魔女の力というのは魔女の意志で継承できるのか、否か。また、継承の条件とは?
イデアの「叶うことならば魔女の力を捨ててしまいたい」と、リノアの「わたし……魔女になっちゃった……」というセリフから、魔女の力の継承は魔女の意志で行えるものではないと思われる。だが、そこで問題にあがるのはアデルの後継者捜し。自分の意志で継承できないのなら、そもそも後継者を捜す意味すら無い。まあ、私の結論では、アデルの後継者捜しはアデルが命じたものでは無いので、これに関しては問題ない。
アルティマニアのエピローグでは、そもそも魔女の力というのはハインが人間から逃げるために女性になりすましていたことからはじまったとされている。「魔女の力」=ハインという歴史学者テムの考え。いわば、継承された人間としてはただの「隠れ蓑」的な役割を背負うことになる。
基本として、魔女はひっそり暮らすという。それとは違い、歴史上に名を残した魔女達の特徴としては、アデルやアルティミシアのように自分の力を世界支配のために使おうとしたいわば悪人タイプの魔女。ある国の危機を救ったとされる騎士ゼファーを従えていた魔女。いわば、自分の意志で前に出ようとした人達。つまり、ハインの意志としてはひっそり隠れていたい。歴史上に名を残すような魔女は例外。極端に言えばハインの意志に打ち勝った魔女が歴史上に名を残している?
ゲーム中の魔女の継承の様子を見ているとどうやら魔女の力というのは、その宿主が死ぬぎりぎりまで隠れ続けて、死の危険を感じると次の魔女へと仮宿を移すらしい。
つまり、ハインの意志で魔女の力は動いていると考えるのが自然。そして、どうやらその人知を超えた力は、宿主の死が来ても(どれくらいの期間かはわからないが)しばらく生き永らえることができるらしいということ。
アデルとアルティミシアは継承を行った後、溶けるように消滅した。つまり、魔女が死ぬとき、魔女の身体が消滅してしまうため、いわばハインは剥き出し状態となる。それを防ぐために死の際に継承を行う?(だが、イデアは継承を行っても消滅はおろか、死にもしなかった。……何で?単にまだゲームとしての役割を果たしてないから、という製作者側の都合にしか見えないんだが)
ハインが人間を恐れて女性になりすまして逃げていたことから、戦闘不能状態になったときに魔女の力が移動する原因をハインの人間からの逃走との意味とする。宿主とする肉体が滅びた後、行き場を失ったハインは(宿主を殺した)人間に見つかる可能性がある。そのために魔女の力を別の宿主へと移動する。
このように、魔女の力の継承がハインの人間からの逃走だとすれば、宿主の人としての「寿命」が来ても、「ハインとして」の死の危険は無いため、長い間その魔女に居座り続ける可能性がある。それに加えて「魔女の力を持ったまま死ぬことができない」。不可能系で書かれている理由からも、人間の意志でどうこうできるものでは無いのだろう。ハインが出て行ってくれるまで死ぬことができない、としたらその文も多少自然になるかな
、などと考えてみた。
勿論、魔女が不死と言っているのではない。魔女が不死であるならば、アルティミシアはスコールなどを追わずに、どこかで傷が癒えた後に時間圧縮を完成させればいい。魔女が不死でも無いのに、長寿のイメージが存在する理由がそれじゃないかな、と。
