎる・・・・ううう(泣)」ですね。
しかもこのベストにはアルバム未収録が4曲、しかもその全てが特上の作品!!
ガッピアは後に他のベスト盤にも収録されていますが、「青春の讃歌」、「素晴らしい
女」、「目覚め」は恐らくこのアルバムでしか聴けないのではないでしょうか。(もしかし
たら伊盤POOHBOOK
あたりに収録されているかも知れませんが)

美しいインスト曲「目覚め」は09年のライヴも含め最近よく演奏していますが、「青春の
讃歌」と「素晴らしい女」は私の知る限りライヴ演奏はありません。
この2曲ともシングル曲のB面です。
ああ、B面のくせに(笑)、なんと美しいメロディなんでしょう、、、、こんなにも美しい曲
をアルバムから外してB面扱いするなんてモッタイナイ!! よっぽど作品が充実していた
んですねー。
美しいだの素晴らしいだの、そんな安易な言葉しか出てこないのは、この2曲が言葉になら
ないほどの輝きを放っているからに他なりません。
何度でも言いましょう「美しい」!!「素晴らしい」!



リンダ
青春の讃歌 シングル「青春の子守歌」のB面
ガッピア(鳥籠)シングル「目覚め」のB面
ピエール
エレオノーラの想い出
青春の子守歌
・・・・・・・・・・・・・・・・
素晴らしい女 シングル「リンダ」のB面
地中海の伝説
恋するミラノ
冬に告げて
目覚め シングル曲(テレビ番組のテーマ曲)


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BOOMERANG ブーメラン(1978)
このアルバムからPoohの文字がお馴染みのロゴになりました。ジャケットもこれまでにない
開放感に満ちていて、それは収められている曲にも言えます。
それまでの楽曲も私に希望や感動を与えてくれていましたが、どちらかというと「暗い、重
い」イメージがありました(それが良かったんですけど)。  ところがこの作品はジャケ
ットの青空を象徴するような曲がたくさん並んでいて随分印象が変わりました。一因とし
て、ロビーのシンセがクリアな音に変わり前面に出てきている事が挙げられます。そしてド
ディのギターも大分肩の力が抜けてきたような・・・
ともあれ、このアルバムはPoohが変化した瞬間だったと思います。

といいつつ、相変わらずAB面のラストには、時代に、そしてPoohの変化に取り残されたよ
うなドラマチックな大曲が手ぐすね引いて待っていました。(笑)
特にラストの「ヨーロッパの夜明け」におけるメロトロンを使ったシリアスな演奏が久しぶ
りにかっこいいです。


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VIVA ヴィーヴァ(1979)
U2がハウス・テクノに接近した時のような驚きが一曲目から飛び出します。
当時はナイトフィーバー、ディスコブーム・・・オープニングの「歓びのプレリュード」は
そんな時代背景を感じさせてくれる曲で、今までにないアプローチに戸惑いつつも、そこは
さすが我らがPooh、ビートの勢いで押し切る事なく、聞き手を酔わせるメロディ作りに
手抜きはありません。雰囲気は違ってもPoohらしさはきっちり伝わってきます。
全体的にノリの良い曲が多く、それは恒例の<ラスト曲はパルシファル系で締める>パター
ンの曲、「VIVA」ですら、現代的なインスト曲になっていました。
「ロマンの誕生」あたりから世界進出のもくろみはあったんでしょうが、このアルバムで
「いけるかも!」と思ったに違いありません。(笑)
「歓びのプレリュード」は時代が生んだ異色のPoohとして、マイベスト盤には必須です。

このアルバム以降のPoohは、はじけんばかりのPOPな曲をたくさん作るようになっていくわけ
ですが、根底にあるメロディはやっぱりPoohなんですね。(当たり前)


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HURRICANE ハリケーン(1980)
満を持してか、思いつきか、定かではありませんが80年代を目前に控え、とうとう出してし
まった世界進出の英語盤。実際のところ、反応はどうだったのでしょうか?
私はこの作品を世界戦略盤とは思いたくありません、「英語新録による70年代後期のベスト
盤」という風に思うようにしています。

1曲目の強引なディスコチューンへのモデルチェンジ、終りそうでなかなか終らないイライ
ラするエンディング、アルバム通して入っているチープなシンセ、そして英語のはずなのに
あまり良く分からない英語。。。
Poohのアルバムには<古さ>というものをあまり感じないのに、この「ハリケーン」だけは
それを物凄く感じてしまいます。
選曲されたものが私の好みと違った、というのもあってあまり好きなアルバムではありませ
ん。
逆にこれが、「ミラノの映像」あたりからの選曲だったらきっと気に入っていたんでしょう
けど。(リスナーはとても勝手です。)

ドイツ語で歌う「ロックバルーンは99」(by NENA)のように、英語以外でも受けるものは
受ける・・・Poohはきっと欧米の一般的嗜好には合わないのでしょう。
それをすぐに悟って(かどうか分かりませんが)2度と英語盤などつくらず、ヨーロッパで
の更なる成功を手にしていったPoohはやっぱり凄いバンドだと思います。


なお、当時の海外向けLPには「ラブ・アタック」という曲が収録されています。
8分以上の曲ですが、いかにも当時流行していたディスコ曲で、音は初期のYMO!みたい
です。
後にイタリア本国で発売された時にはカットされており、CD化の際もカット、数多いベス
ト盤にも未収録!という無視振り。
作曲がプロデューサーのテディ氏である事と、あまりにもプーらしくない曲なので当然とい
えば当然、きっとロビーも「無かった事にしたい一品」なんでしょう^^。

当時の日本盤ジャケットはこちら




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