現在の行政区画や呼称ではありませんが・・・
名鉄常滑線に「大野町」という駅があります。昭和時代には名古屋からの海水浴客を集め、「世界最古の海水浴場」として知られていました。その地は、現在の常滑市大野町を中心に港町としても栄えていました。そしてこの町に流れ込む河川を中心に周囲の山と谷を含む領域が「大野谷」と呼ばれていました。今では「大野谷」と呼ぶ人はほとんどいませんが、この地に戦国時代から伝わる愛知県無形民俗文化財指定の「大野谷虫供養」の行事にその名を残しています。
またこの地の支配者は、その経済力を背景に現在の知多市南部と常滑市北部、そして阿久比町の一部を領有していました。これを「大野庄」といいました。
|
広くはどこまでが大野谷なのか・・・
「大野谷虫供養」という民俗行事の中心は虫供養道場です。この道場が大野谷12か村を1年ごとまわり、暮れの12月15日から明けて1月14日までおこなわれます。この12か村は古くから文化習俗を同じにしてきたまとまりであるといえます。この12か村とは南粕谷・小倉・宮山と石瀬・榎戸・権現・大草・羽根・北粕谷・矢田・大興寺・西之口・松原です。
この行事は、大野城主佐治家の掛け軸からスタートしていることから考えると、荘園制度成立期の「大野庄」の領地一帯もある程度同じ文化圏であると考えらます。その領域は時代により集合離散がありますが、最大で「大野・金山・久米・矢田・岡田・佐布里・松原・森・鍛冶屋・大草・大興寺・南粕谷・北粕谷・羽根・古見・朝倉・西之口・蒲池・榎戸・草木・坂部・前山・石瀬・宮山」の24か村に及んだ記録があります。
|
 |
| Copyright(c)2005 KJ-EMOTO All right reserved. |
|