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「デバイス」とは「工夫を凝らした物」という意味で、「装置」と和訳される場合もあります。「コンピュータの出力デバイスとしてプリンタを選択する」などと使われる場合にはこの訳がぴったりです。でも本センターで研究しているのは半導体デバイスです。トランジスタ、半導体レーザ、集積回路などのように半導体を使って、役に立つ機能を持たせるように工夫を凝らして作ったものを半導体デバイスと呼んでいます。
半導体デバイスを作るには多くの先端技術を使うのですが、本研究室の研究の特徴のひとつがヘテロエピタキシャル技術の研究です。これは異種材料を一体化する技術で、本研究室ではこれまで、GaAs(ひ化ガリウム,通称ガリウムひ素)やGaN(窒化ガリウム)をSi(シリコン)と一体化させる研究を中心に行ってきました。GaNはBlu-ray Discプレイヤなどに使われている半導体レーザ用の材料です。Siはコンピュータチップなどに使われている材料で電子回路用には広く使われているのですが、発光デバイスを作ることができないのでこれらを一体化して光回路と電子回路を一体化した光電子集積回路を作るというのが本研究室の目的のひとつです。
現在のコンピュータは大部分がノイマンという人が考えた方式を採用しており、多数のデータを処理する際、ある決められた順番で,順次処理されています。しかし人間を初めとする生物の情報処理は多数のデータ処理を同時に並列にしていることが解っています。生体では多数のデータが神経回路網で並列分散処理されているのです。これをまねた人工の神経回路網がニューラルネットワークです。ニューロコンピュータと言っても良いでしょう。しかし、この実現には従来の電子回路に比べて桁違いに膨大な量の配線が必要になり、現在の技術では実現できないので、多くの場合コンピュータの中に仮想的なニューラルネットワークを作って実験をしています。データを電気信号として電線の中を送ろうとするから無理があるのであり、データを光信号にして送れば実際に並列分散処理ができるニューラルネットワークができると考えられ、本研究室ではGaN/Siを用いてこれを実現しようと研究を続けています。この応用として手書き文字の認識のような視覚情報処理用のセンサを考え、その基礎的研究も行っています。
話が変わりますが,太陽電池は半導体でできており、GaNもSiも太陽電池用材料として優れた材料です。太陽電池は太陽光を電力に変換するデバイスで、エネルギー問題や環境問題との関係で大きな期待を持つ人がいる一方で効率が悪いのが欠点だと言われています。しかし、レーザ光のような単色光ならば光エネルギーから電気エネルギーへの変換はそんなに困難なことではありません。ただ、ある波長(色)の光で最大効率になるように作るとそれより波長が長い光に対しては変換効率が0になってしまい、最大効率波長より短波長の光に対してはほぼ波長に比例して効率が悪くなってしまうのです。太陽光は紫外から赤外までの広い波長範囲の光を含んでおり、ある波長で最適化すると他の波長では効率が下がるので全体として効率が下がってしまうのです。最大効率が得られる波長は使用する材料によってほぼ決まるので、もしGaNとSiを一体化してそれぞれの太陽電池を積み重ねた積層型(タンデム型)にすると、短波長光から長波長光まですべてを電力に変換することができて超高効率の太陽電池ができることが理論的に予測されます。本研究室で主として研究している材料はこの目的に最適なので、このような原理を用いた超高効率太陽電池の開発も行っています。
本研究室ではこの外にも,他の半導体の研究も行うと同時に,研究室のある共同研究センター屋上には太陽電池パネルを並べた太陽光発電システムを設置し,効率の良いシステム運用法についても研究を行っています。
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