急性脳症の疑い例集中発生=11人中3人死亡、原因不明−新潟県

時事通信
2004/10/21/20:01

 新潟県は21日、9月下旬から10月上旬にかけ、急性の中枢神経障害で原因が特定できない急性脳症の疑い例が高齢者を中心に相次いで11人報告されたことを明らかにした。うち9人は岩船郡内に集中しており、そのうち3人が死亡。県は「極めてまれなケース」として、保健所や国立感染症研究所などと原因を調査している。 (時事通信)- 2004年10月21日20時1分更新

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急性脳症で5人死亡、大半がキノコ食べる 新潟・山形

 新潟、山形両県で9月下旬から、50〜80代の少なくとも13人が相次いで原因不明の急性脳症の疑いがあると診断され、5人が死亡していたことがわかった。13人全員に腎機能の障害があり、うち12人は発症前に「スギヒラタケ」と呼ばれる食用キノコを食べていた。スギヒラタケそのものには毒性がないため、ウイルス感染症の可能性も否定できないという。厚生労働省は「原因が、これだけ分からないのもまれなケースだ」としている。

 新潟県は21日、人工透析を受けるなど腎機能が低下していた県内の50代から80代の11人が9月下旬から10月中旬にかけ相次いで意識障害などで入院、うち50代男性と60代と70代の女性の3人が急性脳症の疑いで死亡していたと発表した。11人は入院前の約2週間以内にスギヒラタケを食べていた。1人は退院したが、7人は現在も入院している。

 山形県も同日、9月下旬から10月上旬にかけて県内の医療機関で死亡した60代女性と70代男性の2人に急性脳症の疑いがあると発表した。2人とも腎機能が低下しており、女性はスギヒラタケを食べていた。

 急性脳症は急性の中枢神経障害で、ウイルスが脳に入るなどして、しびれやけいれん、意識障害を起こす。

 厚労省は、国立感染症研究所と日本中毒情報センターの専門家を現地に派遣した。二つの機関が同時に動くのは、異例だという。

 厚労省結核感染症課は「スギヒラタケはもともと食用で用いられているため、脳症の直接の原因とは考えにくい」としており、被害者の多くは人工透析を受けていた状況などから「免疫力の低下が原因の一つとして考えられる」とみている。

 岩崎康孝・健康危機管理官は「現段階では、原因は全然分からない。これだけ分からないのも珍しい」としている。

 ウイルスなどは、検出されていないが、未知のウイルスが関与している恐れもあり、感染症の可能性は否定できないという。また、中毒も原因としてあげられる。スギヒラタケそのものに毒性はないため、付着した何らかの物質が引き起こした可能性もあるという。今後、被害者のサンプルについて詳細な分析を進めていく予定だ。

(2004/10/22 11:25) 朝日新聞WEB版

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急性脳症問題、秋田でも男女2人が死亡

 新潟、山形両県で50―70歳代の男女5人が急性脳症により死亡した問題で、秋田県内でも男女2人が急性脳症で死亡していたことが22日、分かった。ほかに2人が同様の症状で入院しているという。

 同県健康対策課によると、死亡したのは60歳代の男性と40歳代の女性。2人は先月から今月初めにかけ、急性脳症と診断されて死亡した。

 2人は新潟と山形のケースと同様、人工透析を受けるなど腎機能が低下していた。このうち死亡した男性は食用キノコ「スギヒラタケ」を食べていたという。入院している2人も腎機能が低下し、スギヒラタケを食べていた。

 4人の死亡・入院は、県内の医療機関から同日夕、保健所に連絡があった。同課では、他の医療機関でも同様の診断例がなかったかなど、調査を急ぐとともに発症原因を調べている。

 一方、すでに急性脳症による死亡が確認されていた山形県庄内地方の70歳代の男性も、スギヒラタケを食べていたことが22日、県により確認された。また、3人の死亡が確認された新潟県では、新たに3人に意識障害など急性脳症の疑いのあることが分かった。3人とも人工透析を受け、うち少なくとも1人はスギヒラタケを食べていたという。

 厚生労働省は同日、腎機能が低下している人はスギヒラタケを食べるのを控えることを呼びかけるよう、各都道府県などに通知した。

 同省は新潟県に加え、山形、秋田両県からも要請があれば、国立感染症研究所の専門家を派遣する方針。

 ◆キノコ関与の可能性強まる◆

 新潟、山形に続き秋田でも脳症患者が確認された。一時は未知の感染症も疑われたが、3県の患者にスギヒラタケを食べたことが共通していることから、今回の問題に何らかの形でスギヒラタケが関与している可能性が強まった。

