『様々な偶然』

[1]

状況としてはかなり不自然な、ガーデン交戦時に、スコールとリノアの二人っきりの状況で、ライオンという名前のある指輪に対して、リノアがスコールの愛称を聞くというイベントが、リノアがアルティミシアに乗っ取られる前に行われていること。

「かっこいいもんね、これ。なんてモンスターがモデルなの?」
「モンスターじゃない。想像上の動物……ライオンだ」
「とても強い。誇り高くて……強いんだ」
「誇り高くて……強い?スコールみたく?」
「そうだといいけどな」
「このライ……オ…ン?って、名前はあるの?」

「ふぅ〜ん。そういう名前なの」
「あのね、ゼルがこれを見ながら同じの作ってくれるんだよ」
「そしたら、わたしもがんばってみる。ライオンみたいになれるように」

ライオンという名前が先に出ているのに、愛称を聞くという不自然なイベントであり、なおかつスコールとリノアしか知り得ない状況で、アルティミシアに乗っ取られる前に位置するというこのイベント。なおかつ、アルティミシアがグリーヴァを呼び出し、さらにはグリーヴァにジャンクションし「ライオン化」する。

これは偶然?


[2]

リノアにとってのスコールとの「はじまりの部屋」が、アルティミシアの世界とも言える時間圧縮世界に存在すること。よくリノアとアルティミシアの初めて出会った場所だから「はじまりの部屋」と勘違いされているが、この「はじまりの部屋」の由来はDisc3におけるイデアの庭での会話で9割以上間違いない。

(Disc1シュメルケ戦後)
スコール「もう行く。あんたの命令は覚えている。俺のそばから離れるな」

(Disc3イデアの庭)
スコール「リノアは…俺のそばから離れるな」
リノア「あ」「それそれ!」
スコール「なんだよ」
リノア「その言葉がはじまりだったの」

それに加え、アルティミシア城がイデアの家に繋がれている点、アルティミシア城の画廊に、スコールをイメージした(庭園で眠る使者。スコールのキャッチコピーはSleeping Lionheart)絵が飾ってある点。

これら全ては偶然か?


[3]魔女になったラグナロクでのリノアとアルティミシアが似た意味合いのセリフを言うのは偶然か?

「思い出したことがあるかい」                                                      
「子供の頃を」             「子供のころは? 両親に触れたり、触られたり、 
                     抱っこされたり…」     
「その感触」 「私は……こうしてるの、好きなの」       
「そのときの言葉」           (俺のそばから離れるな)            
「そのときの気持ち」      「安心しなかった?」        
「大人になっていくにつれ」   「優しい頃のお父さんにも、いっつもくっついてた」
「何かを残して  「失うのが怖いから               
何かを捨てていくのだろう」 最初からいらない?」             
「時間は待ってはくれない」   「未来なんか欲しくない…今がずっと続いて欲しい」
                    「かえりたくないよ」              
「にぎりしめても」            オープニングでリノアの握り締めた手のアップが 
「ひらいたと同時に離れていく」     あり、手を開くと同時に羽が離れていく。(番外) 
「そして…」    

         

「時間は待ってはくれない」と「未来なんか欲しくない、今がずっと続いて欲しい」なんて完全に被っているし、「子供の頃の感触」や、「失うのが怖いから最初からいらない」なんてのも結構被っている。 また、アルティマニアのリノアのプロローグにおいて、「握りしめた拳から羽が舞う」という描写があるし、リノアの表現とアルティミシアの表現のこの共通点の意味は何かな〜、と。

また、注目すべき点は内容だけでは無い。リノア、アルティミシアどちらの場合においても、このセリフが吐かれた舞台が「宇宙」である点も全く同じである。

イデア「……可哀想な少年」(Disc1ティンバーTV局より)
リノア「かわいそうなサイファー……」(Disc3ラストとDisc4はじめ)

リノア「恐れられる前に、嫌われる前に、いなくなりたいの……」
イデア「恐怖をもたらす魔女として、未来永劫舞い続けよう」

この共通点も偶然?


[4]

約束の地で、「スコールに倒して欲しい」云々の会話が行われた意味は何か? 「はじまりの部屋」の会話が出てきたのもここ。EDの伏線である約束の場所を決めるのもここ。この二つはまず間違いない。
となると、このイベントで意味の無い会話は「スコールに倒して欲しい」云々のみ。

「わたしがアルティミシアに操られて暴れたら……。SeeDは、わたしを倒しに来るでしょ?」
「SeeDのリーダーはスコール……。そして……。そしてスコールの剣がわたしの胸を……」
「でも、スコールならいいかな。スコール以外ならやだな」
「ね、スコール。もし、そうなった時は……」

前フリの影響が最も強いであろう約束の地でこの会話が出てきた意味は何か?


