−− ウィンドサーフィンのレースっていったい何者? −−
【はじめに】
ここではウインドサーフィンをを全然知らないような人向けに競技内容について
解説するものです。
ウインドには様々な種類の道具があるため、それに合わせレース種目も数々あり
ます。
【競技用道具の種類】
ボード(板)については大別すると微風用のロングボード、強風用のショートボ
ードの2種類に分けられる。
ショートボードはさらにスラロームボードとウェーブボードの2種類に大別され
る。
(レースボード)ロングボードとも呼ぶ
全長約380cm、重量約15kg、ボリューム約250リッター、フィンサイ
ズ約40cm、
ダガーと呼ばれる長さ約70cmの羽のようなパーツが水中にある。
このダガーは風上に進むために使用し、風下に下りたい時はボードの中に収納操
作できる。
このダガーは微風にて風上に進むために非常に重要なパーツである。
ルール上でセイルはサイズが7.5平米以下と定められている。

(スラロームボード)ショートボードとも呼ぶ
全長260cmから310cm、重量6kgから8kg、ボリューム80リッタ
ーから170リッター、
ダガーが無いのが特徴。
フィンサイズは26cmから56cm。
ショートボードは強風で高速に走ることを前提に設計されており、水の抵抗が少
なくなるよう小型軽量にできている。
小型で浮力もないので無風から微風で乗るのは著しく困難だし、
そんな状態で乗っても楽しくない。
セイルサイズ規制のルールは無いが、スラロームボードが走行困難な無風や微風
でレースが行われないように
最低風速のルールがある。通常は風速4m/s以上の場合がほとんど。
(ウエーブボード)ショートボードとも呼ぶ
全長250cm前後、重量約6kg、ボリューム70リッター前後、フィンは20
cm前後。
サーフィンのように波乗りしたり、ジャンプしたりと技をする目的のボード。
無微風で乗るのは殆ど不可能。走らない状態で人間が乗ると沈んでしまう。
【競技種類大別】
レースボード、スラロームボードの大会は共に海上にマーク(ブイ)を複数打
ち、その廻りを数人で一斉スタート、決められた廻り方をし
ゴールに到着する順番を競う。当然、速い人が優勝で、同一大会中に何レースも
行う場合はその総合成績で順位を出す。
ウェーブボードの大会は審判がその選手の演技を採点し順位を決める。波乗り、
ジャンプそれぞれの技の難易度に応じて採点される。
ウエーブ競技のことを通常ウェーブパフォーマンスと呼ぶ。
主な競技種類と内容は以下の通り
(コースレース)
ショートボードの大会においてはアップウインドレースとも言う
スタートラインから最初のマークまでが風上に行くようなコース設定がされる。
第二マークは最初のマークより風下に打たれる。
コースはトライアングル型、スクエア型、Mの字型、Pの字型、etcである。
道具はルールに特別な規定がない限り無風から微風ではレースボード、強風では
スラロームボードを使うのが普通。
競技方法は参加者全員で一斉スタートし1位からビリまで決める場合と、数人の
ヒート(組)にグループ分けし各ヒートから数人ずつ勝上がり、
勝上がった選手だけで最終的に決勝戦を行うヒート制の2種類がある。
(スラロームレース)
8スラロームとダウンスラロームの2種類に大別され、これらは強風でスラロー
ムボードを使い競技する。
8スラロームは海上に2つのマークが風向きと垂直な向きに打たれ、8の字を描
くようにマークを回航する。
選手はマーク回航時以外、常時風とほぼ垂直の向きに走っている。
ダウンスラロームは常に風下にジグザグに進ようなコース設定となっている。
スラロームレースは非常に強風で行われ、衝突の危険が多いことから競技方法は
ヒート制である。
(ウェーブパフォーマンス)
マークは一切なし、ルールで決められた海上エリア内で制限時間内に選手が繰り
出す技が審判による採点の対象となる。
競技方法はヒート制である。
【競技種類詳細】
通常の大会では以下の通り ”**クラス” というように非常に細かく競技ク
ラスを分けている。
主なものを説明する。
(レースボードクラス)略号:RB
使用道具がレースボードによる大会。アマチュア競技で一般的。
(イフカクラス)略号:IFCA
international funboard class asociationの略でプロダクションボードと呼ば
れるメーカ量産品のボードを使用するクラス。
オーダーメイド(カスタムボードと呼ぶ)のボードは使用不可。
セイルの制限は無し。最低風速4m程度で、ショートボードを使う選手が大半。
国内外で行われプロ、アマ共に出場する。日本では事実上最高ステージである。
(フォーミュラウインドサーフィンクラスクラス)略号:FW
アップウインドレースでレース開始前に予め大会に登録した板1本、セイル3枚
だけを使って競技するクラス。
道具は例え破損しても登録した物以外は使えないルール。
最低風速は3.5m/s程度でショートボード使用のクラス。
ワールドカップではアップウインド競技における道具は本クラスルールを適用し
ている。
(レーシング)
クラス名ではないが、ショートボードレースにおけるコースレース、スラロームの一般的
競技形態呼称。
レーシングは道具無制限。最低風速は3.5m/s程度で、特に強風時はスラロ
ーム競技、最低風速側風域では
アップウインド競技を行うルール。ワールドカップ競技ではFWと合わせてこの
カテゴリーで行われる。IFCAもレーシングとして行われることが多い。
アマの大会でもこのルールで行われるものは多い。
