
4)強電解水交互散布の注意事項
強電解水を散布しても、方法を間違えれば効果がないばかりでなく、強い障害が作物に発生する場合もあるので、使用にあたっては十分に注意しなければならない。
大きな過ちをおかす@〜Dの注意事項を表2にまとめた。これらの事項は最低守っていただきたい。
表2 強電解水交互散布の注意事項
|
@ 強酸化水は、pH2.5〜2.7で散布。 A 強酸化水は、雨天、曇天、夕方、夜間は散布し ない。 B 強電解水散布後は散布機の洗浄。 C 還元水には酸性農薬等は絶対に混入しない。 D 病害虫予防、および発生時は、強酸化水にはキ トサン、アルム純を、強還元水にはローザルを通 常の1/2に希釈して散布 |
◎ 強電解水交互散布の注意事項
4−@ 強酸化水は、pH2.5〜2.7で散布
強酸化水の散布は、生育初期の病害予防が基本であるが、野菜を定植してすぐに強酸化水を散布すると、pH3.0でも酸焼けを発生した例もあるので、根が活着して生育を始めてからpH2.7〜pH3.0間で散布し、植物を酸にならすことが大切である。強電解水の散布は、植物の生育促進効果のある強還元水を最初の2〜3回は連続して散布し、その後、交互散布に切り替えていく方法がよい。新しい作物に散布するときは、作物によって強酸化水に障害の出やすい作物と、障害が出にくい作物があるので、試験的に散布して結果を見てから障害がなければ全体のほ場に散布することが大切である。 殺菌効果があると言って、強酸化水を連続散布すると障害が発生する。2000年高知農業高校での実験では、強電解水の交互散布区と強酸化水連続散布区と強還元水連続散布区と対照区をもうけて、スイカ、トマト、ハクサイ、エダマメで散布試験をおこなった。すべての野菜で強酸化水連続散布で酸焼けが発生した。強酸化水連続散布でスイカやトマトでは生育の後期に樹勢が弱まり、つる枯れ病やウドンコ病を発病した。同じくトマトやハクサイでも樹勢が弱まり、収穫後の糖度も対照区より強酸化水連続散布区は糖度が低かった。エダマメも強酸化水連続散布区は、生育が抑制されて、他の区より草丈が低く、収量も少なかった。このことからも強酸化水の連続散布は、電解水の効果を十分に発揮できないので止めるべきで、交互散布をお勧めする。(図 22参照) 強電解水生成装置は、メーカーによって強電解水に大きな違いがあるので、塩素濃度やpHを測定することが大切である。強酸化水はpH2.5以下になると強い酸焼けが発生したり、根にまで障害を起こすこともある。安価なpH試験紙にはトーヨーろ紙のTB(チモール・ブルー)(pH1.4〜3.0)とAZY(アリザリン・エロー)(pH10.0より12.0)で測定できる。安価なpH計としては、新電元の一点校正のできるpHBOY−PI(16.000円)が便利である。ORP(酸化還元電位)を測定することも大切である、オムロンのモデル10 ハイクイックチェック(14.000円)を安価なので使用している。塩素濃度の測定は、定期的にメーカーに測定してもらい、塩類による酸焼けを防止することも大切である。
(図 22)「強酸化水の連続散布の害」

4−A 強酸化水は、雨天、曇天、夕方、夜間は散布しない
強酸化水は、晴天の日に散布して速やかに蒸散するほうが酸焼けの被害が少ない。雨天、曇天、夕方、夜間に散布すると強酸化水が葉に付着したままで、一部は葉で吸収され酸焼けを起こし、一部は葉から根まで流転して根に障害を与え、根が枯死したため、キュウリの夜間散布の例では、樹勢の回復に2ヶ月かかった例もある(強電解水農法・90頁参照)。夜間同じく強還元水を散布したキュウリのハウスでは大きな変化はなかったようである。(図 19参照)
(図 19)「強酸化水の夜間散布」(再表示)