[5]

指輪を最終的に所持しているのはリノアのみという設定にはどういう意味があるのか?

リノア「……そうだ……指輪、返さなくっちゃね」
スコール「いいんだ。あんたが持ってろ」
リノア「でも……」
スコール「いいんだ」

後のラグナロクでも(見てない人もいるかもしれないがコックピットモードにしたとき)

ゼル
「そういや、あの指輪どうしたんだ?」
「あのモンスター彫ってるやつよ」



セルフィ
「みんな日記をつけよう!きっかけがあれば思い出せるよ」
「それに、消えてく思い出に負けないくらいたっくさんの思い出のタネ、つくろ〜!」


[6]

EDにおいて、スコールのみが帰れなかった理由は?約束の地でアルティミシアと遭遇してからリノアの顔を思い出せなくなる。また、羽がある魔女はヴァリー状態のリノアとアルティミシアのみ。イデア、アデル、ゼファーの魔女や時間圧縮世界に登場する「歴代の魔女」には羽など無かった。
EDのリノアが思い出せないシーンにおいてもリノアの背中から羽が出るのは何故だ? リノアの顔を思い出せなくなった後に、アルティミシアのCGが紛れ込んでいる意味は何か。
また、実際にリノアと踊ったダンス会場では顔を思い出せず、凱旋門においてリノアの顔を思い出すのは何だ?実際にDisc1の凱旋門で待ち受けていたのはイデア(アルティミシア)。

スコールとリノアが初めて出会ったのがダンス会場、スコールとイデア(アルティミシア)が初めて対面したのは凱旋門。

全て偶然?


[7]

(時間……場所……いっしょにいたい人……
あの場所へ!スコールと約束したあの場所へ!)

実際、スコールの前に現れたのはアルティミシアだった。
何故スコールがあの時代に彷徨ったかは定かではないし、単に時間の狭間に迷い込んだのかもしれないが、アルティミシアまで偶然あの時代に現れるなど有りえない。明らかに「スコールを追ってきている」のだ。
時間圧縮のあの世界では、誰とどこで一緒にいたいかを想像することだけが、本来自分がいる時代とは別の時代に自分を存在させる方法。イデアの弁を信じれば、アルティミシアとはもう戦う必要が無く継承の相手を探しているだけ。
戦う意志が無いのに、スコールを追ってきた理由が謎。まだ消えるわけにはいかないとは?単に一矢報いるためだったのか。

それに、約束イベントの前フリで言えば、あの場面でスコールの前に現れるのは絶対にリノアであるはずなのだ。

「ここにしよう。俺……ここにいるから」
「俺、ここでリノアを待ってるから……きてくれ」
「わかった。私もここに来る」
「これで今度は会えるね!絶対だからね」



(余談)

もし、最後のアルティミシアのセリフである「まだ消えるわけにはいかぬ」が、もう「怖い夢から目を醒ましていた」後だったとしたら面白い。

「夢、見たんだ。こわい夢だったんだ」
「スコールと約束するの。いっしょに流れ星を見る約束なの」
「おしゃれして、もらった指輪もつけたの」
「でも、さあ、お出かけって時になっても待ち合わせ場所、思い出せないの」
「約束の場所、思い出せないけど、スコールに会いたくて走るの。山や砂漠や草原やティンバーもバラムもガルバディアも……」
「息が切れて、もう走れないって思ったら、会いたい気持ち、どんどん大きくなって……」
「スコール、どこ!って叫んだら目がさめた」



「スコール!いっしょに帰ろうよ!どこにいるの!?」

このセリフの後、スコールが13年前に彷徨う。そして、アルティミシアと出会う。
リノアがイデアの家で言っていた「怖い夢」の話が、もしEDのアルティミシアのことを言っていたのであれば、「どこ!」って叫んだ後には目が「醒めている」はず。リノアにとっての「怖い夢」とはアルティミシアに操られること。アルティミシアもまた「幻想に幻想を重ねて夢を見ているのは誰だ?」などと強気発言をしているが、早い話、怖かったわけである。伝説のSeeDによって自分が殺されるという「怖い夢」をずっと見続けていたはずなんだから。

