川崎縦貫鉄道を素材とする需要予測試論

 

 

■まえがき

 本文は、川崎縦貫鉄道の「延期」における一連の意志決定プロセスに関する所感である。ここで最初に明記しておかなければならないのは、筆者は同鉄道の賛否については特段の意見は持っていない、という点である。同鉄道を整備するべきか、整備するべきでないか、筆者は明確な意見を持っていない。

 川崎縦貫鉄道の賛否検証過程において注目に値するのは、あらゆる段階での情報公開が行き届いていることだ。過去の類似事例では部外秘として扱われ公開されなかったような資料が、あっけなく公開されている。それも図書室のような固定された場所ではなく Web環境において。そのおかげで、まったくの部外者であっても、様々な情報を引き出すことができるようになっている。情報公開の先進事例であろう。

 さて、筆者が問題としたいのは、主に需要予測に関する批判である。上には情報公開が行き届いていると記したが、実は全てが公式ページに載せられているわけではない。部会の提言書から間接的に読める事柄も多い。筆者は、学識者部会提言書を読むことによって、川崎縦貫鉄道の需要予測は合理的かつ精緻に行われ、しかも将来の状況を厳しく見通していることを知った。ところがそれに比べ、市民部会提言書の内容は噴飯ものである。

 結果に対する批判はもとより重要であるが、その論拠は必ず合理的でなければならない。合理性を備えることは批判行為における必要条件である。それが満たされていない批判は、批判というよりもむしろ論難に近い。

 需要予測については、あまり知られていない面が多々ある。予測が当たらない、という結果だけをあげつらうのはやさしい。そのようなことごとを記していきたい。

 

 

     ■その1■ 誤解されている需要予測

     ■その2■ 安易な需要予測批判を批判する

     ■その3■ 市民アンケートの本質

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参考文献(全てHP)

 (01)川崎縦貫高速鉄道線整備事業に関する検証結果(http://www.city.kawasaki.jp/16/16gyosys/home/kensyou/kensyou.htm)

 (02)地下鉄事業に関する市民アンケート調査の結果について

 (03)川崎縦貫高速鉄道線整備事業に関する判断結果(http://www.city.kawasaki.jp/16/16gyosys/home/kensyou/kekka/houkoku.html)
   同上(http://www.city.kawasaki.jp/16/16gyosys/home/kensyou/kekka/handan.pdf)

 (04)川崎縦貫鉄道高速線(http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/index.html)

 (05)川崎縦貫高速鉄道線研究会提言書
   ・学識者部会編(http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/pdfkai.html)
   ・市民部会編(http://www.city.kawasaki.jp/82/82tetudo/home/pages/pdfkai.html#simin)