人間が異常に数を増やすまでハインは眠り続けていたし、ハインの半身を人間が争っていたときですら、ハインの半身は居眠りしていた。ハインは基本としてワガママでめんどくさがり。自分に死の危険が訪れなければ宿主の移動を考えなくても不思議ではない。ハインにとっては人間など自分が作り出した「道具」に過ぎないのだから。そのため、ハインに宿主とされた魔女は死ぬことができないまま、人としての寿命を遥かに越えた長寿の存在となる。魔女の力がジャンクションシステムと似ているということはメインページで述べた。本来の人間の持つ寿命を遥かに越えて魔女の力をジャンクションし続けた場合その人間はどうなるのか。G.F.と同様に、その力は頭のどこかに居場所を作ろうとする。居心地が良い場所に自分の場所を作ろうとする。それが人間にとっての「思い出がしまってある場所」である可能性はアーヴァインが述べていた通り。
本来ひっそり暮らしているはずの魔女が、歴史上に時折名を残す理由はこれじゃ無いかな、と。恐らく、魔女の力に大きく依存しすぎた魔女は「暴走」する。ラストバトルでアルティミシアが自分が召喚したモンスターを攻撃していたように。
「魔女ってのはなんで突然現れたんだろうな。どっかで機会をうかがっていたのかなあ。普通の人のふりをして普通に暮らしていたのかなあ」
そして、「暴走」した魔女が記憶を失っている可能性も高い。アデルがエルオーネに興味を示したことや、アルティミシアの最後のセリフを考慮すれば、その可能性は割と高い。
「エルオーネを探す理由は一体、何……?スコールを過去へといざなうエルオーネ。そして、それを探す魔女。魔女も過去へと旅立とうとしている?」
ラグナ
「オレはエルオーネを取り戻せればそれで良かったんだけど、やっぱり、それだけじゃすまなかった」
「なんと言っても、魔女アデルが支配して、天才だが人でなしのオダインがいる国だ」
「おまけに、その頃の2人の興味はちっちゃいエルオーネにあったしな。んじゃ、サヨナラってわけにはいかなかった」
まとめると、宿主の魔女が戦闘不能や死亡したとき、人間から逃げようとするハインの意志で魔女の継承が行われる。つまり、宿主の寿命が来ても「ハインにとっての死」の危険は全く無いため逃げない、つまり継承が行われない(=死ぬことができない)。
こう考えたのにも理由がある。ゲーム中で魔女の力の継承が行われた点を考えてみると、イデアの戦闘不能、アデルの死、アルティミシアの死の3回。死んだときに継承が行われるという意味でアルティマニアに寿命の説明が載ってるなら少し違和感。イデアは死んでないのに継承したからね。元はと言えば、ハインは人間から逃げることを目的として魔女に姿を変えたとされている。早い話、人間が襲ってきても宿主が負けなければハインにとっての死の危険は無い。宿主が倒される前に継承が行われたケースは無い。宿主の寿命もそういう点では同じ。
まあこう考えるとかなり鬼畜な話になります。魔女は誰かに殺されないと力の継承は行われない呪われた力である、と。んで、どうやら魔女の力ってのは宿主にジャンクションされている形なので、寿命を越えての使用は危険。魔女が暴れだすのは必然。騎士が居た魔女がおとなしくしていたというのは、暴れだす前に騎士に殺されていたからじゃないかな、と。
でもこの考え方だと、魔女の寿命の説明が不可能系で書かれている理由と、魔女の長寿のイメージの理由と、騎士が居た魔女が悪しき魔女にならなかった理由と、ハインが人間から逃げていたという設定の理由の4点の疑問を一気に片付けてくれる解釈なので個人的にスッキリ。
(余談)
