7)稲作での利用

 7−@高知県での実践例

 高知県では、全国に先がけて1994年、春野町の農家が強電解水を稲作に交互散布し、ナツヒカリの「モンガレ病」を著しく防止できたのが最初であり、1995年は、三原村、南国市、高知園芸高校でそれぞれ交互散布し、病害虫もほとんど発生せず、健康な稲となり平均して1.5倍の収量があった。(図29)モミの消毒は、1997年、1998年に南国市の農家で実践され、強酸化水(pH2.5)に8時間浸漬し、強還元水(pH10.5)で生育促進、中和し、発根のすばらしい苗が育苗されていて、高知県下に広く普及しつつある。
 高知農業高校では、平成10年(1998年)より水田で強電解水の交互散布を4回ずつ計8回散布した。 平成11年(1999年)はモミ消毒を行い、水田では各3回の交互散布に回数を各1回減らしたが十分効果があり、平成12年(2000年)はモミ消毒は行わず、育苗時期に各3回ずつの交互散布を計6回行って、水田では各2回の交互散布で、前年より2回減らし計4回の交互散布を行った。
 ここで重要なことは、モミ消毒と育苗で十分強電解水を処理ないし、交互散布をしておけば水田での散布を省略しても効果が期待できることが分かった。(図30.31.32.33))

      (図  29 稲作における強電解水最初の実践例)


     (図 30 モミより強電解水の利用)



       (図 31 モミの農薬消毒と電解水消毒の違い)


 7−A稲作におけるモミ、育苗、水田での効果

モミ消毒での利点としては、

 A) 発根が著しい

 B)苗の重さ、草丈が農薬消毒よりすぐれていて、廃液処理がないので環境にやさしい。(図31参照)

育苗での利点としては、

 A)水田での散布が省略化できる。

 B)すばらしい苗が生産でき、品質、収景の向上が期待できる。

水田散布の利点としては、

 )モミ消毒、育苗で利用すれば水田での散布を省略しても効釆が期待できる。

 B)交互散布を2回で減少できる。


         (図 32 イネにおける強電解水の効果)

  7−B強電解水による米の品質、収量の変化

 香長平野の早場米の産地である高知農業高校の平成11年、12年のコシヒカリ、ヒノヒカリの品質、収量の変化は表7の通りであった。
 ヒノヒカリの収量はほとんど差がなく、480kgであったが、食味値は71ポイントが84ポイントと13ポイント向上し味がよくなっていた。 コシヒカリは収量が480kg(8俵)から600kg(10俵)と25%も増収となり、食味値は73ポイントが87ポイントと14ポイントも向上した。 低いほど粘りがあり美味しい「アミロース」が0.5%少なくなり食味が増し、低いほどふっくらとしたご飯になる「たんばく質」が0.8%少なくなり、これでも食味が増し、両者が食味値を向上させていた。 (水分は14.5%〜15%が平均であるが、コシヒカリもヒノヒカリも13%台と低く、15%近くあれば食味値が著しく向上し90ポイント台になっていたことだろう。  以上のように、強電解水は米の収量及び品質を著しく向上さすことができる。(表 6参照)

    (表6)「強電解水による米の品質、収量の変化」(コシヒカリ、ヒノヒカリ)

                    (コシヒカリ)      (ヒノヒカリ)

平均

11年

12年

11年

12年

アミロース

20.0%

19.4%

18.9%

19.5%

19.6%

たんぱく質

8.0%

7.2%

6.4%

7.1%

6.9%

水分

14.515

 14.2

13.5%

13.7%

12.9%

脂肪酸度

(mg/100)

15.0

17.5

14.0

18.7

10.0

食味値

(A)ポイント

65

73

87

71

84

収量/10a当たり

400kg

480kg

600kg

480kg

480kg

 
               (図 33 高知農業高校の強電解水散布のお米)
 

   7−Cモミ農薬消毒の現状

 平成12年度の稲の作付け面積は、全国では1,763,000haで高知県は13,900haである。モミ消毒は、イプコナゾール・銅水和剤(テクリードC)、トリフルミゾール・オキソリニック酸水和剤(トリフミンスターナ)、MEP乳剤(スミチオン)等があるが、もっとも使用量の多いのは、イプコナゾール・銅水和剤である。イプコナゾール・銅水和剤には銅が3%含まれていて、魚貝類への影響が大きいと言われている。 
 イプコナゾール・銅水和剤のみでもモミ消毒をすれば、全国で153.4tも使用され、その内銅が4.6tが自然界に排出されれば魚貝類の被害は大変なことになる。高知県でも、イプコナゾール・銅水和剤だけなら3.4t使用され、その内銅成分が102kgとなり、稲の育苗センターから全てが河川に排出されれば、河川が汚染される。強電解水をモミ消毒に利用すれば、河川の汚染防止だけではなく、発根が多い作りやすい苗になるので、育苗センターで利用すれば、各県産米も都会で好評を博するし、環境にやさしい農業が実現できると思われる。(図34)



     (図 34  農薬モミ消毒の現状 )



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