2.)強電解水の働き

2−@    強電解水とは

 電解水とは電気分解の略で、水の隔膜を有する電解槽を用いて電気分解すると、陽極側と陰極側に性質の異なる2つの水が生成される。この電解時に塩化物を加えてさらに分解度を高めたのが強電解水である。食品・医療用では電解質に塩化ナトリウム(食塩)を用いるが、農業では塩化カリウムを用いている。陽極側に生成されている水を「強電解酸性水」あるいは「強酸性水」と言うが、電解されて微量の電気を帯びた水なので、「強酸化水」と呼ぶ。陰極側に生成されている水を「強電解アルカリ水」あるいは「強アルカリ水」と言うが、電気を呼びた水なので「強還元水」と呼ぶことにした。(図3)よく強電解水を総称して「強酸性水」と言う人がいるが、この電解水は2つの違った作用をもつ水の総称であるので、一方の名称で呼ぶのは不適当である。強酸化水は電子の不足した水で強い殺菌効果があり、うどんこ病、さび病などの病害を防除できる。強還元水は電子の豊富な水で、強酸化水散布の中和だけでなく成長促進作用がある。(図 4)
      
         (図  3)「強電解水の働き」




(図 4 )「電気分解による電子の欠乏と過剰」

                                                             (強電解水農法 44ページ参照)
 (強酸化水は電子が非常に欠乏した状態にある水、強還元水は電子が非常に豊富な状態にある水である。このように極端に電子が不足あるいは過剰な水  は自然界では通常ありえず、強電解処理という特殊な刺激によって人工的にしか生成されない。(略)両極に電圧をかけるとプラス電極は水から電子を奪い  マイナス電極では水に電子を与える作用がある。おのおの作用する電子の量はプラス電極とマイナス電極で同じである。一定時間、この状態を続けること  によってプラス電極に電子の欠乏した水、マイナス電極に電子が豊富な水が生じる。)(図 4参照)




 

2− A 強酸化水と強還元水を交互散布する。

水道水を電気分解すると陽極側でpH4.5程度の水になるが、強電解処理するとpH2.52.7、酸化還元電位1.11.3Vの強酸化水になる。小川氏によれば、強酸化水は電子が極端に不足した状態にある水で、病原菌に触れると病原菌から電子を奪い、瞬時に死滅させる力をもつ。水道水の陰極側で電気分解するとpH9.5程度の水になるが、強電解処理するとpH11.011.5、酸化還元電位−0.6〜−0.7Vの強還元水となる。小川氏によれば強還元水は電子が非常に過剰な状態にある水で、農薬の使用場面では強酸化水の効果を補う(酸焼けなどの害を防ぐ)役割を果たし、まだ十分には解明されていないが、作物の育成を促進する効果も実証されている。強酸化水と強還元水という性質の適う2つの水を交互に散布することによって化学農薬を使わず(あるいは少なくしても)に病害防除の効果をあげ、健全な生育をはかる、これが強電解水利用の目標である。農業においては交互散布が原則である。強酸化水でいためた葉を、強還元水で補完し、より健全な生育になるのである。このような交互散布の方法は、1992年頃から強電解水を農法に取り入れた先進他の農家で経験から実践されてきた方法である。現在まで過去10年間、強電解水の交互散布によって障害は発生していないし、強還元水の散布によって薬害が発生した例は皆無である。現在、農業においてもっとも注目されている「環境保全型農業」にもっとも近い農業技術であると確信している。   (図 5)

    (図 5)「交互散布(強酸化水と強還元水を組み合わせる)」




   (図 6)「電子活動度peの考え方・算出法」




(電子の濃度を表すpeとは、相手から電子を奪う力、相手に電子を与える力の指標となるのが「酸化還元電位」で、単位はmv(v)で示される。 しかし、酸化還元電位では強酸化水が水道水に比べて電子を奪う力どのくらい大きいのか分からない。そこで酸化還元電位(orp=Eh)から、水に含まれる電子の濃度を導いて「電子活動度」(pe)という新しい評価法(尺度)を提唱されているのが、小川敏雄博士である。)(図6参照)

    (図 7)「強電解水生成の概念図」


(水道水は約pe5、pH7.0であることから、おおよそ図中の中央に位置している。これが強電解処理を行うと、プラス電極の水で中央から左上へと変化していき、マイナス電極の水は中央から右下へと変化していく。最終的には強酸化水でpe22〜23、pH2.5〜2.7、強還元水でpeマイナス11.4、pH11.5となる。強酸化水と言うのは、図上で酸性で、酸化されていることからであり、強還元水と言うのは、同じくアルカリ性で、還元されているからである。) (図 7参照)

  
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