
〜Lastupdate:2013/09/20〜

このページは、96年12月に発売され、一部から「鬱ゲー」呼ばわりされてたり、「もはや誰も黙して語らない」「なかった事にしたい作品だったとか」「黒歴史」などと、何かと邪険に扱われている「for elise 〜エリーゼのために〜」の紹介を行っている。ひまつぶしに。
すでに発売から10年以上経過しており、公式サイトも消滅。まともに紹介を行っているサイトはほぼ皆無。
……じゃああたしが紹介ページ作っちゃえと。作った本人が紹介するってのがすげーバカくさいね。はっ、はずかしー。きゃあ☆

……無能な男がいた。趣味も生き甲斐もなく、無口で暗い、ただ生きているだけの男がいた。
そんな男も社会に出るようになり、女友達ができるようになった。
いつも男につらくあたるOL、地方から出てきたばかりの保母、自分の暗い過去を知る中学の同級生……。彼女たちと出会えたのは、恐らく男の人生の中で最初で最後のことだろう。淡い想いを抱きつつ、彼女たちと語らい、食事を共にし、相談事をきいてやる……そんなどこにでもある風景を自分が体験できたことに喜ぶ男だったが、所詮は無能でしかない男を、女性たちが「男性」として扱ってくれるはずもなく、単なる語り友達としかとらえてはくれない。彼女たちは都合のよい時だけ男に寄り添い、飽きれば言葉もなく去っていくだけだった。

女性たち、そして自分自身に対する絶望感。男の精神は次第に妄想世界へと流れてゆく。空虚な妄想の世界であっても、男にとっては天国だった。現実の世界では決して身体を許すことのない女性も、妄想の中では思いのままにその柔肌に牙を立て、陵辱の限りを尽くすことができる。そしてなにより、永遠に聞くことも許されないであろう愛の言葉をささやいてくれるのだから。
現実と狂気、その狭間を彷徨いながら男が行き着く先とは……。





発売当時から特に話題にも上らない地味なゲームだったが、売れ行きはまぁまぁ[要出典]。ユーザーハガキの感想も「自分と重なる部分があって鬱になった」みたいなものが多かったように思う[要出典]。
さて、ネットで感想とかレビューを探すとあまりいい事は書かれていない[要出典]。中古品に高いカネだしてこれじゃ怒るわな。いや、音楽だけは絶賛されてるけども。
- マルチエンドAVG。(ただしコースは2通りのみ)
- いわゆる「おまけモード」がない。
- とにかく短く、わずか3時間でクリア可能。
- 無意味に移動を強いられる。
- 一般人にはおすすめできない。
……ところが。鬱ゲスレとやらを眺めてたら見知らぬ人々からの喜びの声が!!
- 個人的にキングオブ鬱ゲー。なんせ一切の救いが無いんだから。
- ある意味、鬱ゲーの教科書的存在。涙も感動も残さない。鬱のみ。
- 就職活動中とか、会社でイヤなことがあった時とかにやると、マジに鬱になる。
- ユーザーを嫌な気分にするためにのみ作られたとしか思えない素敵なゲームです。速攻で売らせていただきました。
- 「エリーゼ〜」の恐ろしいところは、ひたすら人間の暗黒部分やマイナス思考をしつこく徹底的に書き連ねていること。
- ありもしない保母さんハッピーエンドを求めてリプレイを重ねて鬱の蟻地獄にはまった日々を思い出す。
- エリーゼ、さよならをやり終えて、残るクラフトワーク作品フラワーズを買ってきたんだが……正直他の2作よりも緊張してプレイしている。何も信じられない。
……最後のヤツ最高!!!!

今さらではあるが、本作のテーマは「狂気」ではない。「狂気」という文言はあくまでも表向きのものであって、書いている本人にとってのテーマは「現実」である。
人にとってもっとも恐ろしいものは「現実」であって、狂気や妄想などというものはそれに付随するものでしかない。人は何故狂気を抱くのか、何故妄想に耽るのか。それは「恐ろしい現実」に日々追われているからに他ならない。

