北京原人:頭骨化石、米軍撃沈の阿波丸にあるか−−中国、再び引き揚げ挑戦

毎日新聞WEB版
2004/10/10

 【北京・共同】太平洋戦争末期の1945年4月、台湾海峡で米軍潜水艦に撃沈された日本の大型貨客船「阿波丸」に北京原人の頭骨化石が積まれていた証拠があるとして中国が来年、海底に沈んでいる阿波丸を再度引き揚げて頭骨を探す準備を始めた。新華社電が9日、伝えた。

 50万〜20万年前と推定される北京原人は脳の大きさから現代人と猿人のほぼ中間とされるが、頭骨は66年に発見された後頭骨と額の骨だけが残存。30年代に北京郊外の周口店で発見された五つの頭骨は41年に行方不明になっている。

 北京原人の専門家で引き揚げ計画にも加わる李樹喜氏は、具体的な「証拠」については言及しなかったが、米国政府から提供された資料を分析した結果、阿波丸に頭骨が積まれていた可能性が高まったと指摘。撃沈から60年を迎える来年、これらの資料を公開し、引き揚げ作業を行うという。

 李氏によると、77年の作業時に日本が建てた満州国の秘蔵品も見つかっており、このことからも日本が貴重な頭骨を持ち帰ろうとしたと考えられるという。

 中国は77年、阿波丸の引き揚げ作業に挑んだが、潜水技術が未熟だったため頭骨は発見できなかった。今回は専門家が政府と民間の協力を得て万全の態勢で捜索する。行方不明の頭骨は、米国人医師が保管のため持ち帰る途中、旧日本軍が中国国内で奪ったと推測されている。

毎日新聞 2004年10月10日 東京朝刊

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北京原人の頭蓋骨搬送中?撃沈の「阿波丸」引き揚げへ

 【北京=佐伯聡士】中国国営新華社通信は9日、第2次大戦中に行方不明になった北京原人の頭蓋骨を捜索するために、中国福建省沖の海域で米潜水艦に撃沈された日本の船舶「阿波丸」を来年引き揚げる計画が進んでいると伝えた。

 引き揚げ計画は、地方政府と民間組織が共同設立した会社が実施する方向で調整が進んでいるという。

 北京原人の頭蓋骨は、保管していた北京から戦火を避けて米国に運ばれる途中、行方不明になったとされている。第2次大戦史の研究者によると、米国から提供された資料の中から、1996年、「不明になった北京原人の頭蓋骨は沈没した阿波丸にある可能性が高い」との情報を得たという。

 77年には1度、阿波丸の引き揚げが行われたが、当時の潜水技術に限界があり、発見には至らなかった。ただ、その際に、「満州国」指導者の官印などが見つかったことが、頭蓋骨が阿波丸の中にあるとする説の有力な傍証ともなっていた。

 一方、阿波丸は、1945年、旧日本軍が東南アジアから引き揚げる日本人を乗せて日本に向かう途中の4月1日、福建省牛山島東方の海域で、米潜水艦の魚雷攻撃により沈没した。

(2004/10/9/19:53 読売新聞)


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