古舘真の本 

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古舘真の本を紹介するページです。
古舘真について知りたい方はある作家のホームページをご覧下さい)

ゼネコンが日本を亡ぼす(明窓出版、古舘真、1,300円)

 大手ゼネコン鴻池組元社員古舘真が建設業界の恐るべき実態を詳細に暴露した衝撃作。
 建設工事現場で生コンを不法に水で薄める手口はシャブコンと呼ばれ、悪質な手抜き工事の代表だ。設計強度の3割程度にまでコンクリート強度が低下する可能性が指摘されている。コンクリート材料として好ましくないとされる海砂の塩分で鉄筋がボロボロになっている実態、ゼネコンによると表向きは万全な筈なのだが実際はでたらめである構造計算など手抜き工事や欠陥工事をはじめとする設計や施工に関する建設技術上の欠陥などが詳細に記されている。
 日本経済は日本人一人当たりについて子供も入れて計算上は数億円にも達する無駄な公共事業のせいで圧迫されている。その多くが土建工事によるものだ。
 巨大橋や巨大建設技術など日本のゼネコンが誇る一見極めて高度で派手な技術が実は何の役に立たないだけでなくマイナスにしかなっていないという実態を技術的な視点から説明されている。
 朝から飲酒して働かない工事現場所長や無断欠勤と失踪を繰り返す情緒不安定の副部長といった余剰人員を抱えるなど社員や協力業者の従業員などに関する人的な欠陥も極めて深刻だ。
 初期建設費の十倍にもなり得るなど建造物の維持補修費の負担は意外に重い。非常に高い強度が必要とされる新幹線の高架橋などのコンクリートの公共建造物が十年でボロボロになるような異常な老朽化をはじめとする建設後のメンテナンスが全くなおざりにされているお寒い現状についても、筆者の古舘真が人工知能による建物診断システムの開発を手掛けてきただけに、非常に詳しく正確だ。
 地震対策が万全とされている日本だが、安全性に関してはアメリカなどの先進国と比べて遥かに劣っているのが実態だ。偽りの安全性、形式的で業者と役所の馴れ合いになっている検査体制などの実態が手に取るように分かる。

 意外に知られていない事実や専門技術的な内容についても素人に分かりやすく解説している。日本の将来を考えた時に読む者を戦慄させずにいられない。
 現場と理屈を知り尽くした古舘真が言うだけに説得力がある必読の書だ。

「『NO』と言える日本」への反論(明窓出版、古舘真、1,300円)

 この作品は、現在、東京都知事である作家の石原慎太郎氏が著しベストセラーとなった「『NO』と言える日本」、「断固『NO』と言える日本」、「それでも『NO』と言える日本」、「『NO』と言えるアジア」、「宣戦布告『NO』と言える日本経済」の五作の「『NO』と言える日本」シリーズに対する古舘真の反論本である。
「『NO』と言える日本」シリーズは石原慎太郎氏らが日本人の立場から見てアメリカを強く意識した作品であり、アメリカや中国に対する対抗心がむき出しである。同シリーズは科学技術の記述をはじめとして金融、経済、政治など全般的に内容が出鱈目な作品だ。石原慎太郎氏はやたらと日本の科学技術や経済を褒め称え、アメリカをやたらとけなす傾向がある。
 また、アメリカや中国など日本を批判する国に対して極めて感情的な記述が目立ち、やたらと白人による有色人種に対する人種差別を強調し、何でも人種差別のせいにしているのが特徴だ。
 本作品の主題は大きく分けて三つある。それらはいずれにせよ彼らの間違いを指摘している。
 まず、日本やアメリカなどの科学技術や経済に対する記述。これらについては、自国の技術や経済を主観的に過大評価せずに客観的に見なければならない。
 それから、差別意識の問題。白人などの差別意識についてはやたらと糾弾しているが、石原慎太郎氏自身の持つ差別意識には極めて鈍感である。黒人や女性などに対する差別的発言が目立つ。
 また、南京大虐殺や原爆投下など歴史に対する認識が間違っている記述も目立った。
 同シリーズでは企業、特に大手メーカーなど生産者の立場からの意見が目立つ。消費者や労働者の保護という視点が完全に欠落しているのだ。アメリカに立ち向かう事により如何にも強者に立ち向かっている勇者あるいは自国の文化を守る憂国の士のように見せかけているが、石原慎太郎氏は単に経営者をはじめとする旧来の権力の味方であるに過ぎない。

 本書では、「『NO』と言える日本」、「断固『NO』と言える日本」、「それでも『NO』と言える日本」、「『NO』と言えるアジア」、「宣戦布告『NO』と言える日本経済」に記述された内容のどこがどのように間違っているのかを具体的に説明する。科学技術に冠する記述、特に建設技術に関する事柄については、著者の古舘真が元ゼネコン社員の技術評論家である事もあり、素人にも分かり易い。

反調−駁《日本可以説”不”》(経済日報出版社 、古舘真、1,230円)

 この作品は、「『NO』と言える日本」への反論(明窓出版、古舘真)の中国語版であり、内容は全く同じである。
 本作品は中国国内において非常に高い注目を浴びている。
 日本で大活躍中の著名な中国人実業家、莫邦富氏と古舘真が協力して出版が実現した。

男女平等への道(明窓出版、古舘真、1,300円)

 日本の社会には家庭や企業に根強く残る深刻な性差別問題がある。それらの問題を解決するために、従来唱えられてきたような「男対女」という極めて単純な視点あるいは「昔から、男が王様として君臨し女が奴隷として扱われてきた。女が男から支配されてきたのだ。女性は一方的な被害者である。男中心社会を改めろ」などというような極端な主張とは全く違う視点から独自に解決策を提言している。
 著者の古舘真は過去のフェミニズムの功績を全面的に否定はしていないが、性差別(特に女性に対する差別)が潜在化しつつある現在、かつてのような教条主義的な女性解放運動の手法では解決が困難になりつつある点を指摘している。
 男性にとっても女性にとっても、より良い社会を築いていくために有効な方策が記されている。
 田嶋陽子氏をはじめとする教条主義的なフェミニズムとは対称的で穏健な発想に基づいている。
 古舘真自身が女性団体や男女共同参画運動に深く関わってきた豊富な体験や綿密な調査による具体的な内容は学者による机上の空論より遥かに有用である。
 とてもユニークな作品で、多くの女性から注目されている。
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