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これまで、2審寺尾判決は、弁護団を始め、部落解放同盟、野間宏氏や佐木隆三氏、鎌田慧氏など、多くの人々によって批判されてきている。
その視点、方法は様々であるが、今回、私は2審寺尾判決が「事実の認定は証拠による」という刑事訴訟法に従った判決か、それとも「事実の認定は空想による」という違法な判決なのか、という点に絞って検証を行いたい。
2審判決に対し、弁護団の山上弁護人は法廷で「裁判長! これはペテンだ」と抗議したという。1950・60年代の時代劇なら、「騙したな、この卑怯者めが。成敗してくれよう」と主人公は目をぎょろつかせ、大見得を切る場面になったに違いない。この「ペテン」発言には、寺尾判決の問題点が象徴的に示されている。
なぜこのような発言がなされたか、伝え聞いたところによると、2審の最終段階において、寺尾裁判長は弁護団にリップサービスを行って「無罪判決」の期待を抱かせ、万年筆発見現場の検証や筆記能力・死体などの鑑定人の証人調べを取り下げさせ、有罪判決を下したそうである。
「騙したやつが悪い」のではなく「騙された方が悪い」という見方もあるが、重要な事実調べを回避して有罪判決を下した、という東京高裁の汚点は永遠に残るであろう。
もしこの判決を詳しく知れば、このような「ダーティ寺尾」「ブラック東京高裁」を見逃すほど国民はお人好しではないであろう。2審寺尾判決はペテンで弁護士を騙し、「事実の認定は証拠による」という刑事裁判の基本原則を無視した違法判決という以外にないのである。
寺尾判決は「事実」の代わりに「空想」で置き換えた、「事実の認定は空想による」判決ではないか、という点に絞って、以下、検証したい。
私たちにとって有利なのは、裁判員時代に入ったことである。裁判官達に事実認定を任せるのではなく、国民の常識的な判断が重視される時代になってきつつある。もはや、空想判決がまかり通る時代ではなくなりつつあり、いずれ、この裁判員裁判時代にふさわしい裁判官が多数になるに違いない。
「ペテン」に騙され、悪例を許した私たちには、寺尾判決の事実認定を徹底的に検証し、裁判員となる可能性のある国民に広く知らせなければならない責任がある。
このシリーズでは、狭山2審寺尾判決において「事実の認定は証拠による」という刑事訴訟法が厳密に守られたかどうか検証したい。 141019 天海倖彦
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