さて、本作は一部で「鬱ゲー」と呼ばれているらしい。どういう括りなのかはリンク先を見ていただくとして、ともかく「鬱になれるゲーム」なのだそうだ。では本作の「鬱」とは何かと言えば、「職場で酷い目に遭って鬱」「女性から酷い事をされて鬱」という2点を指していると思われる。(「デキが悪くて鬱」というのは忘れて欲しい)
職場における鬱は、大半の社会人が体験している事で己を投影しやすい。本作で鬱になれるという人々は「失敗だらけでいつ会社を辞めさせられるかわからない(気がする)」「会社で誰にも相手にされていない(気がする)」「上司どころか同僚や後輩からも役立たずと思われている(たぶん当たり)」といった不安に駆られた経験がある筈だ。これらの不安を感じた事が無ければ、あるいは想像ができなければ、恐らく本作で鬱にはなれない。

もう一つの鬱、「女性から酷い事をされて鬱」について。可愛い女性が現れ、仲良くなり、躰を求め合う……それがエロゲーの本道だろう。だが現実にはそんな旨い話は滅多に無く、主人公・日置のように小馬鹿にされ、見下され、傷つけられる事も多い。現代においては一生それが続くのではないかという不安を持つ者もいる筈だ。本作はそんな「もてない男が、もてない己を写す鏡」となっている。だから鬱だと嘆く。普通は「そんな女忘れて次の女に行けばいい」と鼻で笑う所だろうが、生憎普通では無いから鬱になるのだ。
本作では「主人公の妄想」の中で、女性たちを灰皿や便器、ゴミ箱などにして陵辱する描写がある。女性たちに何も言い返せない情けない主人公ちゃんが夢の中でくだらない仕返しをしているという、シュール極まりないシーンだ。
なお本編では触れていないが、実は夢でも妄想でもなく、後に本当に全部やってしまっていたりする。そしてエンディングでは血みどろになった部屋(引っこ抜いた手足が転がってたりする)が横スクロールで流れてスタッフロールが……みたいなのをやりたかったのだが、色々な意味でヤバそうなのでそんな絵は出てこない事になった。
なお、色々な意味で自重された残虐描写は、この翌年に発売される「地獄SEEK」からやり放題となる。
どれもこれも名曲揃いなのだが、音楽モードが無いために曲名を全く知られていない。発売当時に雑誌に載せて貰ったのだが、もはや誰も知らないだろうから、ここに載せておく事にする。
- M-01 「Eによる変曲」
- M-02 「焦燥」
- M-03 「惨劇の夜」
- M-04 「歪んだ玩具」
- M-05 「MORNING」
- M-06 「赤い月」
- M-07 「滑る」
- M-08 「街〜見えない雪〜」
- M-09 「HA!」
- M-10 「午後の幻像」
- M-11 「終曲」

むしろ、ゲームそのものがレア……(パクリかよ)。
パッケージはいわゆる「CD紙ジャケットサイズ」になっている。無駄に大きなパッケージはやめてシンプルに行こうと。マニュアルもパッケージ自体に印刷しており、付属品はアンケート葉書のみ。いらなくなった時に棄てやすく地球にやさしい、大変エコロジカルなパッケージといえよう。ただし平置きされていない場合かなり見つけにくいのが玉にキズ。

発売から10年以上経過しているため入手はかなり困難と言われているようだが、中古ソフト屋やネットオークションを探せば入手自体は可能な様子。
「3,980円」が相場だそうなので、それ以上の価格での購入はまったくおすすめしない。最近では「さよなら〜」人気に便乗して「15,000円」だの「49,750円」だのとキチガイ法外な価格で販売しているショップもあるが、こちらにはビタ一文入って来ないので勝手にしろと言いたい。
……さて、パッケージの裏には細かくどうでもいい文句が書かれている。その中でも以下の文章がよく感想サイトで取り上げられるようだ。
このCD-ROMには正義・正論・愛・恋・友情……は入っていません。狂気・妄想・鬱・変・劣情……そんなソフトです。ご了承の上お買い上げくださるようお願い致します。
……伊集院光ファンなら「GAMAN everybody」のフレーズのパロディだとわかっていただけるハズなのだが、誰もそういう事を書いてくれない。
八重垣さんと一緒にガキを探した後のこのシーンが何となく好き。この後、主人公は勿論、八重垣さんも落ち込んだろうなぁ……てなワケで抜粋してみる。
***「あの……コピーなら、僕も手伝いましょうか」
ちとせ「これくらい、一人で出来るわ」
***「でも……」
ちとせ「いいから早く帰って。あたしだけで大丈夫だから」
***「でも……」
ちとせ「じゃあ、全部あなたがやってくれる!?」
***「え……」
ちとせ「早く帰れば!? これはあたしの仕事なんだから!!」
***「は、はい……」
ちとせ「自分の仕事もろくにこなせないくせに、他人の世話しようなんて、偉そうに!!」
***「で、でも……」
ちとせ「迷惑なのよ!!」
***「……」
……ちなみに「迷惑なのよ!」はウチの姉貴の必殺技。

