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ワシントン・ダレス空港:アメリカン航空77便
ボストンから南西に数百マイル、バージニア州ワシントンDCの郊外にあるダレス国際空港では、さらに5人の男たちが早朝の便に搭乗する準備をしていた。7時15分、その一組ハリド・アルミダルとマジェド・モケドが、空港カウンターでロサンゼルス行きアメリカン航空77便の搭乗手続きをした。それから20分以内に、ハニ・ハンジュル、ナワフ・アルハズミとサレム・アルハズミの兄弟が続いた。
ハニ・ハンジュル、ハリド・アルミダル、マジェド・モケドは乗客事前識別コンピューター・システムで警告が出された。またハズミ兄弟は、搭乗カウンターのアメリカン航空顧客サービス窓口によって追加検査の要ありとされた。兄弟の1人が写真付き身分証明を持たず、英語が分からなかったので、2人とも怪しいと考えられたからである。これらの結果は、彼らが搭乗したと確認されるまで検査したバッグを機内に入れないというだけであった。
ハイジャック犯5人全員がメイン・ターミナル西の保安検査場を通り抜けたが、責任をもつ航空会社ユナイテッド航空はアルゼンブライト警備会社に検査を下請けさせていた。検査場の閉回路テレビは検査される犯人たちを含む乗客全員を記録していた。7時18分、ミダルとモケドが検査場に入った。
彼らは機内持ち込みバッグをX線検査機のベルトコンベアに載せ、最初の金属探知機に進んだ。2人とも警報が鳴り、別の金属探知機に向かわされた。ミダルは警報が鳴らずに検査場の通過を許された。モケドは鳴った後、検査員に金属探知棒で身体検査された。彼はこの検査を通った。
約20分後の7時35分、77便の別の乗客、ハニ・ハンジュルがメイン・ターミナル西の検査場で持ち込みバッグ2つをベルトコンベアに載せ、警報なしで金属探知機を通過した。すぐ後に、ナワフとサレム・アルハズミが同じ検査場に入った。サレムは金属探知機を通って進むことを許されたが、ナワフは両方の金属探知機が鳴ったので通される前に金属探知棒で検査された。さらに、肩に掛けていたバッグを爆発物探知機で検査されてから通った。ビデオ映像は彼が腰ポケットの縁を切り抜いて正体不明の物を入れていたことを示している。
後に、これら保安検査の作業を地元にある連邦航空局(FAA)の民間航空保安課が調査したとき、検査員たちは何も異常を思い出さなかった。コンピューター・システムに選出され、彼らが検査した乗客たちの1人も思い出せなかった。我々が検査の専門家に金属探知棒で検査している映像を見てもらったところ、彼は検査員の仕事の質を「せいぜい最低限」と見た。検査員は警報を鳴らした物を「識別して」おくべきだったが、モケドとハズミの場合にそうしなかったのは明らかだった。
7時50分、マジェド・モケドとハリド・アルミダルが搭乗し、エコノミークラスの12Aと12Bに着席した。すぐ後に続いて、ハニ・ハンジュルがファーストクラスの1Bに着いた。ハズミ兄弟は5Eと5Fで、ハンジュルと一緒にファーストクラスのキャビンにいた。
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