サッカー王国埼玉復活

全日本少年サッカー 去年浦和FCに続き、江南南SSが優勝!埼玉県勢連覇!サッカー王国復活の予感!
「キャプテン翼」の静岡代表「南葛FC」と埼玉代表「明和FC」のように・・!静岡・埼玉のサッカー王国復活を願う!

 地元サッカー界のご意見番的な存在である埼玉県サッカー協会の松本曉司会長が大胆な改革に着手している。中でも最優先課題に挙げているのは若年層の強化育成だ。同会長は、かつてのように埼玉県出身選手が「Jリーグや日本代表の試合に名を連ねる日」を熱望している。

優秀な指導者と審判、奨励金導入・・・王国復活へ土壌作り着々

Q.サッカーどころとして名をはせる埼玉だが、実はトップレベルで活躍できる一流選手を輩出しなくなって久しい。埼玉サッカーが危ない!松本会長は、かなり前から警鐘を打ち鳴らしてきた。

A.松本 危機感を持ち始めたのは15年ほど前でしょうか。学校サッカーでは、優秀な選手をかき集めて目の前の大会に勝ちさえすればいい、という傾向があ長く続いていました。少年団レベルに目を転じると、頭ごなしに怒鳴りつける指導がいまだに後を絶たない。 これではJリーガーや日本代表選手は出てきません。



Q.何より自主性のある選手が少ないと嘆く。

A.松本 指導者が実績を上げようと焦るあまり、子供たちに考える習慣をつけさせないからです。自分の頭で考える子は立ち止まりながら進むから、強制的に育て上げた場合に比べると伸びるカーブは多少緩やかかもしれない。しかし最終的に選手として完成する30歳ころまで、確実に成長を続けることができる。 促成栽培だと、こうはいきません。



Q.Jリーグ発足後の全国的な競技人気や日本各地へのトレセン普及のおかげで、限られた県から一流選手が出る状況ではなくなった。これは日本サッカー全体の発展を考えれば、むしろよい傾向だ。埼玉だけが以前のように突出する必要性などあるのだろうか?

A.松本 全国的なレベルの底上げは、もちろん歓迎すべきことです。ですが別の側面を考えれば、やはり埼玉は他の地域より1歩先を行かなければならない。



Q.2002年のW杯会場として建設された埼玉スタジアムに、その理由があるという。

A.松本 県民や企業、各種団体や行政の多大な出費とご理解を得て、780億円もの費用で建設された立派な競技場です。協会としても、素晴らしい施設を提供していただいた恩返しをしなければならない。では最善の策は何か。Jリーグや代表の試合で、県出身のスターが埼玉スタジアムのピッチを駆け抜けることですよ。彼らの姿を「私たちの選手だ!」と観戦に訪れた県民やスタジアムゆかりの皆さんに喜んでいただく。一番の還元の方法だと思いませんか?



Q.そのようなプレーヤーを生み出すため、協会事業の最重点項目としてユース、ジュニアユース世代の強化育成を掲げている。選抜チームを海外に遠征させたり、逆に海外からチームを招へいして試合を行うだけでなく、全国でも例のない大ナタを振るった。

A.松本 東松山のリコー研修センター内に、人工芝ピッチを作らせていただきました。協会所有のグラウンドがあるのは、日本でも埼玉だけです。ここでは審判や指導者の講習会を、格安の参加費で行えます。よい指導者、優秀な審判の数を増やすことが、豊かな育成土壌のための第1歩なんです。名選手はいきなりぽっと生まれたりはしませんから、幼い年代から大切に育てなければ。



Q.さらに異色なのは、今年から設けられた新制度である。

A.松本 U-12からU-15までの中で有望選手を毎年厳選し、彼らの親御さんに奨励金をお渡しすることを始めました。子供たちにサッカーを続けさせるだけでも、家計をかなり圧迫するものなのです。学費はもとより道具代、遠征費、食べ盛りの年ごろですから食費だって無視できません。経済的事情で競技を断念せざるを得なくなった有望選手を何人も見てきました。可能性ある選手のご両親の負担を少しでも軽くしてあげたい、というのが目的です。



Q.数々の独創的なアイデアを実行に移せるのも、潤沢な予算があってのことだ。全国トップレベルの登録チーム数もその一因だが、埼玉スタジアムやプロクラブの存在の貢献を抜きには語れない。

A.松本 日本代表や浦和レッズ、大宮アルディージャの試合が行われると、日本協会やJリーグから開催都道府県協会に還元金が交付されます。これが大きい。代表の試合を行える立派なスタジアムと、Jリーグの2チームがあればこその貴重な収入源なのです。この点からも、1日も早く埼玉出身のスター選手を生み出すことが、サッカー界への恩返しにつながります。



「日刊スポーツ埼玉サッカー」創刊号より 毎週水曜の家庭版に配布されている