スコールはエルオーネの事は覚えていなかったのに、エルオーネの通称である「おねえちゃん」を孤児院で待っていたことは覚えていた。
(トラビアでの回想イベント前から何回か出てきた雨の中の孤児院で幼いスコールが「おねえちゃん」を待っている描写)
アルティミシアも同様に、スコールの事は覚えていなかったにも関わらず、スコールの通称である「伝説のSeeD」をイデアの家で待っていた。
何故このような記憶の消え方が起こるのか、それは明らかになっていない。だが、リノア=アルティミシアだとした場合、このような共通点が浮かび上がってくる。
(つまり、最も大事な情報である「スコール」の名前は覚えていないのに、約束の地でひたすら待ち続けるという描写は特にぶっとんだ解釈では無いということ)
セルフィが日記をつけようと言っていたように、記憶障害に陥ったとしても形に残っていれば思い出せる機会はある。プロローグにおいて、リノアは指輪を心の拠り所として、誰と約束しているかもわからず、花畑で待ち続けていた。「彼」は存在する。大切なことは「誰」を待っているのかを思い出すこと。何故ならここが約束の地だから。ふたりで決めた再会の場所だから。
最終的に指輪を持っていたのはリノアのみ。あの指輪は、スコールからゼルを通してリノアに渡されたものであり、最終的にスコールは所持していない。アルティミシアが指輪の名前を覚えていたのに、スコールの名前を忘れているのは不自然だとよく言われる。だが、リノア=アルティミシアとした場合、指輪を持っているのはほぼ確実。形に残っている指輪のおかげで、グリーヴァに関するイベントはアルティミシアに深く刻まれる。そして、エルオーネを覚えていなかったスコール同様、「誰」と約束したのかは覚えていない。
また、アルティマニアのプロローグにおいてもリノアとアルティミシアの共通点が浮かび上がってくるのだ。リノアは誰を待っているかも思い出せず、指輪を心の拠り所として「彼」を約束の地で待ち続けている。アルティミシアもまた、「グリーヴァ」を心の拠り所として、誰を待っているのかすら思い出せず、約束の地であるイデアの家で「長い間」を待ち続けた。
何故、アルティミシアがグリーヴァを呼び出す必要があったのか。不自然な、リノアがアルティミシアに乗っ取られる前に、かつスコールとリノアしか知るはずの無い状況で、ライオンという名前を先に提示しているにも関わらず、その愛称をリノアが聞き出すというイベントを用意した意図は何か?
仮に、未来に「伝説のSeeDが身につけていたのはグリーヴァの装飾」だと残っているとしよう。だが、この場合、単に身に着けていた物を「最も強いと思っている動物」と解釈するのは不自然。せいぜい最も気に入っている動物。万が一グリーヴァの名前が未来に伝わっていたとしても、スコールが思う最も強いもの云々の話を知っているのはスコールを除けばリノアしか存在しない。
(そもそも、未来にスコールの名前が残っていないのに、そのSeeDの特徴として、指輪のライオンの愛称であるグリーヴァの名前が残っているとは到底思えないのだが)
拷問イベントが行われた意図は何か?魔女の代表的な特徴である「人々を洗脳する力がある」、「バリアを使える」、「壁をすり抜ける」、「他者を人形のように操る念動を使える」ことはアルティマニアやゲーム中のセリフに出てくるにも関わらず、魔女が「心を読める」という描写はどこにも出てこない。魔女が心を読めるとしたら、間違いなくどこかに描写されているはず。アデルがラグナの罠にかかっていたことからも、心を読めるとは思えない。そもそも最初に述べたように、心を読めるのであれば拷問を行う必要が無い。
つまり、アルティミシアはラストバトルにおいて、心を読めたわけでも無い。すなわち、アルティミシアが「スコールが思う最も強いものがグリーヴァ」であることを知り得るはずがないことを意味する。
魔女は「寿命も人間と同程度だが、力の継承を行うまで死ぬことができない」とアルティマニアに書かれている。
勝手に、ネット上では「魔女の寿命は人間と同程度」とされているが、寿命が来ても力を持っている限り死ぬことはできないはず。
リノアやイデアの言動、死ぬことができないと不可能系で書かれている意味を考えても、魔女の力の継承は魔女の意志で行われるものでは無い。そして、「魔女が今までどのように継承を行ってきたかは明らかになっていない」とアルティマニアに書かれている。