アルティミシアはあの瞬間全てを思い出したんじゃないかな。花がまだ咲いている約束の場所を見て。まだ消えたくない、スコールに触れていて欲しい。そう思ってスコールを追って来たんじゃないかなあ、と妄想。



あの場面でアルティミシアは消滅した。アルティミシアがずっと持っていたグリーヴァの指輪がその辺に落ちていて、幼いスコールがその指輪を拾い、今の今まで大事にしていたとかだと、シナリオ的に全てが繋がっていてスッキリまとまっている。まあ、これは無いだろうけどね。個人的な考察というより願望か。

まあ、リノア=アルティミシアでないにしろ、魔女アルティミシアはとことん可哀想な女性であることには変わりは無い。

それに余談だから願望入れてもOKかな〜、と。





(追記)
……これ書いた後に思ったことがあるので急遽更新。


「わたし、スコールの大切な物あずかってるから」
「それ、ちゃんと返さないでいなくなるなんて、できないもん」
「これ、スコールの指輪。わたし、あずかってるんだ」

(ゼルの奴……)

「それは一番気に入ってるんだ。ちゃんと返せよな」
 
このシーンを覚えているだろうか?そう、スコールとリノアの指輪のイベントである。このゲームが前フリに忠実に従っていることは既に他のページで述べた。つまり、「この指輪はいつかリノアからスコールに返されるはず」なのだ。

このページの[5]でも書いたが、スコールの指輪がゼルを通してリノアに渡され、リノア封印前イベントからも明らかなように、指輪複製イベントはあったものの、結局最終的に指輪を所持していたのはリノアのみということも既に述べた。

 
「まだ……消えるわけにはいかぬ……」

「それ、ちゃんと返さないでいなくなるなんてできないもん」



これ、ホントに……偶然かな?何でEDにおいてアルティミシアが戦う意志が無いのに「まだ消えるわけにはいかぬ」などと言ってスコールを追ってきたのかと思っていたけど、あの場所にアルティミシアがスコールを追ってきたことによって(そしてアルティミシアが消滅したことによって)「いなくなる前に(幼い)スコールにあの指輪を返した」ってことになっている……?こんな偶然有り得るのか?

今、単に思い出したままに書いただけだけど、ストーリの整合性云々が間違っていなければ、リノア=アルティミシアはほぼ確定だが……。本当に全部上手いことシナリオが繋がった。

はっきり言って最後のアルティミシアのセリフである「まだ消えるわけにはいかぬ」はかなりの謎だった。そもそも最後の力を振り絞ってスコールを追ってきたこと自体が謎。だが、リノアが「いなくなる前にスコールに指輪を返しに来た」のであれば、不気味なほど話が全てが繋がる。
(確かに最初は妄想のつもりで書いたが)これは妄想でも何でもなく、Disc2の指輪イベントの前フリそのまま。

FF8はタイムパラドックスを採用した時間の概念となっている。魔女の力が未来のアルティミシアから過去のイデアに受け継がれているように、スコールの指輪もまた、アルティミシアから幼いスコールへと受け継がれてきた可能性は非常に高い。

(リノア=アルティミシアで無いとした場合、最後のアルティミシアのセリフである「まだ消えるわけにはいかぬ」の解釈は、私にはせいぜいスコールに一矢報いに来たことくらいしか思いつかない。だが、それにしては、イデアが言っていたようにアルティミシアに戦える力が残っているようにはとても見えないし、ただ力を継承するためのイベントであるならばセリフを吐かせる必要すら無い。もし、「時間圧縮が未完成だからまだ消えるわけにはいかない」って言ってるんなら、スコールを追ってきていること自体がおかしい。それよりはDisc2で前フリもあり、意味も非常に似ている、

指輪を返すまでは
「消えるわけにはいかない」と
「いなくなるなんてできないもん」

といったように、「アルティミシアがスコールに指輪を返しにきた」と考えたほうがストーリとしても非常に自然であり、まとまっている。何より、こう考えれば、様々な前フリページで述べたように、このゲーム中に意味の無いセリフがほとんど存在しなくなるのだから)

……久々に文章書いてて鳥肌がたった。本当にリノア=アルティミシアを意図して作られたのか?それとも、これも偶然だと言うのか?



