子どもたちにゆたかな教育を

 昨年12月、政府・文科省は教育基本法を改悪し、「国民のための教育」から「国家のための教育」に大転換しました。さらに今年6月には、改悪教育基本法を具体化する教育関三法を強行に変えました。
 特に、子どもたちや学校教育に大きく関わる学校教育法を改悪し、「国を愛する態度」を求め家庭教育にも言及するなど、国家の価値観を一方的に押しつけ、子どもたちや保護者の内面にまで入り込もうとしています。明らかに憲法で保障する思想信条の自由を侵害するもので、認めるわけにはいきません。
 また、新たに「幼児教育」や「大学教育」の規定を盛り込み、成果主義・成績主義を強調するなど、子どもたちをこれまで以上に競争に駆り立て、差別・選別の教育をすすめようとしています。
 これと呼応するように、安倍首相の教育再生会議は、学力低下を口実に、授業時数の10%増や全国学力テストの実施、学校選択制度の導入を提言しています。このような競争にもとづく教育は、子どもたちから、ともに学び合う楽しさや連帯する喜びを奪い、分断・孤立化させています。人間関係を紡げない子どもたちは、友だちに相談することもできずに様々な苦悩を抱えながら生活しています。ILO・ユネスコ子どもの人権委員会は、日本の教育に対し、「過度な競争を懸念する」という勧告を出し、教育の在り方に修正を求めています。
 それにも関わらず、今年4月、文部科学省は国民の反対を無視し、30数年ぶりに全国学力調査を実施しました。学力テストの実施は地域間・学校間競争を激化させ、成績を向上させるために、「テストやプリント付けの授業」「学習定着度の低い子や障害を持つ子の排除」「教師による誤答の指摘」など、現在も様々な弊害を生んでいます。近々結果が公表されますが、選別・序列化につながる公表は行わないよう教育行政に働きかけていくことが重要です。
 また、憲法改悪につながる国民投票法も成立し、3年後には現在の中学2年生も憲法問題に対して投票権をもつようになります。憲法は、「二度と戦争を起こすまい」として、子国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を高らかに謳ったものです。憲法は個人の尊厳を尊重し、これを保障するために、国家の暴走に歯止めをかけるものであり、権力を抑止するためのものです。「人格の完成」や「主権者」をめざして教育を受ける権利は国民の側にあります。教育は決して、国家のものではないことを改めて認識することが大切です。前安倍首相がすすめようとした「国家のための教育」を何としても押し止めなければなりません。
 私たちは改めて、改悪教育基本法やこれに関連する法律の問題性を明らかにするとともに、政府・文科省がすすめる「教育改革」に対峙していくことが大切です。加えて、憲法・「47教育基本法」「子どもの権利条約」の理念に根ざした教育を今こそいくことが重要であり、子ども・保護者・地域住民とともにゆたかな教育の実現をめざし、連帯してとりくみましょう。

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