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食中毒という身近なテーマだけに切り口が難しいのではと思ったが、杞憂だった。長年公衆衛生行政に携わったキャリアだろう。なにげなく聞き流していたこと、当たり前と受け止めていたことを一本の筋にうまくまとめた。経口感染で冬季に多いノロウィルスによる食中毒。年間発生件数の20%以上、患者数の40%超を占めるが、ウイルスの分離・検出・培養が難しく、原因究明や感染経路の特定ができないという。治療用の抗ウイルス剤もない。「見えぬもの清し」ではなく「怖し」か。予防法は手洗い、食品の加熱、調理の衛生管理……。平凡だが、その重要性を忘れまい。(鶴田隆志) |
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