TV台兼用スピーカー試作機の製作と試聴・測定



製作(2004/1/9)

材料はタイガプライという針葉樹系の12mm合板、サブロク1枚で900円程度のものです。
今回は、直角をきっちり作るための冶具を作って、作業を進め、その面では結構はかどりましたが、精度は未だ今ひとつです。ホームセンターのパネル ソーを自分で操作して切っているのですが、たまに1mm程度の誤差が出来ます。また12mm厚みと信じて寸法を取りましたが、実際には11mm位しかな く、ここでも誤差を生じ、仕上げ無しには見た目がわるいです。今後の課題です。
年末年始に大掃除や帰省の隙を縫って作業しましたので、ちょこちょこ作業して1週間かかってしまいました。
側板を取り付ける直前の写真を下に示します。吸音材を入れるべきかどうかですが、SPの穴が小さすぎて組みあがってからでは入れられそうにないので、背面 だけにグラスウールを張りました。経験上、これで高域のうるささはかなり解消されるからです。継ぎ目はコーキングと仕上げにニスでシールしました。
GDB
逆ダブルバスレフ

DB
ダブルバスレフ

TLS
TLS


インピーダンス測定

動作を確かめるためにインピーダンス特性を測りました。
インピーダンス
TV台SP試作機のインピーダンス特性

周波数特性および少しの試聴

ホワイトノイズとFFTアナライザを使って、f特を測ってみました。マンションの居間で の測定ですので、部屋の特性も含んでのものになります。
SP位置およびマイク位置は、次の標準位置と聴取位置の2種類です。
(1)標準位置:SPはTV台の上、マイクは軸上1m
(2)聴取位置:SPはTV台横で床に直置き、マイクはTV正面1.5m高さ53cm、実際の設置位置とリスニングポジションを模したものです。

標準位置(左)と聴取位置(右)
f特からわかるのは、
  1. 低域のレベルはTLS、DB、逆DBの順に高い
  2. TLSは標準位置で、70Hzまでフラット、DBは聴取位置で70Hzまでフラットになる。特にDBの聴取位置は凸凹も少なくよい特性であ る。
  3. 聴取位置では低域が5-10dB上昇する。
  4. TLSは聴取位置では低域が上昇しすぎて中域が引っ込み気味になる。
標準位置、聴取位置とも壁の影響で、超低域が出にくい位置なので測定上は出てないように見えますが、壁際で聞くと50Hzまでは、どのSPも十分高いレベ ル、30Hzまでレスポンスがあります。
試聴結果でも、低域のレベルに関しては、測定結果と同じ印象です。
測定ではわかりませんが、中高域の出方もかなり違います。まず、TLSは洞窟のような共鳴音が気になります。DBは逆DBに比べるとバックキャビティの大 きさが半分しかないのが効いているのか、やや詰まった感じがします。またf特とは違って、女声ボーカルの低い方がDBは逆DBよりも薄い感じがします。 ピュアオーディオ的に聴くと、細かい音やニュアンス(同じことかもしれませんが)が良く出て、逆DBが一番良い感じです。

経験者からのアドバイスで、TLSについては音道の一部を吸音材でダンプしてみる予定です。また内部ダクトを少しダンプしてやると逆DBの100- 200Hzの凹みが解消された経験があるので、これも試してみるつもりです。

GDB1
逆DB 標準位置

DB1
DB 標準位置

TLS1
TLS 標準位置

GDB2
逆DB 聴取位置

DB2
DB 聴取位置

TLS2
TLS 聴取位置

TLSの音道ダンプ(2005/1/12)

TLSのユニットに近い所に近いほうから最初の折り曲げまで、全体の約1/5弱を吸音材 でダンプしてみました。下にインピーダンスと特性、標準位置でのf特、聴取位置でのf特を示します。インピーダンスからは90Hz付近の山と120Hz付 近の谷がなくなり、この辺りの気柱共鳴が押さえられていることがわかります。f特では150Hz以下のレベルが下がり、気柱共鳴がなくなった辺りで音圧が 低下しています。試聴結果では、低音のエネルギーの低下は感じられません。ボーカルに付きまとっていた共鳴音がなくなって良くなりました。しかし、空気室 の小ささのためか、逆DB等とくらべると音が詰まった感じがし、細かい音が聞こえにくいようです。

インピーダンス特性
TLS−ST
TLS ダンプあり 標準位置。 ダンプ無しと比較すると150Hz以下のレベルがやや下がっている。凸凹も多 い。
TLS-LIS
TLS ダンプあり 聴取位置。 ダンプ無しと比較すると150Hz以下のレベルがやや下がっている。凸凹も多 い。

逆DBの内ポートダンプ

逆DBの内側ポートを長さ2-3cmの吸音材でダンプしてみました。下にインピーダンス特性、標準位置でのf特、聴取位置でのf特を示します。逆DB実験機の経験では軽く内ポートをダンプすることによって中低域の凹みが解消された経験があるからで す。インピーダンス特性をみると、80-110Hz付近の山と谷がなくなっていることがわかります。傾向としては逆DB実験機の場合と同じですが、今回は 少し薬が効きすぎたようです。f特をみると100-200Hzの凹凸がなくなったのは良いのですが、このあたりのレベルを上げる結果にはなってないようで す。吸音材1/4程度に減らすとインピーダンス特性はかなり変わってきますが、f特ではあまり違いはありません。


インピーダンス (左)内ポートに吸音材2cm程度、(右)その1/4。ピンクの線は内ポートのダンプなし。


逆DB 内ポートダンプ 標準位置。  ダンプなしと比較すると100-200Hzの凸凹が減っている。レベ ルは変わらない。


逆DB 内ポートダンプ 標準位置。 吸音材1/4  ダンプなしと比較すると100 -200Hzの凸凹が減っている。レベ ルは変わらない。



逆DB 内ポートダンプ 聴取位置。 ダンプ無しと比較すると、100-200Hzの凹凸が減っている。特に 100Hzのピークがなくなっているのが顕著。

ダブルバスレフ内ポートのダンプ試行(2005/1/18)

逆DBでは内ポートのわずかな吸音材によるダンプが低域でのf特の凹凸解消に効果がありましたので、ダブルバスレフに対しても試してみます。吸音材の量は 1cm程度で、逆DBの多い場合と少ない場合の中間くらいです。定性的なインピーダンスの変化は逆DBと同じですが、一番下の山への影響が大きいのが特徴 です。逆DBの場合とは違い、f特では逆に低域の凹凸が増えた感じです。中域では凹凸が減っていますが、本当に減っているのか測定上の問題かホワイトノイ ズの測定ではよくわかりません。理屈から言えば中高域のもれは減るので、滑らかになって不思議はないのですが。

DB 内ポートダンプの場合のインピーダンス特性


DB 内ポートダンプの場合のf特。ダ ンプなしの場合と比較すると110Hz付近の凹みが目立つ。

ダブル・ダブルバスレフの試行

まだちょろっと聴いただけですが、このSPはメインよりも良いところも多く、将来性がありそうです。また、DBとGDBを組み合わせることでディップを解 消できるかもしれないとかんがえて、GDBとDBを縦につんでみました。下にその状況と写真を示します。f特では、特に大きな違いは見られませんが、聴感 上はいい感じです。


GDBとDBをタンデムにしてみた。標準位置。