シート雑感


シート...、とりあえず車を運転するときには必ず座るもので、乗ってから降りるまでずっと必ず身体に接している(シートに接しないように車に入ろうとするとトランクの中くらいしかない(笑)?)唯一のものではないでしょうか。それほど重要なパーツでありながらシートにこだわる人は意外に少ないような気がします(主観)。

私自身も今の愛車シビック・フェリオの前に所有していたフォルクスワーゲン・ゴルフ(1988年式、つまりゴルフ2)を中古で購入してヨーロッパ車に触れたことで初めてシートがいかに重要なものかを認識しました。そしてドイツ車のシートは出来がいいという噂を信じ(^^;、色々な車に乗る度にシートの座り心地に注意するようになりました。しかし悲しいかな、私のゴルフのシートはどうもそれほどではないぞと思っていたら、「もうこれはへたっていてだめだ」と指摘をされ(^^;、なるほどそれは仕方がないと納得をしたこともありました。

私はそれほど多くの種類の車に乗ったことはないのですが、メーカー純正のシートで一番「おっ、これはいい」と思ったシートは現行BMW 318iのシートでした。調整範囲も広くとてもしっくりきました。国産車では現行レガシイGT、現行ファミリア(但しどちらも超短時間)のシートに座った感じがよかったように思います。

皆さんも「シートと言えばレカロだよ」という言葉をよく見たり聞いたりすると思います。実際レカロシートが装着された車に乗ってみると、先入観の賜か(^^;純正シートとは雲泥の差があるように思います。私もいつの間にか「いつかはレカロ」と思うようになってしまいました(^^;。

さて私がシビック・フェリオに乗るようになったのはジムカーナを始めるためではなく、単に子供が産まれて4ドアの(ゴルフは3ドアハッチバックでしたので)車の方が便利だろうというのと、ディーラーで試乗してVTECエンジンの気持ちよさに感動してしまったからなのですが、どういう訳か私の乗っているSi・IIというグレードには「電動パワーシート」なるものが装着されていました。ああ、ついに高々1600ccの大衆車にも電動シートか、と複雑な気分でした。で、このシートは、確かに電動の一つの利点として無段階に調整できるのはいいのですが、正直1時間以上乗っているとお尻が痛くなってきました。やっぱりいつかはレカロかな、と思いつつ先立つものがないので(^^;まあ我慢するしかないと諦めていました。

ジムカーナを始めるようになり、走行会で一流ドライバーの運転に触れたことによって、ジムカーナでは乗り心地だけでなく、横Gに対するサポートもとっても必要だという事を実感しました。ノーマルのシート(スポーツシートという説明書きはありますが)では、私の運転でさえコーナーリング中に身体が振られて運転しづらいのです。

そこでそれから雑誌の売り買いコーナーやパソコン通信の掲示板等をチェックするようになり、とりあえず4点式のシートベルトを\5,000でゲット!これで身体をシートに縛り付けることで、かなり横Gに対して身体がサポートされるようになりました。安全面も併せて4点式のシートベルトはとりあえずお薦めです。でも一般公道では装着しないで下さい。

そして、ついに、私の運命をかえる日がやってきたのです(んな大げさな(^^;)!いつものように月初めに出るモータースポーツ雑誌Speed Mindを律儀に発売日に買って何気なく読んでいました。さあ今月の売ります買いますコーナーに掘り出し物はあるかな?と思いながら読み進めると、「BRIDEフルバケットシート売ります \XXで」という文字が目に飛び込んできました。え?\XX?ほんまかいな?とその欄を熟読すると間違いない、そう書いてありました。なおかつその投稿者は比較的近く(色々な交通機関で1時間以内)に住んでいらっしゃるではありませんか!問い合わせは葉書でとありましたから、早速葉書を書きました。そう、「いつかはレカロ」の標語(^^;はどこかに吹き飛んでしまうくらいお安い値段なのでした。これならとりあえず買って失敗してもいいやと思いました。

しかし返事が来るのを待つ間ふと冷静になってみると、フルバケットシートって写真で見たり実物を見たりしても全くリクライニングが出来ないんですよね、一体こんなシートで実用に耐えられるのかなぁ...、車はこれ一台しかないし、遊びに行くにも買い物に行くにも帰省するにも永遠にこのシートを使わないといけないんだよね、ほんまに大丈夫かいな、と自問自答が始まりました(^^;。捕らぬ狸の...、というやつですな。

そして念願の投稿者からの連絡が!流石に雑誌の発売日が土曜日だったか日曜日だったかで、月曜の朝いちに葉書を出したので私が一番だったのかどうかは分かりませんが、とりあえず譲ってもらう方向で会うことになりました。

そして待ち合わせの当日になり、待ちに待った現物を目にしました。うーん、やっぱり思った通り、間違いなくフルバケットシートでした(笑)。確かにそう書いてありましたから(^^;。

