狂犬病発症の15歳少女、薬物治療だけで奇跡的回復

読売新聞WEB版
2004/11/27/00:53

 【ワシントン=笹沢教一】有効な治療法がなく、人が発症すると100%が死に至るとされる狂犬病で、ワクチン接種を受けていない15歳の少女患者を薬物治療だけで救命することに米ウィスコンシン州の病院が成功した。

 米疾病対策センター(CDC)が25日、ワクチンを使わない世界初の生存例であることを確認した。

 CDCによると、発症後の生存例はこれまでに世界で5人いるが、いずれも狂犬病の症状が起こる前にワクチン接種を受けていた。

 少女は今年9月、狂犬病ウイルスに感染したコウモリにかまれたが、発症を防ぐためのワクチン接種などをしなかったため、先月中旬に神経症状などが現れ、入院した。

 医師団は少女の神経症状を抑え、強い薬剤の影響から弱った神経系を守る目的で、麻酔薬と抗ウイルス剤の計4種による「カクテル療法」を決断。少女は奇跡的に回復し、神経系へのダメージや著しい衰弱が残るものの、24日の時点で、家族の問いかけに答えたり、起きあがったりできるようになったという。CDCの分析でウイルスの除去も確認された。

   世界保健機関(WHO)の統計によると、狂犬病による死者はアジアやアフリカを中心に世界で年間3万5000―5万人。

(2004/11/27/00:53 読売新聞)


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