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Plane sky

 

 

 

 

 

 

「・・・そろそろはじまるで?」

「え?」

 

 

 

 バイクを降りた平次が、顎を杓ってコンクリに凭れた。

その目前は、海。

拓けた景色には、深く沈むような藍が新一を迎える。

「・・・・なに?」

「めっちゃ楽しいモンや」

 厚い口唇に意味深な笑いを浮かべて、新一をみる。

 其の侭、平次は手にしたミネラルウォーターのペットの栓を開

けて徐に呷ると、褐色の手の甲で唇を拭いニッと口角を上げた。

 

「おまえの考えてることって、やっぱ分かんねぇ」

「そうか?」

 

 枝垂れた桜が佇む陰翳のなか、平次が笑う。

 朝焼けの眩しさに片目を瞑ると、途端地平線の彼方がぼやけて

新一の視界をゆるゆらと揺らした。

 

 

「――――海の向こう、鉄の鳥がいっぱいみえる」

「なに?」

「飛行機。何処かのコソ泥が、昔、そんな言葉使ってた」

「さよか」

 

「語彙能力だけは、彼奴の趣味の好さ気に入ってるけどな。オレ」

 

 

海のほうをみて嘯いた平次に、新一はちいさな笑みを零した。

声にふい、と新一を振り返り。

また平次は、海を眺めてコンクリの堤防へと腕を置いた。

 

 

「工藤のお気に入りになるんも、一苦労や」

 

 

 

 

 

高層ビル群を抜けると、突然都心なのに海辺の公園が現れた。

其の身の軽やかさを証明するように、平次に続き新一がバイク

のシートから飛び降りると、靴先が煉瓦造りの地面へとあたる。

 乾いた、吃音が耳に響く。

 洗練されたデザインなのに、何故かこのちいさな公園は大地の

馨がして新一は意識外に口端を歪ませた。否、悪戯な笑み、とい

うほうが表現が正しいのかも知れない。

 

此奴がこういう行動を起こすときは、必ず裏がある。

 

培ってきた経験が、そう確信を促す。

 弱いけれど、鼻先を擽る潮の匂いに胸の奥がざわついた。

「・・・・工藤も気に入る、おもうけどな」

 嘯く平次の横貌に視線を遣り、醒めた表情のまま倣いコンクリ

にシャツに包まれた両腕を肘から掛けて、目の前の湾へと瞳を遷

す。 

手の届きそうな、距離。

公園の向こうにある人工島には、空港がみえた。

 

 

「おまえのそういう言葉は、アテにならねぇからな」

 

 

其れは現在迄に幾度も繰り返された、駆け引き。

何時も約束もなしに工藤邸を訪れ、書斎に引き篭もっていた新

一を引き掏りだす。思惑がない訳ではないのだろうが、平次が新

一へと接触するたびに強引さを増してゆくように感じられるスタ

イルは、存外に新一を困惑させるのに充分だ。

 それなのに、傍にいるだけで。

酷く、心の底から嬉しそうな貌もする。

 

 強引さと、併せ持つ待ちを厭うことのない優しさが共存する。

だから、素直な心をみせられないというのに。

辛辣な台詞を吐く綺麗な唇を認めると、けれど彼は相好を崩し。

 

「そんなん。コトバがアテにならへんねやったら、」

「・・・ならないなら?」

 漸く、訝しげに平次を見上げた新一の克ち合った瞳のいろに、

にやりと双眸を眇めて。

 

 

 

「――――工藤、オレんこと丸々信じてくれたらええやん」

 

 

 

 耳許で、囁く。

 印象の濃い唇は、けれど何か継ごうとした新一から視線を外し

て空へと向かい長い腕を延ばす。まるで子供みたいだ。

「・・・・そら、青くて絶好の連休日和やな」 

未だ太陽は眺めている地平線の彼方から、蹴上がったばかりだ。

鈍い煌きから、次第に神々しい迄の光りの滴が環を滑る。

 

「―――けど、届かへんもんやな。直ぐ其処にある気ィするねん

のに」

「・・・・届く? 何処へ」

 ふと平次の言葉が心の何処かに引っ掛かる。

 何とはなしに、訊いて遣ると。

 

 

「あの金色に燃えとるフレアの外っ側とか。せやな。そのまま太

陽より一部分をそっくり切り取って、見てみたいとかおもわへん? 

