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「犬馬」論争が決着−−。皇居内での警察犬の飼育をめぐって、皇宮警察と宮内庁が繰り広げていた論争は、宮内庁側が折れる形で決着した。「犬がほえると皇居の馬が暴走する」などと難色を示す宮内庁に対し、皇宮警察は獣医ら専門家の意見を聞き、「犬と馬の相性は悪くない」と説得。来年度予算に数百万円が計上され、06年に2頭の警察犬がデビューする。
皇宮警察によると、これまで皇居内では警視庁の警察犬を借りて不審物の検索をしていたが、「独自に育成したい」と今年6月、皇宮警察が使用している敷地の一角に犬舎や訓練場を設置する計画を宮内庁に打診した。
ところが、皇居には行事用などの馬が約50頭飼育されている。犬舎の予定地がきゅう舎に近いことから、宮内庁は「犬の鳴き声で馬が暴れだす危険がある」「犬の毛や臭気で環境が悪化する」などと反対し、「犬馬の仲」が焦点になっていた。
皇宮警察は、各地の獣医、農場の飼育員、馬術関係者らに照会したほか、犬と馬を飼育している警視庁からも説明を受けた。その結果、牛や馬と一緒に番犬として飼っている農場もあるなど、犬の鳴き声で馬が暴れる可能性は低く、「犬の毛が拡散しても、馬の健康には問題ない」(農場飼育員)など“安全”を確認。「担当者が夜間も犬に付き添うため逃げ出すことはない」と理解を求めた。宮内庁は「疑問点について説明を受けた。安全に管理するというので了承した」としている。
日本獣医畜産大の吉村格(いたる)助教授は「犬が集団でほえると、草食動物でおとなしい馬にストレスがかかるだろうが、普段から飼育しながら慣らしておけば問題はない。お互いの存在を理解しあえるはずだ」と話している。【真鍋光之、竹中拓実】
(2004/09/27/03:00) 毎日新聞
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