後一つくらいこう考える証拠が欲しかった。どうせなら、ラグナも魔女の騎士って設定が良かったなあ。映画で騎士役を演じてたんだし、ゲーム中限定で言えば(シドはわかんないけど)魔女の騎士は全員ガンブレード使いだし(スコール、サイファー、ゼファー)、ラグナが魔女レインの騎士だったら結構面白い。あれだけ色んな人に好かれるラグナがウィンヒルでは嫌われてる理由がわかるからね。レインが死んだのはラグナのせいだとウィンヒルの村人が思ってる。「よそ者を介抱したせいでレインが死んだ」みたいな言い草+「最初は良かったんだが」という話。つまりラグナが嫌われているのはレインと仲良くなったのが原因らしい。騎士ラグナが、魔女レインの「暴走」前に殺したんだとしたら、実際にラグナが殺していようといまいと、古い村であるウィンヒルは↑で書いたみたいな魔女と騎士の関係を知ってて、仮にレインが病死したんだとしても疑いは真っ先にラグナにかかる。だからウィンヒルでだけラグナは嫌われてる。
こう考えた理由は、ジュリアは事故死ってチュートリアルに書いてあるのに、レインはチュートリアルにもアルティマニアにも病死とも事故死とも書かれてない点。そしてラグナが魔女レインの騎士だとしたら、親子で魔女と騎士の関係を築いていることになり、ラグナ編に非常に意味が出てくる。
「魔女は基本はひっそりと暮らす」、「魔女が何人いるのかはわかっていない」ということから、あの世界においてひっそり暮らすイメージは絶対にウィンヒルなんだよね。あの村になら魔女がいても不思議ではない。村人もレインが魔女と知っていたから、何も知らないよそ者がレインと仲良くなり、レインの騎士となってしまうことを恐れてラグナを嫌ったんじゃないかな(ラグナはレインが死ぬ前から嫌われていた)。
それに、レインは不思議な女性だったとも言われている。そして、スコール編でウィンヒルに行くとレインの幻覚が見えたり。
個人的にはホントにこれでファイナルアンサーになりそうだ。魔女の設定を↑で書いたみたいにするとウィンヒルでだけラグナが嫌われてる理由+レインの謎の死の解決までできるし。ついでにラグナ編を用意した意味も。この文書いてる段階では妄想率60%くらいのつもりだったんだけど、妙にスッキリ筋が通ったような気もする。
だって、「レインが死んだこと」が原因でラグナが嫌われてるのなら、「レインが死ぬ前から嫌われている」のは絶対的におかしい。「最初は良かったんだが」とも言ってるんだし、明らかにラグナが「レインと仲良くなった時点」で嫌われてるんだよねえ。レインは「不思議な女性」と呼ばれ、「魔女はひっそりと暮らす」という設定に加え、どこの街でもラグナは受け入れられているというのにウィンヒルでだけ嫌われるという描写。あのラグナですら、閉鎖的なウィンヒルでは拒絶されるということをアピールしたかったのか?……まあ所詮妄想かなあ。
シドは魔女の騎士。シドは歳のせいか、元から弱いのかはわからないが、SeeDという手段を使ってイデアを殺そうとした。理由は特に示されていない。イデアは確かに「夫の育てたSeeDが私を倒してくれることに希望を託して」と言っていたが、イデアはシドに対しては「SeeDとイデアが戦うことは絶対に無い」と言ったはず。(表面的には)シドに私を倒して欲しいと願っていたわけでは無い。なのに、シドはイデアを殺そうとした。暴れだした魔女を殺すのは騎士の務めなんじゃないかな、と。ゲーム中では、任務だとかいって上手いことごまかされているが、魔女イデアを倒そうとしたのはその騎士であるシド。
(学園長の言う通りにするしかない。ガーデンを指揮して……魔女を倒す)
(バトルはともかく他人のめんどうを見るのがな……)
(さっさと魔女とのバトルに持ち込んで終わらせるしかないよな)
(……!?魔女ってシド学園長の奥さんだろ?その人を倒せって命令なのか?)
(……そんな命令出すのはどんな気持ちなんだろう?)