少々汚い写真だが、当時の雑誌用の1P広告をプリントアウトしたのが1枚残っていたので載せておく。
「現実と妄想と狂気と……」って、こんな広告で誰が買うのか。この当時はまだフルカラーCGの作品はほとんど存在しておらず(他社はほぼ256色CGだった)目新しかったのか、思ったより売れたのだった。
よく掲示版などで「大した本数は出てないだろう」などと適当な事を書き込んでる輩がいるが、実は結構な本数が世に出ている。「入手困難」については廃棄しやすいパッケージが仇になったのだろう。

激務で死にかけている最中、絵描きの部屋に遊びに行ってみたら、見開き広告がこの世に存在していたコトが判明。こんなふざけた広告が雑誌に見開きで載ったらしい。世の中には知らないコトがいっぱいだ。
……つーか何かねこのワケのわからない広告は!

アップにしてみるとどれだけワケがわからないかがよくわかる。売る気ゼロ。
……そういや当時のあたしも絵描きもやる気ゼロで、会話もなく、顔も合わせず、「売れようが売れまいがどうでもいいんだよ。気に入ったヤツがいたら買えばいいんだ畜生め」くらいの気持ちだったのでこんな広告を作ったのだろう。
こんな広告見て、気に入ったヤツがいたんだからオドロキ。世の中はワケのわからないコトがいっぱいだ。

元CWスタッフの縄君よりありがたくもPocketPCなる物を頂戴した。せっかくなので「エリーゼのために」をインストールし、いつでもどこでも鬱に浸ろうじゃないか、というのがこの企画……ってまたパクリかよ。
製品版はさすがにシステムが古すぎて動作しないため、個人的にビルドし直したヤツを突っ込んでみたら即動作……したのだが、かなり難あり。

ふ〜む……。表示や動作の問題は本編側をいじれば何とかなるな……などと本末転倒な事を一瞬考えてしまったが、充分ネタになったのでもういいや。縄君ありがとう。
これでいつでもどこでもエリーゼ、できなくていいよ……。
ちなみにflowersも入れてみたが、マイナーな命令を使ってるせいで、おまけの「性欲の強い看護婦」の絵が出ず。じゃ改造すっか。しねぇよ。

……戯れに購入したアドエスに突っ込んでみた。画面は非常に美しいが「終了できない」とゆーとんでもないワナが待っていた。まぁいい、二度と起動するつもりないし。ふン。
つーかさ、こんな小ちゃい画面で選択肢をタップしまくるのは地獄でしかないよ。目ェ悪くなるし。良い子はマネすんなよ。

実は新しく作り直した本当の理由はMacで動作させるため。元々MacとWinのハイブリッド版で出したかったので、これが本来の姿だったりなんかする。
や〜、10年以上の歳月を経てよーやくMac OS Xで動いてるよ。ウケまくり。ホント、バカだねぇ。
パクリ元の作者様よりメールをいただきまして、ありがたくもリンクまで張っていただいちゃいました。
「正直、不可能と思われていた『for elise』を、PDAで動作させている方がいらっしゃいました」
……ども。動作させちゃいました。いたずらに。でもこれはエリーゼの作者である私が勝手にやった「遊び」でありまして、非公式もいいとこな上、フツーの人には出来ない芸当ですので、そこんとこよろしく。古い。
これについてはあたしはノータッチ。当初の脚本ではフツーな名前だったのだが、「日本酒から名前を取るのだ!」と原画担当のいつものアレが始まったので「好きにしなさい」と。
以下、作中で使われたと思われる日本酒の名前。真澄と久保田はどこにでも置いてある有名どころですな。関係ないけどあたしゃ八海山の吟醸が呑みたい。あ、飛良泉は酸味が強過ぎで、いかにも「いずみさんの味」だったって事を付け加えておく。日本酒ばんざい。