「本当にこのお値段で譲っていただけるのですか?」
「ええ、儲けるつもりはありませんし」
「もう使わないんですか?」
「ええ、私もサーキット走るために買ったんですけど、サーキット行く迄の時間がこのシートでは耐えられなかったんですよ」
え?何と更に私の不安を増大させていただける発言でしょう(^^;。このシートを日常でも使えるかどうか悩んでいる私は一体...。でもこんなチャンスは二度とないだろうと思い、無事商談成立。

シートレールを入手するまでの間、とりあえず部屋の中で座ってみました。うん、なかなか座り心地は良さそう。でもフルバケットシートという位なので、一度姿勢を決めたら(その姿勢すらも殆ど規制されるのですが)二度と動けません。当たり前ですね、動かないように作られているんですから(^^;。

程なくシートレールを入手しディーラーで取り付けてもらい、ついに愛車に装着!そして期待しながらドアを開け、シートに座ろうと、ん、えらい座りにくいぞ。そう、太股の辺りのサイドサポートが高くなっているため、ズリズリっとは座れないのです。一旦身体全体を足で踏ん張りながら車内に入れてからでないと座れないのです。まあ、いいか、と思い、きちんと座りハンドルやシート位置(当然前後のみです。フルバケットシートですから(笑))を調整してふとバックミラーを見ました。何となく後ろの景色が違って見えました。あれっ、と思い後ろを振り返ってみました。振り向いて自分の目で見える景色も違っていました。そう、BRIDEのフルバケットシート用シートレールは謳い文句にもあるように、正に「超ローポジション」なのでした。従って着座位置が極端に下がり、後ろの窓から後ろの景色を見上げるような格好になってしまったのでした。

ただでさえ後ろが見にくかったのに、これではまともに運転できるかどうか怪しい状態になってしまいました。これはいかん!と思い、シートレールを見ると何とかもう少しだけ取り付け位置を上げられそうでした。早速やってみました。しかし焼け石に水状態でした。うーん、仕方がない、普通に運転するときは座布団を敷くか、ということで今日に至っています。

さて実際に走ってみてどうかというと、まず先にも書きましたが乗り降りがしづらいです。しかし一度座ってしまうと思ったより窮屈でもなく、逆にしっかり支えられているため身体に余計な力を入れなくていいので思ったより楽なような気がします。しかし反面殆ど身体を動かせないため、長時間乗っていると流石に身体に違和感を感じてきます。しかし純正のシートも結局1時間くらいで疲れてきたのでこの点はデメリットではないといえるかもしれません。まあこの辺は身体に合うか合わないかもあると思います。レカロでも多分合わない人はいるでしょう。リクライニングが全く出来ないのも今のところ困ったことはありません。車で寝たりもしませんし、どうしても寝たければ後席か助手席で寝れば済むと思っています。

ではジムカーナではどうかというと、これはもう言うまでもありません。もともとその様な目的で作られたシートなのですから、ノーマルシートは何だったんだろうという位全く異次元のホールド感です。自分の運転がうまくなったかのような錯覚さえ起こします。とにかく体感ロールが極端に減りますから、結果的にコーナーリングスピードが上がっても恐怖心が減り、スピンやコースアウトする確率も増えるでしょうけれど(^^;、タイムは上がると思います。実際シートによるタイム差というのを測るのは面倒くさいのでやりませんが、とにかくそれほど違うことは確かです。またジムカーナでは「超ローポジション」も効果を発揮します。それは、ジムカーナでは必ずヘルメットをかぶるのですが、純正シートは着座位置が高く、シートの高さを一杯に下げてもヘルメットをかぶると私の身長では天井に頭がつかえて運転に支障が出るくらいだったのですが、「超ローポジション」のお陰でヘルメットをかぶっても天井と頭とは隙間が出来ました(一体どれくらい下がったのだろう(^^;?)。ジムカーナ時は後方視界はまあ殆ど全く必要ありませんから、座布団も必要ありません。いやぁ、やっぱり適材適所で、ちゃんと使えばちゃんと効果を発揮してくれるものです。

ということでフルバケットシートといえども、車の中で寝なければ十分日常でも使えますし(しかし2ドア車は助手席からしか後席に乗れなくなってしまいますが)、ジムカーナでは言うまでもなく是非手に入れるべきアイテムだと思います。聞くところによると、レカロにもBRIDEにも、また他のメーカーにもありますが、リクライニングタイプのスポーツシートとフルバケットシートとのホールド性の違いは段違いと言うことだそうです。確かに日常ユースを考えた場合、リクライニングシートの方が快適で長時間ドライブの疲れも少ないかも知れません。でもフルバケットシートのホールド感も捨てがたいですよ。

まあここに書き連ねたのはあくまでも私の主観ですから、皆さんは実際に店頭で座ってみるなり、お知り合いの車に装着されているのに乗せてもらったりして心ゆくまで検討されてからご購入下さいね。フルバケットシートで10分も運転できないと言う人もいるでしょうから。


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Created by A.Kukutsu (Last updated in Feb. 24, 1998)

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