魔女は魔女の力を持ったまま死ぬことができない。
魔女自身の意志で力の継承を行うことができない。
例えヒトとしての寿命が来ようと、魔女の力を持っている限り死ぬことはできない。
騎士に殺される、そのときまで魔女は待ち続ける。
その他のページで述べたが、「魔女の力の継承」に「愛」は付随しない。つまり、魔女の力というのは人間から愛を奪うという呪われた力。SeeDは魔女を倒すために存在する。何故?魔女を救う方法って他にあるんじゃないの?と。魔女を倒さなくても、騎士が居れば魔女が良き魔女でいられるなら、魔女を倒すためのSeeDなんていらない。逆に言えば、魔女を助ける方法ってそれしか無いんじゃないかな、と。暴走した魔女を止める方法はただ一つ。魔女を倒す、ただそれだけ。というのが私の結論。
「SeeD、バラムガーデンのSeeD」
「ガーデンはSeeDを育てる。SeeDは魔女を倒す」
リノア=アルティミシアを前提として考えた場合、最も疑問に残るのがリノアの動機だが、上記の考え方だとリノアの動機など関係ない(そもそも、魔女の力の継承はリノアの意志でどうこうできるものではない)。リノアの意志など関係無く、魔女は皆、「暴走」する運命にある。魔女は倒されないと死ぬことができない。魔女を倒すのは騎士。リノアがリノアで居られなくなったのは、数百年後か数千年後か、それとも更に未来なのかは定かでは無い。だが、「暴走」したとき彼女が倒して欲しいと願ったのは他でも無い魔女の騎士であるスコール。だからこそ、アルティミシアは無意識にも約束の地で自分が殺される、そのときを待ち続けた。
人間から逃げるために、当時の人々の感覚で「保護すべき者」と考えられていた女性に姿を変えて身を隠していた魔女ハイン。彼女の宿主が、人間によって死の危険を突きつけられたときのみ、彼女は逃げるように宿主を変える。
(余談)私のこの考えでは、イデアからリノアへ力が継承された理由は、イデアが戦闘不能になったことにより、ハインの「人間から逃げなければ」という意志、言わば「ハインが人間にビビった」ことによる力の移動となるわけだが、それよりは↓のように考えるほうが自然かもしれない。
イデアが力の継承後に死を迎えなかったのに、アデルとアルティミシアが継承後に死を迎えたのは寿命を迎えていたからかもしれない。アデルとアルティミシアが生きていられたのは「魔女の力を持っていたから」であり、本来の寿命はとっくに過ぎていた、と。継承後に、イデアだけ都合よく生きていたと考えるより、そっちのほうが自然。
ゲーム中では、魔女は戦闘不能状態になったとき100%の確率で力を継承している(Disc1のイデア戦では、イデアは戦闘不能になっていない)。その中で、継承後に死ななかったのはイデアのみ。イデアは良き魔女、アデルとアルティミシアは悪しき魔女。私の考えでは、悪しき魔女になるのは寿命を越えた後。つまり、アデルとアルティミシアは「魔女の力の継承」により、力を手放したことによって死を迎えた。(魔女は魔女の力を持っている限り死ぬことができない)
「私の考え」とは書いたけど、アルティマニアに書いてある「ハインが人間から身を隠すために女性に姿を変え、その女性が魔女のはじまり」という設定に基づいた考えを述べたのみ。そうすると全ての疑問が一点に収束した、ただそれだけ。
(まとめ)
ゲーム中での魔女の力の継承条件は100%「戦闘不能状態」のみ
→つまり魔女の力の継承条件とは「戦闘不能状態」(もしくは死)
→騎士シドは特に理由も示さず魔女イデアを倒そうとした+SeeDは魔女を倒すために作られた。
→つまり、騎士(もしくはSeeD)の務めは魔女を倒すこと。
→魔女の力を持つことにより、魔女になる以前の騎士と魔女の間にあった二人の「愛」が失われる("FITHOS LUSEC WECOS VINOSEC"→魔女の継承が無ければ愛が残ったというのが公式見解)。
→騎士の居た魔女が歴史的に良き魔女とされてきたのは、魔女としての「暴走」が始まる前に騎士の手によって殺されていたからでは無いか、と。
ゲーム中で騎士シドは、魔女イデアを殺そうとした。パレード中にイデアがシド(が送り出したSeeD)に殺されていれば、歴史的にイデアは良き魔女、悪しき魔女のどちらに位置したのか。
(偶然ではあるが、あの時点で殺されたのは民衆に嫌われている大統領デリングのみ)
強引っちゃ強引だけど、ゲーム中の描写「だけ」を見ればこの(まとめ)に関しては特に不自然な解釈はしていないつもり(感情論や常識論は全く考慮してない)。
愛する人を「暴走」前に「殺す」のも愛の形の一つ。
「君達の敗北は君達を失う事。君達の勝利の報告は妻を失う事。どちらも……耐えられそうにありませんでした」
「私は……いいです。ただ、イデアは許してください……」
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