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 前回、チューブとトランジスタのメリットとデメリットを比較して見ましたが、今回は皆さんが最も興味があると思われる「歪み方の違い」について説明していきます。

 まず、「歪み」とは、音を増幅する過程で原音の音質(具体的に言うと“波形”)が崩れてしまう事で、トランジスタでも真空管でも、入力される音量が許容量の限界に近づくと、正常な増幅動作が困難になって“歪んで しまう” のです。

 トランジスタの場合、増幅性能が高いが故に限界値のギリギリまで正常な増幅を行い、ある一定レベルを越えた瞬間に急激に歪み始めてしまいます。
 歪んだ結果得られる音質(=波形)も、幾何学的で機械的な印象のサウンドになります。ただ、スラッシュ・メタル等のジャンルに位置するミュージシャンは(代表的なのは「ダイムバック・ダレル」など)トランジスタの冷たくザクザクとしたサウンドを好む人も多いようです。

 一方、真空管は、元々動作が不安定なために「ここを超えたら歪む」と言うラインが曖昧で、少し大きなレベルが入力されただけでもわずかな歪が発生し、その歪みはレベルと共に少しずつ増えていきます。
 このため、ピッキングの強弱が音量だけではなく歪みや音質にも反映され、チューブ・アンプならではのレスポンスが生まれるワケです。

 但し、ランドールに代表されるように、トランジスタでも真空管的な歪みとレスポンスを実現したアンプもあり、最近では「モデリング」と言う最新技術によってチューブ・アンプサウンドを再現しているアンプもあります。

 この「モデリング・アンプ」は、詳細が公開されていない事が多いですが、大きく分けて2通りのアプローチがあるようです。

 1つは、アンプ部、電源部といったチューブ・アンプの各回路、真空管やトランスといった各パーツの動作特性分析して、モデリングでアンプそのものシュミレートしてチューブ・アンプのサウンドを得ようというもので、YAMAHAの “DG” シリーズなどがその代表です。

 もう1つは、プリ&マスター・ヴォリューム及びトーン・コントロール、スピーカー・キャビネットなどによる具体的なサウンドの変化を分析しつつ、主にサウンド特性をモデリングによって再現しようというアプローチで、Line6の“POD” などが代表的なモデルと言えます。

 モデリングは、あくまでシュミレートではあるものの、デジタル技術によってトランジスタをも遥かに凌ぐ性能と音質を実現し、サウンド・ヴァリエーションが豊富で、更には数多くのエフェクターを搭載した機種も多くあります。
 そして何と言っても低価格と言うメリットもあるので、どんなアンプを買おうか迷ってる人は要チェックですね♪

 しかし、これだけのメリットを持った「モデリング・アンプ」も、何をしたかと言えば結局はチューブ・アンプをメインに “シュミレート” した物であり、技術の最先端を行くデジタルも「チューブ・アンプは素晴らしい」と言い切っていると言えます。

 皆さんもライブなどでは是非 “ホンモノ” のアンプ・サウンドでプレイしてみて下さい!
更新日:2004/06/01
第4回 「チューブ・アンプとトランジスタ・アンプ Part II 」
Sound Construction
直線上に配置
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