4−B 強電解水散布後は散布機の洗浄
強酸化水は、強い酸化力があるので散布後、散布機内に強酸化水をそのままにしておくと、金属が強く酸化され、使用できなくなる。鉄はもとよりステンレスでも酸化し、さびを出し腐食されるので、ホースや散布機内を水道水や井戸水を通すか、強還元水で中和することが大切である。
4−C 強還元水には酸性農薬などは絶対に混入しない
ある農場で、DDVPとダイセン(いずれも酸性)を散布後、ホースや散布機を洗浄せずに強還元水をメロンに散布したところ、葉が曲がり、果実も異常果になり、糖度も著しく低下した(強電解水農法・106項参照)BやCのように散布機を使用したままにせず、必ず洗浄することを習慣づけることが、障害防止のために必要である。(図 23参照)
(図 23) 「メロン栽培における強還元水への酸性農薬混入の被害」

4−D病害虫予防、および発生時は、強酸化水にキトサン、強還元水にはローザルを通常の1/2希釈して散布
病害虫予防および発生時には、通常、化学農薬を散布するが、化学農薬は土壌、河川を汚染して環境破壊にもなる。「強電解水農法」では、化学農薬の使用についても書いたが、強電解水交互散布で健全な生育をして病害虫をよせつけない植物体になるので、ここでは生薬(漢方農法)について書くことにした。 化学農薬を漢方農薬にすれば、環境保全型農業になるため、農業も農薬害から守られるし、消費者の安全のために大切で、農作物の差別化ができ、高く売ることもできる。強電解水は電気分解によって、水のクラスター(水分子の固まり)が水道水などより小さくなっていると言われているので、病原菌や作物体への浸透力が増し、防除効果や生育促進効果が高まる。強電解水に農薬を通常倍率で添加した場合、効き過ぎによって農薬害が発生したことが農業関係などの新聞に記載されていたが、普通農薬散布の2倍〜3倍の効果があったためである。(強電解水農法・60項参照)そのため生薬でも通常の1/2から1/3の倍率で添加しないと薬害が発生する。図25の生薬はすべてpHを測定しているが、強酸化水には酸性の生薬しか混入できないし、強還元水にはアルカリ性の生薬しか混入できないためである。 強酸化水には、酸性のキトサンを添加すると病害虫防除効果だけでなく、含有塩素とキトサンが化学的に結合して、無毒化し、酸焼けの害を防ぐという利点もある。キトサンには、粉末と液状の2類があり、粉末は強酸化水に溶けにくいので、強酸化水によく溶けるオキアミから製造されたキトサンを通常の2倍の1000倍〜2000倍に希釈して使用している。強還元水には、ほとんどの農薬、液肥は酸性なので混入できないが、pH9、8の海藻より抽出されたローザルは混入できる。ローザルはニンニク、アネモネ、ニラ等と海藻のアスコフィラム、ノドサムを加えて発酵させた植物栄養剤で、強還元水に葉面散布で1000〜1500倍に希釈して使用する。他にはpH8.0のトーマス・オルガ液肥があり、他にはオキアルムがある。(図24参照)強電解水は水のクラスターが小さいと言われているため浸透性が高く、生薬も通常の2倍〜3倍に希釈しないと効きすぎる。化学農薬や液肥も同じく通常の2〜3倍に希釈しないと薬害が発生する例が多い。
(図 24)「強電解水への生薬の利用」

( 図 2 5 キトサン入り酸化水のpH・ORPの変化 )

(図 26 アルム純入り酸化水のpH.ORPの変化 )

(図 27 ローザル入りの還元水のpHORPの変化 )

強酸化水に添加できる生薬には、(アルム純)(pH4.1)も有ります。
(ローザルのpH9.8で使用倍率は1000倍で、トーマス・オルガ菌液肥(現在購入困難)のpH8.0で、同じく1000倍で強還元水にそれぞれ生薬として添加できるが、他の生薬はほとんど酸性なので、強還元水には添加(混入)出来ないので、添加前には必ずpHを測定してから使用すること。一石三鳥は、現在製造されていない。キトサン(木酢液入り)はpH、2.5で強酸化水に2000倍で添加する。キトサンは、種類が多いが強酸化水に溶けないもの有るので注意したい。アルム純のpHは4.1で、強酸化水の生薬として2000
倍で添加する。アルム純は、黄柏、苦参、大黄などの生薬を主成分とし、微生物で発酵させた生薬を加えて強化して、第12改正日本薬局方12種類の生薬から出来ている。
5 へ