この最後の話は、あくまでリノア=アルティミシアという前提があって成り立つ話ではあるが、数多く存在する「疑問」や「偶然」は、リノア=アルティミシアだとすれば全て消え去る。そもそも偶然はこんなに重なるのか?個人的な意見を言わせてもらえば、偶然が2つ重なった時点で既に偶然では無い。それは奇跡だ。3つ以上重なれば影の意図が見える。

公式発表が無いため、100%の答えなんて出るはずが無い。公式発表が出てないんだからリノア=アルティミシアでは無い。その考えは非常に正しい。
だが、リノア=アルティミシアで無いとした場合に生じる数多くの疑問はいったい何なのか。

本当に奇跡とも言える、リノア=アルティミシアを匂わせる偶然が、数多く「偶然」生じたというのか?

それとも公式発表しない理由が他に存在し、リノア=アルティミシアを意図して作られたのか?
(例えば、答えを提示しないことによってプレイヤに様々な解釈を持たせるために作られたとか、FF8-2を出すための伏線であったりとか、もしくはシナリオライタの遊び心による独断で組み込まれたとか。まあ、どれも無理がある話ではある。そうではあるが……。「偶然」の全ての全てが、リノア=アルティミシアに収束しているのは気のせいか?)

リノアが頑張ってライオンみたいになると言い、アルティミシアがグリーヴァにジャンクションしライオン化したり、時間圧縮世界における「はじまりの部屋」の存在をはじめとする様々な妙な共通点は何だ?

それとも、ラグナがスコールの父親であることすら100%明示しなかったように、リノアがアルティミシアであることは簡単に発見できる要素だとでも言うのか?
匂わせるだけ匂わせて、はっきり明示しない。ラグナがスコールの父親であることも、文字としてはっきりとは現れていない。あくまで「そうではないか?」と推測できるだけだ。

今でこそラグナはスコールの父親と確定事項にされているが、あくまで最初は、ラグナの子供が生まれた時期が17年前という話と、キロスとウォードが「母親に似ているやら、父親に似なくて良かったな」というセリフを吐く点から推測しているだけである。
(まあラグナがスコールの父親であることは、ムンバが血で人を判別する設定と、ムンバがスコールのことをラグナと間違えた時点で間違いないのだが)

何が言いたいかというと、公式の発表とゲーム内の設定は関係無いのだ。あくまで可能性の問題である。ラグナがスコールの父親ということはアルティマニアにも書かれていないし、公式的に発表されていない。だが、ラグナがスコールの父親であることは9割以上正しい。公式発表が無いとリノア=アルティミシアは絶対に無いと言い切るのであれば、ラグナがスコールの父親も公式発表では無いため、違うということになる。

リノアがアルティミシアであることも、スコールの父親がラグナと推測できること同様、プレイヤに判断を任された情報なのか、否か。
 

……少なくとも私の中では、リノア=アルティミシアでシナリオがほとんど全て繋がってしまった。あくまでも『私』の中では。

『魔女が記憶を失う』可能性だけは推測の域を出ないが、『魔女』はともかく、『アルティミシア』が子供の頃の『何か』を失っているのは確実。アルティミシアに最後の最後であんなセリフを吐かせてるのだから、アルティミシアの過去に「何か」があったこともほぼ確実。それともアルティミシアは単なる「謎キャラ」で終わらせたかったのか?それに、シナリオ全体の『偶然』が『偶然』だとはとても思えない。そして、その数々の偶然はリノア=アルティミシアだとしたら、不気味なほど美しく繋がる。シナリオとして非常にまとまっている。そう考えるとアルティミシアが失っているのは子供の頃の「記憶」であるとしか思えない。
導き出す順序は逆だ。逆だが、それを補ってもなお余りあるほどの偶然があるように思えるのだ。

「消えるわけにはいかない」 「いなくなるなんてできない」

意味が似すぎている。最後の最後にアルティミシアがスコールを追って来た理由もスッキリする。指輪を返すまではいなくなるなんてできない。何故なら、彼女は「自分の死が近いことを悟っていながらスコールを追ってきている」のだから。

アルティミシアは過去のイデアへ魔女の力を、幼きスコールへは指輪を。シド・イデアによってスコールは伝説のSeeDへと育て上げられ、魔女の力と指輪が同時期にリノアへ渡されることとなる。そうすることによって、魔女の力・グリーヴァの指輪は過去へと受け継がれ、二人の物語は幕を下ろす。




「助けてくれてありがとう」
「いや、いいんだ」
「森のフクロウとは契約は残ってるしみんなにはいろいろ言われてた」
「それに、偶然あんたを見つけて……そう、ようするに偶然だ」




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