【スタート方法】
運営から選手への連絡は陸上では掲示板と旗、海上では運営船からの旗の合図により行われる。
次に一連の流れについて示す。
1)運営側はスタート予定時刻の30分程度前に陸上本部にZ旗を掲揚する。
Z旗は選手に対し、間もなくレース開始するのでレース海面へ向かえという合図である。
2)スタートラインは海上に浮かんだ運営船とその近傍に打たれた特定のマークを結ぶ仮想線上である。
3)運営船には予め決められたスタート時間数分前に旗を掲揚する。
選手はそれを見て腕時計のタイマーをセット。スタートのタイミングを計る。
旗のパターンは大会毎に異なるが、最も多い旗のパターンは、6分前に赤旗掲揚、4分前に赤旗降下、
3分前に黄旗掲揚、1分前に黄旗降下、スタート時刻に青旗掲揚、である。
4)スタート時刻前にスタートラインより前に出るとペナルティを与えられたり失格となる。
【ゴール】
ゴールラインは運営船と近傍に打たれた特定のマークを結ぶ仮想線上である。
ゴールした選手は運営船からセイル番号のチェックを受ける。
ゴールにはタイムリミットがあり、選手はトップフィニッシュの選手より著しく遅れると着外とされる。
運営側は他のマークにおける全選手の回航もチェックしており、それらを全て確認したうえで
順位を確定して陸上本部にて掲示版に発表する。
順位は数字で記録されるが、その他以下の扱いがある。
DNF=don't finish(途中棄権やタイムリミットでゴール不能の場合)
DNS=don't start
DSQ=?(ルール違反で失格)
RET=retire(選手自ら運営に棄権を申告、申告しないとDNFになる)
【レース用語】
その他、レースレポートによく出てくる用語の解説です。
(あ行)
アビーム
風向きと直角の向き
アウターマーク
スタートラインにおける下側末端(本部船と反対サイド)に打たれたマーク
一上・・イチカミ
コースを1周目で回航する場合の上マークのこと。
(か行)
上・・カミ
色々な場面で使うが概ね風上側のことを指す。
スタートラインで上と言うと本部船側のことを指す。
上マーク
コースレース(アップウインド)種目におけるスタート後最初に目指すマーク。
スタートラインより見て真風上に設置される。
クローズ
風上に向かって走る状態
(さ行)
下・・シモ
色々な場面で使うが概ね風下側のことを指す。
ただし、スタートラインで下と言うと本部船と反対側(アウターマーク側)のことを指す。
ジャイブ
風下へ進行方向を変えながら方向転換すること。
スタボーからポート、ポートからスタボーに変わる瞬間に行う。
スタボー
スターボードタックの略語。
スタ−ボードタック
進行方向右側から風を受けた状態で走行すること
ストラップ
ボードについているサンダルのように脚を入れる帯。
両足を入れる数だけある。総数は板により異なるが
レースボードでは8個から10個、スラロームボードでは4個あるのが標準。
ゼネラルリコール
レーススタート直前にあまりにも多くの選手がスタートラインを超えており(フライング)
ペナルティ対象者を特定不能な場合に、本部側がそのスタートをキャンセルしやり直しにすると宣言すること。
本部船はゼネラルリコールになったことを示す特定の旗を掲揚し選手に知らせる。
ゼネリコ
ゼネラルリコールの略称
(た行)
タッキング
風上へ進行方向を変えながら方向転換すること。
スタボーからポート、ポートからスタボーに変わる瞬間に行う。
タック
タッキングの略語。
(な行)
二上・・ニカミ
コースを2周目で回航する場合の上マークのこと。
(は行)
ハーネス
乗る人の体とリグを固定する装置。
乗る人は腰叉は胸にフックの付いた腹巻きのような装置を身に付ける。
道具側にはハーネスラインというヒモを装着しておき、乗り手はこのヒモに腹巻きのフックを引っかけ、
セイルを体重を使って引き寄せる。
もし、ハーネスがないと腕力だけで風の力に逆らってセイルを引っ張ることになるので、すぐに疲れてしまう。
パンピング
風が弱い時、より強い推進力を得るためにセイルをウチワのようにバタバタ仰ぐ行為。体力消耗は非常に激しい。
ブラッグフラッグルール
スタート時にリコールすると即失格となるルール。
文字通り真っ黒の旗が本部船に掲揚される。
この旗が揚がると選手はスタートにナーバスになり際どいスタートがし難くなる。
フリー
アビームより風下に向かう状態
プレーニング
ウインドが高速走行している状態。
乗っている人がハーネスを掛けていて、なおかつストラップに両足を入れた状態であることを
プレーニングしていると言う。
ポート
ポートタックの略語
ポートタック
進行方向左側から風を受けた状態で走行すること
(ま行)
マーク
競技に使うブイのこと。三角形や円柱形等いろいろな形状の物がある。
(ら行)
ラウンド・ジ・エンドルール
スタート時にリコールを食らった場合のペナルティ解除方法を規定したルール。
アウターマーク叉は本部船の外側を1周回り、スタートラインに戻ればペナルティ解除される。
ランニング
真風下に向かって走る状態
リコール
スタート時刻前にスタートラインより前に出てしまい、本部船からペナルティを宣言されること。
本部船はマイクを使い大声でその選手のセイル番号をアナウンスする。
ラウンド・ジ・エンドルールが適用されている場合はアウターマーク叉は本部船の外側を1周回り
スタートラインに戻ればペナルティ解除される。それをせずにレースした場合は失格になる。
また、ブラッグフラッグルールが適用の場合は即座に失格でレース参加できなくなる。
レグ
マークとマークの間のこと
おわり