状況としてはかなり不自然な、ガーデン交戦時に、スコールとリノアの二人っきりの状況で、ライオンという名前のある指輪に対して、リノアがスコールの愛称を聞くというイベントが、リノアがアルティミシアに乗っ取られる前に行われていること。
「かっこいいもんね、これ。なんてモンスターがモデルなの?」
「モンスターじゃない。想像上の動物……ライオンだ」
「とても強い。誇り高くて……強いんだ」
「誇り高くて……強い?スコールみたく?」
「そうだといいけどな」
「このライ……オ…ン?って、名前はあるの?」
「ふぅ〜ん。そういう名前なの」
「あのね、ゼルがこれを見ながら同じの作ってくれるんだよ」
「そしたら、わたしもがんばってみる。ライオンみたいになれるように」
ライオンという名前が先に出ているのに、愛称を聞くという不自然なイベントであり、なおかつスコールとリノアしか知り得ない状況で、アルティミシアに乗っ取られる前に位置するというこのイベント。なおかつ、アルティミシアがグリーヴァを呼び出し、さらにはグリーヴァにジャンクションし「ライオン化」する。
これは偶然?
リノアにとってのスコールとの「はじまりの部屋」が、アルティミシアの世界とも言える時間圧縮世界に存在すること。よくリノアとアルティミシアの初めて出会った場所だから「はじまりの部屋」と勘違いされているが、この「はじまりの部屋」の由来はDisc3におけるイデアの庭での会話で9割以上間違いない。
(Disc1シュメルケ戦後)
スコール「もう行く。あんたの命令は覚えている。俺のそばから離れるな」
(Disc3イデアの庭)
スコール「リノアは…俺のそばから離れるな」
リノア「あ」「それそれ!」
スコール「なんだよ」
リノア「その言葉がはじまりだったの」
それに加え、アルティミシア城がイデアの家に繋がれている点、アルティミシア城の画廊に、スコールをイメージした(庭園で眠る使者。スコールのキャッチコピーはSleeping Lionheart)絵が飾ってある点。
これら全ては偶然か?
「思い出したことがあるかい」
「子供の頃を」 「子供のころは? 両親に触れたり、触られたり、
抱っこされたり…」
「その感触」 「私は……こうしてるの、好きなの」
「そのときの言葉」 (俺のそばから離れるな)
「そのときの気持ち」 「安心しなかった?」
「大人になっていくにつれ」 「優しい頃のお父さんにも、いっつもくっついてた」
「何かを残して 「失うのが怖いから
何かを捨てていくのだろう」 最初からいらない?」
「時間は待ってはくれない」 「未来なんか欲しくない…今がずっと続いて欲しい」
「かえりたくないよ」
「にぎりしめても」 オープニングでリノアの握り締めた手のアップが
「ひらいたと同時に離れていく」 あり、手を開くと同時に羽が離れていく。(番外)
「そして…」
また、注目すべき点は内容だけでは無い。リノア、アルティミシアどちらの場合においても、このセリフが吐かれた舞台が「宇宙」である点も全く同じである。
イデア「……可哀想な少年」(Disc1ティンバーTV局より)
リノア「かわいそうなサイファー……」(Disc3ラストとDisc4はじめ)
リノア「恐れられる前に、嫌われる前に、いなくなりたいの……」
イデア「恐怖をもたらす魔女として、未来永劫舞い続けよう」
この共通点も偶然?
約束の地で、「スコールに倒して欲しい」云々の会話が行われた意味は何か?
「はじまりの部屋」の会話が出てきたのもここ。EDの伏線である約束の場所を決めるのもここ。この二つはまず間違いない。
となると、このイベントで意味の無い会話は「スコールに倒して欲しい」云々のみ。
「わたしがアルティミシアに操られて暴れたら……。SeeDは、わたしを倒しに来るでしょ?」
「SeeDのリーダーはスコール……。そして……。そしてスコールの剣がわたしの胸を……」
「でも、スコールならいいかな。スコール以外ならやだな」
「ね、スコール。もし、そうなった時は……」
前フリの影響が最も強いであろう約束の地でこの会話が出てきた意味は何か?
指輪を最終的に所持しているのはリノアのみという設定にはどういう意味があるのか?
リノア「……そうだ……指輪、返さなくっちゃね」
スコール「いいんだ。あんたが持ってろ」
リノア「でも……」
スコール「いいんだ」
後のラグナロクでも(見てない人もいるかもしれないがコックピットモードにしたとき)
ゼル
「そういや、あの指輪どうしたんだ?」
「あのモンスター彫ってるやつよ」
EDにおいて、スコールのみが帰れなかった理由は?約束の地でアルティミシアと遭遇してからリノアの顔を思い出せなくなる。また、羽がある魔女はヴァリー状態のリノアとアルティミシアのみ。イデア、アデル、ゼファーの魔女や時間圧縮世界に登場する「歴代の魔女」には羽など無かった。
EDのリノアが思い出せないシーンにおいてもリノアの背中から羽が出るのは何故だ?
