3、氷山の一角
私がアメリカに着いて、衝撃的だ、と思ったことはあまりなかった。いわゆる目で見
る、視覚におけるカルチャーショックはあまりなかった。無理やり例を上げるとし
たら、道路が広いとか食事の量が多いとか、スーパーマーケットがとてつもなく広
いとか、あまりたいしたことではない。
戦後、日本には多くの欧米文化が流入され、普段から私たちは欧米型の生活に慣れてい
るからである。そのため言語や食事や服装などの目に見える部分のカルチャーショ
ックはさほどない。
ところが、目に見えない部分の文化、たとえば価値観や行動や規則などの目に見えない
部分の文化における衝撃はかなり大きかった。そしてそれは目に見えないので理解
するにも時間がかかるし、日本で生まれ育った私には理解しがたいことも多く、正
直言って戸惑うことが多かった。
それはまるで氷山のように、海面にでている目に見える部分はほんの少しでも海の中に
は想像以上に多くの氷が隠れている。
私が知っているアメリカの文化は氷山の一角に過ぎなかったんだなぁと痛感させられ
た。