粘性貧語
最終回 「今、考えていること」
今回は、少し、真面目な話。
今からもう1年4ヶ月前、僕は、社員寮を脱け出し、
あてのない夢を
追いかけました。
死亡説も出たようですし、僕自身も、もちろん死のうとは
思っていませんでしたが、自分のしでかしたことの情けなさ、
迷惑をかけた人たちに対して、そして自分の弱さに嫌気がさして、
毎日、心の中に、真っ黒な何かを抱えながら、
最初の冬を
越えたようなところがありました。
自分から連絡を断ったので、矛盾はしてますが、
やはり孤独になると、人は脆い。
家族や友達の夢を毎日見ました。
サラリーマンを辞め、バイト暮らしだけのぎりぎりの生活をすることで、
最初は、生きている感覚というか、
現実感みたいなものを
取り戻せるのじゃないかという思いがあったんですが、
実際は全くの逆。
毎日に浮遊感があるというか、
それこそ、夢の中にいるような、
現実感のない時間。
そしてそれは、今もそうです。
現実感のない中で、今を生きている。
4月にNSCに入学して、お笑い芸人を目指し、
5月にはネタを作って、教室でコント。
バイトとネタ。
朝も夜もない毎日に、自分が生かされている。
いつしか、心に居つく闇は消えていました。
面白いことだけを考えて生きていかなければいけない、という
人生は、
あまりに現実感がなくて、
多分自分にとって、これほど幸せな人生はないでしょう。
逃げるように会社を辞めてしまった自分も、
今は本気でそう思える。
今、死んでしまっても、自分の人生に120点をつけられる。
本気でそう思える、それくらい充実している。
この結論に至るまで、本当にたくさんの人にご心配・ご迷惑を
かけてしまいました。
もちろん、両親には今なおそうです。
長男が
いつまでもフリーターなんて嫌やもん。
だけど、後悔はないです。
迷いもない。
本気で頑張れるものに出会ってしまった。
一度きりの人生に我儘になれる理由としては、十分じゃないでしょうか。
価値観は人それぞれで、
趣味に、恋愛に、仕事に、それぞれエネルギーを
注ぐのも、
各個人の選択だと思います。
僕は夢を選びました。
もちろん、それだけでいつまでも満たされるわけではないですが、
毎日、本当に楽しいです。
現実感がないのは、現実から逃げているからかもしれません。
でも、振り払えるかもしれない。
この身勝手な可能性に、もう少し甘えさせてください。
とにかく、全力で頑張ります。
ただ、N村の言うとおり、漫画家とか小説家とか、
他の夢を選択しなくてよかった、ということだけ
は、すでにわかっていますが。
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