死の際に継承が行われるとしたら、イデアが死ぬことなくリノアに継承をしたのは何故?あれが「偶然」なのか?仮に、イデアも継承の後死を迎えていれば、魔女に寿命が来た時、EDのアルティミシアと同様、継承相手を探すために行動しても不思議ではないが、イデアは継承しても死ななかった。
これが意味することは何か?継承の条件に魔女の死は直接関係無いはず。それに加えて魔女の意志で継承を行うことは恐らく不可能。つまり、継承の条件に死が関係なければ、寿命としての死が来ても継承が行われるわけでは無い。むしろ、死の際に継承が行われるという意味でアルティマニアに「寿命も人間と同程度だが、力の継承を行うまで死ぬことができない」と書いていれば、その直前の文である「魔女が今までどのように継承を行ってきたかは明らかになっていない」という文は何の意味も持たなくなる。死の際に継承が行われるなら、継承をどのように行ってきたかは「明らかになっている」のだから。
つまり、魔女の寿命の文は、「死ぬときに魔女の力を手放してから死ぬ」という意味で書かれているわけでは無い。
明らかに、ゲーム中においては魔女が「戦闘不能」に陥ったときに力の継承が行われている。むしろ、ゲーム中で力の継承が行われたのは、全て戦闘不能状態によるものだけ。
アルティマニアのエピローグにおいて、そもそも「魔女」とは、最初の魔女と言われている大地の創造主であるハインが、「襲ってくる人間から逃げるために女性に姿を変えて身を隠したのがはじまり」と言われている。この女性がのちに「魔女」と命名されたわけだが、つまり「魔女の力=ハインである」とアルティマニアのエピローグの一説には書かれている。
このエピローグは何の意味も無く書かれたのか?否、書いたからには何か意味があると思われる。
このエピローグに書かれているように「魔女の力=ハイン」だとすれば、そもそも魔女の力の継承というのはハインの意志で行われているはず。つまり、ハインにとって、宿主とされる魔女はただの「隠れミノ」のような存在である。アルティマニアにおいても、ハインは人間を自分の「道具」としか見ていない。また、ハインは人間が異常な程数を増やすまで寝ていたり、ハインの半身を人間が争っているときでさえ、ハインの半身は居眠りを続けていた。つまり、ハイン自身に身の危険が訪れない限り、移動を考えない。まして、ハインから見れば人間はただの「道具」。だから、宿主とされた魔女は寿命が人間と同程度にも関わらず魔女の力を持っているために死ぬことが「できない」。
人間に襲われ、宿主とされる人間が倒されたとき、ハインが人間から逃げようとする。そして魔女の力の継承が行われる。逆に言えば、魔女は倒されない限り継承が行われないために死ぬことができない。
イデアは継承を行っても死ななかったにも関わらず、アデルとアルティミシアが継承後に死を迎えたのはそのせいだと思われる。
つまり、ゲーム中では魔女の力の継承は「ハイン(=魔女の力)が人間から逃げようとする時」に発生している。
ハインに本来の寿命を越えて宿主とされた魔女はどうなるのか。どこかに支障が生じないのだろうか?幸せなまま暮らせるのだろうか?
否、魔女の力にジャンクションされ続けることによって、どこかに「ガタ」が生じる。恐らく、アデルがエルオーネに興味を示していたことや、アルティミシアの最後の
セリフを考慮すれば、G.F.をジャンクションしていたとき同様、失われるのは「思い出」。
G.F.は力を与えてくれる代わりに、頭の中に居場所を作る。アーヴァインやキスティスが言っていたように、思い出がしまってある場所に、自分の居場所を作ろうとする。そのせいで、ジャンクションを続けているものは記憶を失う。魔女の力も、G.F.と同様、「力を与えてくれるもの」である。
イデアが言っていたように、騎士が居た魔女は良き魔女で居ることができ、騎士が居なかった魔女は悪しき魔女となると言われている。
騎士が居た魔女が良き魔女でいられたのは、魔女としての「暴走」が始まる前に、
騎士の手によって殺されていたからでは無いか、と。
それに加えて、"FITHOS LUSEC WECOS VINOSEC"は"SUCCSESSION OF WITCHES(魔女の継承)"と"LOVE(愛)"を組み合わせたアナグラムであり、つまり、「魔女の継承が無ければ愛が残った」、というのが公式見解、魔女の継承が行われると愛(LOVE)という単語が抜け落ちているわけである。「魔女にならなければ愛が残った」、のである。良き魔女には騎士が居ると言われる。騎士が魔女の心を守るのが真実であれば、魔女の継承が無ければ愛が残ったというのは一体何だ?意味が完全に逆になる。魔女になることによってそれを支える騎士が付き、結果として魔女の継承に愛が残っている。これでは公式的な魔女の見解とは完全に逆だ。「魔女の継承が無ければ愛が残った」を素直に読み取れば、魔女になってしまったことによって、魔女になる以前からあった騎士と魔女の間にあった愛が失われてしまうはず。すなわち、これは「騎士は魔女を倒すために存在する」ことを意味するのでは無いかと、と。