リノアの顔を思い出せなくなった後に、アルティミシアのCGが紛れ込んでいる意味は何か。
また、実際にリノアと踊ったダンス会場では顔を思い出せず、凱旋門においてリノアの顔を思い出すのは何だ?実際にDisc1の凱旋門で待ち受けていたのはイデア(アルティミシア)。
スコールとリノアが初めて出会ったのがダンス会場、スコールとイデア(アルティミシア)が初めて対面したのは凱旋門。
全て偶然?
(時間……場所……いっしょにいたい人……
あの場所へ!スコールと約束したあの場所へ!)
実際、スコールの前に現れたのはアルティミシアだった。
何故スコールがあの時代に彷徨ったかは定かではないし、単に時間の狭間に迷い込んだのかもしれないが、アルティミシアまで偶然あの時代に現れるなど有りえない。明らかに「スコールを追ってきている」のだ。
時間圧縮のあの世界では、誰とどこで一緒にいたいかを想像することだけが、本来自分がいる時代とは別の時代に自分を存在させる方法。イデアの弁を信じれば、アルティミシアとはもう戦う必要が無く継承の相手を探しているだけ。
戦う意志が無いのに、スコールを追ってきた理由が謎。まだ消えるわけにはいかないとは?単に一矢報いるためだったのか。
それに、約束イベントの前フリで言えば、あの場面でスコールの前に現れるのは絶対にリノアであるはずなのだ。
「ここにしよう。俺……ここにいるから」もし、最後のアルティミシアのセリフである「まだ消えるわけにはいかぬ」が、もう「怖い夢から目を醒ましていた」後だったとしたら面白い。
このセリフの後、スコールが13年前に彷徨う。そして、アルティミシアと出会う。
リノアがイデアの家で言っていた「怖い夢」の話が、もしEDのアルティミシアのことを言っていたのであれば、「どこ!」って叫んだ後には目が「醒めている」はず。リノアにとっての「怖い夢」とはアルティミシアに操られること。アルティミシアもまた「幻想に幻想を重ねて夢を見ているのは誰だ?」などと強気発言をしているが、早い話、怖かったわけである。伝説のSeeDによって自分が殺されるという「怖い夢」をずっと見続けていたはずなんだから。
アルティミシアはあの瞬間全てを思い出したんじゃないかな。花がまだ咲いている約束の場所を見て。まだ消えたくない、スコールに触れていて欲しい。そう思ってスコールを追って来たんじゃないかなあ、と妄想。
(リノア=アルティミシアで無いとした場合、最後のアルティミシアのセリフである「まだ消えるわけにはいかぬ」の解釈は、私にはせいぜいスコールに一矢報いに来たことくらいしか思いつかない。だが、それにしては、イデアが言っていたようにアルティミシアに戦える力が残っているようにはとても見えないし、ただ力を継承するためのイベントであるならばセリフを吐かせる必要すら無い。もし、「時間圧縮が未完成だからまだ消えるわけにはいかない」って言ってるんなら、スコールを追ってきていること自体がおかしい。それよりはDisc2で前フリもあり、意味も非常に似ている、
指輪を返すまでは
「消えるわけにはいかない」と
「いなくなるなんてできないもん」
といったように、「アルティミシアがスコールに指輪を返しにきた」と考えたほうがストーリとしても非常に自然であり、まとまっている。何より、こう考えれば、様々な前フリページで述べたように、このゲーム中に意味の無いセリフがほとんど存在しなくなるのだから)
……久々に文章書いてて鳥肌がたった。本当にリノア=アルティミシアを意図して作られたのか?それとも、これも偶然だと言うのか?
……少なくとも私の中では、リノア=アルティミシアでシナリオがほとんど全て繋がってしまった。あくまでも『私』の中では。
『魔女が記憶を失う』可能性だけは推測の域を出ないが、『魔女』はともかく、『アルティミシア』が子供の頃の『何か』を失っているのは確実。アルティミシアに最後の最後であんなセリフを吐かせてるのだから、アルティミシアの過去に「何か」があったこともほぼ確実。それともアルティミシアは単なる「謎キャラ」で終わらせたかったのか?それに、シナリオ全体の『偶然』が『偶然』だとはとても思えない。そして、その数々の偶然はリノア=アルティミシアだとしたら、不気味なほど美しく繋がる。シナリオとして非常にまとまっている。そう考えるとアルティミシアが失っているのは子供の頃の「記憶」であるとしか思えない。
導き出す順序は逆だ。逆だが、それを補ってもなお余りあるほどの偶然があるように思えるのだ。
「消えるわけにはいかない」 「いなくなるなんてできない」
意味が似すぎている。最後の最後にアルティミシアがスコールを追って来た理由もスッキリする。指輪を返すまではいなくなるなんてできない。何故なら、彼女は「自分の死が近いことを悟っていながらスコールを追ってきている」のだから。
アルティミシアは過去のイデアへ魔女の力を、幼きスコールへは指輪を。シド・イデアによってスコールは伝説のSeeDへと育て上げられ、魔女の力と指輪が同時期にリノアへ渡されることとなる。そうすることによって、魔女の力・グリーヴァの指輪は過去へと受け継がれ、二人の物語は幕を下ろす。