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マウスのすべての遺伝子の働きを、世界の研究機関が統一した手法で調べ、遺伝子機能の「百科事典」を作る国際プロジェクトが始まった。10年かけて解析する計画で、日本からは理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)が参加。約2万個あるマウスの遺伝子はヒトと95%以上が共通しており、ヒトの病気の仕組みの解明や治療法の開発に向けた研究を、より効率的に進める基盤になると期待される。
プロジェクトは「国際マウス表現型解析コンソーシアム」。米国・欧州などの9カ国18研究機関が参加し、今年9月末に本格的な活動を始めた。遺伝子組み換え技術で特定の遺伝子を失わせた「ノックアウトマウス」を遺伝子ごとに作成、体格や外見の異常、血液成分、視覚、聴覚などを調べる。行動から性格の分析や病理解析も行い、全遺伝子の働きを網羅した「百科事典」としてデータベースを作成する。理研は前半の5年で250個の解析を担当する。
マウスは繁殖させやすいため、遺伝子の働きや病気を調べる実験動物として活用されてきた。しかし、網羅的な情報の蓄積がないことが課題だった。また、一つの遺伝子の異常は体のさまざまな部位の症状として表れるため、今回のような多角的な解析は、遺伝子の幅広い機能をとらえる上でも有効だという。成果はウェブサイトで公開する。【須田桃子】 毎日新聞 2011年12月14日 14時11分
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