ゲーム中において、力の継承が行われたのは3回。イデアの「戦闘不能」、アデルの「死」、アルティミシアの「死」。
イデアは良き魔女。アデルとアルティミシアは悪しき魔女。先程述べた考えでいえば、悪しき魔女となるのは本来の寿命を越えた後。継承が行われて死ななかったのはイデアだけ。つまり、アデルとアルティミシアはとっくに本来の寿命を越えており、「ガタ」が来て悪しき魔女となっており、「魔女の力の継承」により、力を手放したことによって死を迎えた(魔女は魔女の力を持っている限り死ぬことができない)。
力の継承後にイデアだけ都合よく生き残ったと考えるよりはそっちのほうが自然。
シドは魔女の騎士。シドは歳のせいか、元から弱いのかはわからないが、SeeDという手段を使ってイデアを殺そうとした。理由は特に示されていない。イデアは確かに「夫の育てたSeeDが私を倒してくれることに希望を託して」と言っていたが、イデアはシドに対しては「SeeDとイデアが戦うことは絶対に無い」と言っていた。(表面的には)シドに私を倒して欲しいと願っていたわけでは無い。なのに、シドはイデアを殺そうとした。つまり、暴れだした魔女を殺すのは騎士の務めなんじゃないかな、と。ゲーム中では、任務だとかいって上手いことごまかされているが、魔女イデアを倒そうとしたのはその騎士であるシド。
(学園長の言う通りにするしかない。ガーデンを指揮して……魔女を倒す)
(バトルはともかく他人のめんどうを見るのがな……)
(さっさと魔女とのバトルに持ち込んで終わらせるしかないよな)
(……!?魔女ってシド学園長の奥さんだろ?その人を倒せって命令なのか?)
(……そんな命令出すのはどんな気持ちなんだろう?)
魔女は魔女の力を持ったまま死ぬことができない。
魔女自身の意志で力の継承を行うことができない。
例えヒトとしての寿命が来ようと、魔女の力を持っている限り死ぬことはできない。
騎士に殺される、そのときまで魔女は待ち続ける。
魔女リノアもまた、騎士に殺されることを待ち続ける運命となる。リノアがリノアで居られなくなったとき、殺して欲しいとリノアが願っていたのは他でもない魔女の騎士スコール。アルティミシアは誰と約束したかも思い出せず、「彼」と約束した地で、心の拠り所である指輪を見つめ、「彼」は存在すると信じ待ち続ける。
「思い出したことがあるかい」
「子供の頃を」 「子供のころは? 両親に触れたり、触られたり、
抱っこされたり…」
「その感触」 「私は……こうしてるの、好きなの」
「そのときの言葉」 (俺のそばから離れるな)
「そのときの気持ち」 「安心しなかった?」
「大人になっていくにつれ」 「優しい頃のお父さんにも、いっつもくっついてた」
「何かを残して 「失うのが怖いから
何かを捨てていくのだろう」 最初からいらない?」
「時間は待ってはくれない」 「未来なんか欲しくない…今がずっと続いて欲しい」
「かえりたくないよ」
「にぎりしめても」
「ひらいたと同時に離れていく」
「そして…」
スコールの運命を知っていたシドとイデアがスコールにその事実を伝える可能性は皆無。シドとイデアはスコールの運命を忠実に再現した。スコールに、アルティミシアを倒させ、過去のイデアに力を継承させることによって、悲しい物語は幕を下ろすこととなる。それがたとえ、誰かの悲劇のはじまりであったとしても。
(そもそもオダインが、自分が名前を付けた「ジャンクション・マシーン・エルオーネ」の名前を未来に残さないように改名しなかったことからも、時間の概念が「運命論」に基づいたFF8において、過去、未来を改変しようとするのは不可能。シド、イデアが何をしようとも、運命を変えようとすることすら運命の一つ)
「俺、なにも知らないんだ。なにも……知らないんだ」
「だから……だまされる。だから……利用される」
(……どうして俺なんだ?)
「これは君の運命です」
「魔女討伐の戦陣に立つことは君の定めなのです」
「俺の人生が最初から決まってたみたいに言わないでくれ!!」
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