工藤」

 

 

懸命に、其処にある何物かを掴もうとしているのかも知れない。

平次が無邪気に笑う。

だが、視線は決して逸らさない。

青い青い、空から。

 

 蒼さが沁みる、なんて後ろ暗い人間の逃げ台詞だ。

逃げるという言葉に特別深い思い入れもないけれど、探偵とし

ての部分が何故かそういった行動を厭うようで、自分自身はあま

り物事に逃げを打った記憶がない。

 起こり得る事由を巧く遣り過ごす、方法。

 器用さ、という点に於いては平次のほうが恐らく上手だろう。

 

 

 だが彼奴は、見上げた空の一部分が欲しいと云う。

 補完しなければ完成のない、物質。

「へぇ」

 そんなものは、論理的に存在しない。

 吹いた海風にシャツの裾を引っ張られて、波が新一の纏った薄

い麻地に浮かぶ。

 少しだけ、空を見上げる平次の本質を暴きたい衝動に駆られた。

 

「――――何だよ、掴みたいモノでもあるのか?」

 見上げた瞳で、揶揄すると。

「・・・・・うん。いろいろあるな」

暫くして、至極真面目な声音の答えが新一の鼓膜を震わせた。

予想外の答え、だった。

 

 いろいろある、と平次は口にする。

 

 

 

 ・・・・それじゃあ、たくさんって?

 

 

 

「何だよ。おまえが欲しいモノって、オレ聞いたことないぜ?」

「そんなん。オレも工藤の欲しいモン聞いたことないから、」

 性質なのだろう、自分の知らないことを新一は聞きたがる。

 幾分不貞腐れたような新一の台詞に、掲げていた褐色の腕を下

ろし、平次は傍らに佇む新一の相貌を頚を傾げるような風で見上

げて。

「・・・・おあいこ、おもわへん?」

項へと掛かる後れ毛をさらと手櫛して、囁き掛ける。

斜に見詰めてくる双眸は、窺うようないろで新一を捉えた。

 

「・・・・工藤、隠してること多いしな」

 

自嘲の笑みを伴い、深い精悍な貌立ちに真摯な翳が認められる。

 答えをどうにか引き出そう、とするときの平次のクセだ。

 其れは、新一限定の子どものような表情だけれど。

「・・・それ、口にしたらおまえがくれるのかよ?」

「工藤のリクエスト内容にもよるな。勿論できることはしてやり

たい、おもうけど」

 その答えは、疑う迄もなく平次の本心だと解る。

彼は、新一以上に聡い。

自分が決して全能ではないことを、痛い程に知覚している。

 

 

 

「神様みたいなことは期待してねぇよ」

「・・・それも、ちょお傷付くんやけど」

 

「程々がいいんだ。おまえは」

 

 

 

自分の言葉に、クと咽喉の奥で嗤う。

凭れることを諾としない新一は、何時も平次から延ばされる腕

を払おうと気持ちを預けることをしない。

だから、平次は足りない部分を補うように努力を重ねる。

 新一には、気付かれないように。

 

「程々、て?」

 

「オレの我儘に犬みたいな従順さで付き合うヤツも珍しいからな」

「工藤のは、我儘っちゅうより気紛れなんや。それが嫌やったら

とっくにしばいとるわ」

「・・・・ふぅん。欲望、とかそういうのとは違うって訳か」

 ひゅると、また緩い風が吹いた。

其れが早朝の肌寒さをおもい起こさせ、新一が言葉の終わりに

先刻きたばかりのアスファルトを振り返る。

 

 道々には、桜色の絨毯が敷かれていた。

季節外れにもおもえるけれど、八重や枝垂れの種類は遅咲きだ。

 

「何や。工藤、そないなこと気にしとったんか?」

「・・・・オレ、あんまり何かを手に入れたいっておもったことねぇ

からさ」

 濃い目のいろを湛えた枝垂れ桜が、擦れたおとをたてる。

「自分のことに頓着ないからそうおもうんや。工藤は」

 散り始めた華片は、海のうえへも舞い降りてゆく。

苦笑交じりに、平次が言葉尻を拾う。

 

 

 新一が、空を見上げてくちびるを開いた。

 柔らかな其れから、洩れた日本語の切なさと綺麗さに。

 

胸が、高鳴った。

 

 

 

「・・・・・さくら」

「桜? ・・・工藤?」

 

 

 

眺めていた影身が、茫と口唇へとその存在の名前を載せる。

ひらひらと舞う華弁に、誘われた。

そういったほうが、状況とか感情に沿う気持ちがする。

「そう云えば、樹木に触れられるくらい側でみたの今年、は

じめてだ」

「あぁ。せやな。工藤、ついこの間まで体調崩して臥せってたか

らな。・・・偶には、こういう花の見方も情緒あるやろ?」

ただ、只管に空の青さが心地好い。

早朝の大気に紛れた所為もあるのだろうが、休みという世間の

カレンダーに合わせて昼夜なく半地階にある書斎に篭城していた

身には、まるで此処は別世界にさえ感じられる。

 

 この、世界が。

 現実だと認めることができるのは、傍らに平次がいるからだ。

 そして伸びてきた髪を愛おしそうに梳き名残惜しそうに離れて

ゆく、熱のある指先。

瞳を臥せると、皮膚を零れる感覚が分かる。

 

