|
人の骨髄から採取した幹細胞をラットの胎児に組み込み、人と同じ遺伝的特徴を持った〓クローン腎臓〓をつくることに、横尾隆(よこお・たかし)・慈恵医大腎臓高血圧内科助手らが成功した。3月1日付の米科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。
腎臓を別のラットの腹部に戻して発育させ、尿が出ることも確認した。
骨髄の幹細胞を使った再生医療は、皮膚や軟骨などで一部実用化されているが、別の動物を利用して臓器を再生した例はほとんどない。横尾助手は「理論的には拒絶反応も起きない。同様の方法で膵臓(すいぞう)や肝臓などもつくれると思う」と話している。
横尾助手によると、骨髄液に含まれる幹細胞に、腎臓の発生に重要な神経栄養因子の遺伝子を組み込んだ後、腎臓が形成される前のラット胎児の、腎臓ができる部分に注入した。
胎児を取り出し2日後に腎臓に当たる部分を摘出、6日間培養したところ、腎臓の機能の中心を担う「ネフロン」や周囲の間質ができた。遺伝子を調べると、人の骨髄の幹細胞が成長してできたものと確認された。この腎臓を別のラットの腹部に戻したところ、2週間で約150ミリグラムに成長した。
横尾助手らはまた、ファブリー病という先天性の腎臓病のモデルマウスを、今回と同じ方法で正常なネフロンに置き換え、治療することにも成功したという。
(2005/02/22 共同通信)
|