「エリーゼ」の背景を今数えてみるとオドロキの少なさ、実質13枚(イベントCGの背景やムリヤリ暗くして「夜」にした絵はのぞく)しかなかった。
撮影の舞台は千葉県某MAD市。生まれてから30年以上私が住んでいる小汚い町だ。早朝、シナリオに詰まってどうしようもなくなるとカメラを持ち出してあちこち撮影しまくっていた。
……ただホテルだけは男一人で撮りにいくワケにもいかないので、某氏に頼んで女連れで撮りに行って貰った(ちなみに公園も某氏に撮って来てもらったものでMAD市の公園ではない)。

さて、バス停は某MAD市内の某○ヶ沢中学の前にあるもの。そして、千歳がうろついていた住宅街は某常○平だ。
ちなみに「flowers」でも某MAD市の風景がやたらに登場する。同市在住のユーザーは「あっ、五○駅!」とか「うほ、馬○駅!」とか場所を特定したりなんかしてせいぜいほくそ笑んでいただきたい。これもすべて貧乏がなせる技と言えよう。
これ観ればなんとなくでも雰囲気はわかるんではないかと。メインテーマとBGM集ですな。生首の目が開く演出とかあってちょっぴり楽しい気分。
あと、このサイトをネタにした紹介動画を作ってくれた人とか長いプレイ動画まで作った人もいるのね。どうもありがとう、愛してるよ。
←まったく関係ないが、なにげにOPフル。 |
ヒマつぶしに「その後どうなるのか」ってのを考えてみたが、主人公は数日以内に間違いなく逮捕されますわな。部屋から異臭がするし。んでこういう中吊り広告が出ますわな。たぶん。
「ありえない異常殺人! 4人もの独身女性を惨殺し部屋に飾っていた落ちこぼれ営業マン! 同僚が語る『みじめすぎる落ちこぼれっぷり』!」(週間●スト11/25号より抜粋でございます)
久保田くんによってあるコトないコト散々ネタにされ、死刑執行されちゃうんでしょうな。かわいそうに。
- タイトル
for elise 〜エリーゼのために〜 - ジャンル
アドベンチャーゲーム - 対応規格
Windows95 - メディア
CD-ROM - サウンド
CD-DA形式 - 画面モード
640×480フルカラー - CGモード
なし - 音楽モード
なし - 回想モード
なし - ボイス
なし - 企画・開発
CRAFTWORK - 販売元
VisualArt's - 販売価格
7,800円(税別) - 発売日
1996/12/6 - 備 考
生産終了
- 企画・原作
CRAFTWORK - キャラ設定・原画
長岡建蔵 - 構成・脚本
小林英茂 - CG
Flying Shine 長岡建蔵 - 音楽
さっぽろももこ
- ErogameScape−エロゲー批評空間−
エロゲー批評空間は、エロゲ版のwiki。誰でも編集できるシステムなので、レビュー・長文感想をカキコミに行くのはやめてくれお願いだから。死にたくなるようなコトが書かれてるのであたしゃ読まないけども。
- for elise
ジャンさんのサイト。「もはや誰も〜」って記述にムシャクシャ触発され当サイトが誕生した。
あたしはこの「for elise 〜エリーゼのために〜」を美化するつもりは毛頭ない。あの当時の精一杯がこれなのだ。どう贔屓目に見ても仕上がりは酷く、到底高評価を得られる製品にはなっていない。
こんな酷い製品を、今でも「欲しい」と言って探している人が居るとはとても信じられないのだが、それが「さよならを教えてが凄かった。じゃあその前に出たエリーゼもさぞ凄かろう」といった妙な期待や、人づてに聞いた「美化されたウワサ」から購入を検討しているのだとすれば、おそらくほとんどの人ががっかりするはずだ。
「凄いと聞いて買ったのに酷いもんだった」などとがっかりされるのは本意ではない。購入するか回避するかの判断材料にこのページを加えていただければこれ幸い。
2013/9/20追記
久々に検索してみたら動画がいくつか増えてて感動のるつぼだったので、このページを再公開しました。わざわざキャッシュにまでリンクしてもらうほどのもんじゃないしね。
ご意見、ご感想とかございましたら……えーと、巨大掲示板とかで。たまに検索して遊びますんで。