 

「・・・・あ。でも、工藤このまえサクラみたいてゆうてた」

「―――――この春は、風邪が抜けなくてベッドから離れられな

かったからな。花見も、自分の家の庭先眺めるだけで終わったぜ

?」

皮肉げな苦笑を浮かべて、新一が平次の腕へと掌を重ねる。

軽いようにも取られる言葉は、けれど事実で逸らすことのでき

ない現実を語る。

 

「・・・・工藤の願い、やろ?」

「え?」

 

頂度さくらいろの花蕾が樹木につく頃、体調を崩した。

中々微熱と気管支の痛みが取れなくて、風邪だとばかりおもっ

ていたのに何故か違和感から成る苦痛に、おもうように身体を動

かせなかった。

 掛けられた平次の言葉に、くと息を飲んで。

心の内側で反芻をした新一は、刹那、目の前にいる男の貌を見

上げると、チョコレートに近いいろの双眸を優しく眇めた。

「・・・・これも、オレの願いっていえばそうなるかもな」

 結局、平次に叶えて貰ったことが口惜しいといえば口惜しいけ

れど。誰かに想いを掬い取って貰うというのも、あまりない経験

で、面映い気持ちがして新一が相好を崩す。

 

「・・・工藤、そういう笑い方できるんねんやな」

「何?」

 彼が笑うと、凄く子どもっぽい印象に変わる。

 平次が掴えられて抜け出すことの叶わない、飾りのない魂の部

分をこの綺麗な笑みに見つけてしまった日から。

 

 

 彼のことを。

 好きで好きで、好きで堪らないのに。

 

 

 

 

「言葉にはしないことも、いっぱいいっぱい工藤は考えとるやろ?」

「はっとり?」

 

 

 

 

 ふいに掛けられた台詞の意味が分からず、少しだけ背伸びをし

て自分より幾分背の高い平次を見上げた相貌が、克ち合った真剣

な瞳にびくりと肩を震わせて、瞬間怯む。

「くどう」

何度も耳にした、自分を呼ぶ声。

刹那細いカラダをキツく痛いくらいに抱き締められて、新一は

皮膚をとおして伝わってくる強さに瞳を見開いた。

「おい・・・っ、ちょ、ッ・・」

 華奢な骨格についた肉や皮膚は、痛みを訴える。

 抱かれることに、慣れていない訳ではない。

 けれど。

 

「・・・・服部。どうしたんだ?」

 

 鎖骨の窪みへとキスするように寄せられた、唇。

 新一の肩口へと留まったままの湿った漆黒の髪を引き寄せて、

爪先を梳きいれて遣ると、あやすように耳許で囁き掛けた。

 

 普段は、絶対にこんなことはしない。

 新一も平次も。

 

「・・・・・工藤、オレのまえだけでいいから。」

「何?」

 瞳を上げることのない平次の声に、絡めた指の先にある髪の毛

をさらと撫でた。

 背を掻き抱く、廻された両腕のチカラが収まることはない。

 軋む骨は限界を訴え掛けるが、感触は知ったものだ。

吐息を洩らして、新一は平次の背を空いた腕で抱き返した。

 

潮の匂いを孕んだ風に乗り、バイクのオイルの匂いと耳に聞こ

える微かなエンジン音が何処からかした。

「どうしたんだ、服部?」

 いつの間にか慣らされた彼の愛車からする、オイルの馨り。

 そして、煙草の残り香。

 

 拡い背中を抱いてもういちど言葉にして訊き返すと、肩口にあ

る平次の唇が言の葉を紡ぐ。

 

 

「工藤はそのままでええおもうから、・・・・だから、オレのまえく

らいでは安心して笑ってくれへん・・・?」

 

 

女優である母親から受け継いだ、繊細にさえみえる線の細さ。

 見る者を相容れるように感じられない、怜悧な相貌。 

だが外見より遥かに靭やかでいて、強い精神面は探偵としての

素養を形成するとともに、常に諸刃の剣を所持することを新一へ

と強要することとなる。彼の靭さは、平次の安堵を得ると同時に、

其れが崩れたときの恐怖を引き起こした。

 

彗眼過ぎるから、失う瞬間の感覚が体躯へと派生したのだ。

 

 

 

「・・・・服部。さっきの続きだけど。あとオレが欲しいモノ、知っ

てるか?」

「工藤?」

 

 

 

蝸牛におちてちいさなおとをたてた平次の言葉に、両掌を彼の

頬に添えて此方を向かせた。真摯な黒瞳が、ぶつかり合う。

空のいろが映えた双眸で笑うと、新一は気持ちを整えるように

呼吸を浅くそっとした。

「・・・物質的なもの。時間とか、知識とか、そうだな、推理力も勿

論そうだけど」

「工藤。もう持ってるモノ、ぎょうさんあるで?」

「―――――・・でも、オレが満足しないとダメなんだ」

・・・おまえもいっただろ?

