平成24年4月24日(火)
学長
鶴田隆志 先生「『舟』を読もう」


「耳障り」(形容動詞)と「耳触り」(名詞)は悩ましい。「耳障り」は本来、音や言葉などを「聞いていて、気にさわる。聞いていて、不愉快に感じたり、うるさく思ったりする」場合に用いられる。ところが最近、「手触り」「肌触り」「舌触り」「歯触り」などの連想から「耳触り」と表記して「耳触りのよい音」「耳触りのいい言葉」のように使われる例がある。『日本国語大辞典』(2版)を引くと、「耳障り」とは別項で「耳触り」を挙げ、「聞いたときの感じ。印象」とある。『広辞苑』(6版)は「耳触り」は誤用と明記しているが、論争もあるようだ。ひとつの言葉が複数の表情を持つ面白さを知るには、手前みそだが「舟」を読むことだろう。(鶴田隆志)
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岸和田健老大学