 スギヒラタケは長く食用にされ、これまで健康被害の報告はなかった。ただ、千葉県立中央博物館の吹春俊光・上席研究員は「キノコの成分は、生育環境と菌株によって変わりやすい」と話す。今年の猛暑と、台風による大雨などによる自然環境の急減な変化が、スギヒラタケに何らかの異変を起こし、目立たなかった微量の毒成分が過剰に作られた可能性もある。

 3県で確認された患者は、いずれも腎臓の機能が落ちていた。深尾立・千葉労災病院長は「健康な人ならば尿で排出されるはずの微量の毒物が、体内にたまって発症したかもしれない」と語る。腎機能低下で脳症に陥ったか、毒素など何らかの“異物”が直接脳に作用した恐れがあり、新潟県がスギヒラタケの成分調査を行っている。

 一方、厚生労働省では、患者の抗体検査や詳しい疫学調査など、感染症の専門家の協力も得ながら慎重に進めている。

(2004/10/22/21:37 読売新聞

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急性脳症、新たに患者2人 スギヒラタケ食べる 秋田

 秋田県に23日入った連絡によると、同県内で2人が9月下旬、急性脳症になっていた。いずれも食用キノコ「スギヒラタケ」を食べており、現在入院治療中だという。

 新潟、山形、秋田各県では、腎機能が低下していた人がスギヒラタケを食べた後に急性脳症で死亡しており、関係機関で関連を調べている。

 秋田県によると、23日に届けがあったのは、60代の女性と、60代の男性1人ずつについて。いずれも腎機能が低下して人工透析を受けていた。同県が国立感染症研究所の指導を受け、原因を調べている。

(2004/10/23 16:33) 朝日新聞WEB版

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「急性脳症」でまた死者、新潟県内の70歳代女性

 新潟、山形、秋田の3県で原因不明の急性脳症患者が相次ぎ、計7人が死亡した問題で、新潟県は24日、県内の70歳代の女性が同日、急性脳症で死亡したと発表した。

 この女性は腎機能に障害があり、スギヒラタケを食べた後、意識障害などに陥り、入院していた。急性脳症による同県内の死亡者は4人目。

(2004/10/24/19:45 読売新聞

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「キノコの成分変化?」/急性脳症に不安と困惑

 県内で急性脳症となった患者6人のすべてが人工透析を受け、うち5人までがスギヒラタケを食べていたことが判明し、発症にスギヒラタケが関与した可能性が強まっている。県内では一般的な食用キノコだけに、原因が不明な中、透析患者や市場関係者には不安や困惑が広がっている。

 スギヒラタケは地域によってスギカノカ、スギモダシ、スギワケ、スギワカイなどさまざまな呼び名がある。県森林技術センターによると、県内ではお盆過ぎから9月上旬まで、杉の伐根があればどこでも発生する。今年は特に豊作。現在は天然ものががほぼ終了、塩漬けなどの加工品が出回っている。

 同センターの阿部実・上席研究員は「気象の変化は発生量に影響するが、毒性が強まるなどの成分変化は聞いたことがない」と、夏の猛暑や台風来襲などの影響には否定的だ。

 キノコの生態に詳しい永田賢之助さん(秋田市)は「キノコは胞子の長さがわずか0・01ミクロン違うだけで毒性を持ったりする。今年は異常にキノコが採れており、何らかの変化が起きているのではないか」と指摘する。

 日本透析医学会専門医で市立秋田総合病院の松尾重樹・外科診療部長は「猛暑でキノコの成分が特異な変化を起こし、それが腎臓で代謝されずに蓄積して急性脳症となった可能性も考えられる。発症者の中には慢性腎不全の原疾患が糖尿病だった患者もおり、注目している」と話す。

 県腎臓病患者連絡協議会の川尻真輝会長(秋田市)は「透析を始めてから30年間、毎年スギヒラタケを食べてきた。ちょっと信じられない事態」。約1000人の会員には週明けにも文書で事実関係を伝え、原因が確定するまで食べないよう呼び掛けるという。

 秋田市の小売業者は「因果関係がはっきりしないのに悪者扱いされるのは残念」、別の業者は「スギヒラタケやその仲間のシメジを店頭に置くのは心配。早く安全宣言を出してほしい」と話した。

(2004/10/24 09:32)秋田魁新報


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