我儘で気紛れだからな、オレは。と可笑しそうに苦笑を洩らす。

 

 

「あと、目に見えないモノもある」

「見えないもの?」

「・・ああ」

 

 

 頷いて、新一は覚悟をするように琥珀の眠る双眸を閉じる。

 感覚に阿るように、平次の貌へと添えていた指先をすると首筋

へと滑らせてゆく。肌理の細やかな造りが、褐色の皮膚との接点

でさりと文句をいったが構わない。

「くど、・・・」

 前髪を梳いて瞳を覗き込んだ平次が、何事か云おうと口唇を開

いた。

 

「服部」

 

 そのあとを継いだのは、開けた長い睫の間から平次を見遣る新

一の落ち着いた透明な声だった。

 胸の奥底に、オクターブの気持ち低い真摯な声音が墜ちたよう

におもえた。

 

 

 

「おまえの、気持ちだ」

 

 

 

「え・・・?」

 平次が、瞠目する。

「服部平次のココロが欲しい、と餓えてる。ハードとか、そう

いう部分は身体を繋げば自分のモノにした錯覚に陥るけど。メン

タルな部分は、それじゃダメだろ? 実際、恋愛とも違うんだと

おもう。――――・・永遠に手に入らない気になるんだ。おまえが」

海からの強い風に乱れる前髪を掻き揚げながら新一がそういう

と、薄いいろを刷いた彼の眦へと、平次が腕を延ばす。

 二人とも、言葉などなく。

 

 

「・・・・工藤」

 

 

 掠れたようにおもえる平次の囁きが、潮騒に掻き消された。

 ただ瞳を閉じて、新一は綺麗に笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 遠くに聞こえていたエンジン音が、急に間近に聞こえた。

 朝いちばんの便が、羽田を飛び立ってゆく。

 

 

 そうか。

 平次が新一へとみせたかったのは、この瞬間の飛行機と、其れ

に連なる飛行機雲のことだったらしい。

 空気に触れ、浮遊するものを何故か新一が好む性質。

 其れを知っていて、この日に華奢な手を取りこの場所へと連れ

てきた。

 

 

 

「――――工藤、普段見慣れない風景に惹かれることあるやろ?」

 

 

 

 造りの好い骨格を包む皮膚は、褐色をしていて触れると気持ち

が好い。冷えた感じのする自分自身の肌と、相性が好いのかな、

と内心考えて、込み上げた笑いを堪えた。

「・・・あぁ」

「せやから、今日のバースディプレゼント。こんなんで悪い、お

もうけど」

「・・・・・いや、充分だよ。服部」

 噛み締めるように、動く口唇。

もっと触れたい衝動に駆られて、翳めるようなキスをした。

 

 

 

 

 

「生まれてきてくれて、ありがと。工藤」

 

 

 

 

 

空を見上げると、弧を描いて飛行機雲が円に散った。

緩やかな飛散のなかで、眼下にある海が鈍く反射を繰り返す。

 

 

 

夜が明けてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

●   ●   ●

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・で、これもプレゼントなんだろ?」

「うん」

 

 

 

 次々に飛び立つ飛行機の機体を眺めながら、コンクリで造詣さ

れた堤防へと新一が腰を下ろしてストローを吹いた。

 ふわふわと、七色のシャボン玉が空へと昇る。

「おまえ、ちょっと夢みてねぇか? もう子供じゃねーんだし」

「――――せやかて、工藤が喜ぶモノ考えたら浮かんだんやもん」

 その様をみながら、煙草を咥えた平次が言い募る。

 陽はすっかり南中に近くなっていて、公園の周辺にもキツイ陽

射しが容赦なく照りつける。

まるで平次は雨の中鳴く仔犬のようで、新一は溜め息を吐くと、

仕方なさそうにシャボン液の詰められた透明な硝子の小瓶を、綺

麗な指先でピン、と撥ねた。

 

飛沫が、コルクにあたって波をつくる。 

 

「・・・・・わかったよ。オレが死ぬときまで持っててやるから」

「え、ほんま。工藤ッ! 約束やで、約束♪」

 

 深いいろを湛えた海を隔てたコンクリ沿いに、互いに腕を伸ばし

て右手の小指を触れ合わせた。

 何ということはない、誓いの儀式なのに。

 

 

 

「約束だ。服部」

 

 

 

 絡めた指先をそっと手繰り寄せて、ちいさく平次が口付けをする。

 

 

 

 飛行機の下、唇に機体の翳が触れて檻のような錯覚をつくった。

出逢ったとき。

  罠を仕掛けたのは、此方の筈だったのに。

 

もう逃げられそうにないな、と心の中で新一は苦笑を零す。

 

 

 ■ Endless track