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ここでは、哲学・宗教の領域において、入門となるような本を紹介する。何であれ、あるテーマを勉強するなら、そうだと思うが、特にこの領域においては、原典に触れることが何より大切である。主要な、哲学・宗教の原典(古典)を紹介するとともに、解説書・研究書においても、筆者が「自分自身で」書いた、魂の入ったものを紹介した。単に公平中立な概説書ほどつまらないものはないし、また、独断的な心の持ち主によって書かれたものは、好奇心をあおるかもしれないが、本物の益にはならず、読者を育てない。
以下、いくつかの本について、インターネットの本屋であるAmazon の、その本の紹介ページへ直接リンクしています。興味のある人は、ぜひ入手して読んでみて下さい。
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・『自己成長の基礎知識1〜3』
R・フィレイジャー+J・ファディマン著
吉福伸逸=監訳 春秋社
『第1巻 深層心理学』:2575円
『第2巻 身体・意識・行動・人間性の心理学』:3400円
『第3巻 東洋の心理学』 :1800円
トランスパーソナル心理学研究所のトランスパーソナル理論の講座で使われている教科書の一つ。全3巻で構成されている。内容は、1巻が、「深層心理学」で、第1章、ジークムント・フロイトと精神分析、第2章、カール・グスタフ・ユングと分析心理学、第3章、アルフレート・アドラーと個人心理学、第4章、カレン・ホーナイと女性の心理、第5章、エリク・エリクソンとライフサイクルといった内容。
各章ごとに、経歴、知的系譜、主要概念、女性心理、ダイナミクス(人間を突き動かす原理。フロイトならリビドーなど)、評価、原典から(の引用紹介)、練習問題(実際に、自分自身や他の人に適用して、理解を深める)、(参照)文献、といったような節がある。
第2巻「身体・意識・行動・人間性の心理学」も同様の形式で、ライヒ、パールズ、W・ジェームズ、スキナー、ロジャーズ、マズローが取り上げられている。第3巻は、(2001年の時点では絶版ということだったが)ヨーガとヒンドゥー教の伝統、禅仏教、スーフィズム、といった内容が取り上げられている。
入門書でありながら、各思想に対して、よく洞察されて要点がおさえられている。
・『ブッダのことば―スッタニパータ』
岩波文庫 
ごく初期の仏教経典。最も古いものと言われ、最もブッダ自身に近いものと言われる。簡潔な語り口で、分かりやすい。
・『維摩経』(ゆいまぎょう) 『世界の名著 2 大乗仏典』 )中公バックス 所収 ほか
初期の大乗仏典で、ストーリー性に富み、内容も分かりやすい。菩薩について、シンプルに理解できる。量も手頃。
・『金剛般若経』 『般若心経・金剛般若経』岩波文庫
『世界の名著 2 大乗仏典』 )中公バックス 所収 ほか
ほかこれも初期の大乗仏典で、内容が分かりやすく、大乗仏教の雄大な雰囲気を味わえる、感性に訴える作品。
・『仏教の思想』 梅原猛他著
角川文庫ソフィア
(一巻あたり、約800円)
仏教の解説書のシリーズ。全12巻。この解説書シリーズは、文庫本になっていて安いのが先ずいい。全12巻の内容は、インド編が、@知恵と慈悲<ブッダ> A存在の分析<アビダルマ> B空の論理<中観> C認識と超越<唯識> 中国編、D絶対の真理<天台> E無限の世界観<華厳> F無の探求<中国禅> G不安と欣求(ごんく)<中国浄土> 日本編、H生命の海<空海> I絶望と歓喜<親鸞> J古仏のまねび<道元> K永遠のいのち<日蓮>。
各巻とも、中身は3部構成になっている。第1部ではその領域の一流の仏教専門家(増谷文雄(ブッダ)、田村芳朗(天台)など)が、その領域について概説している。第3部では、哲学者として、梅原猛または上山春平が、その特定の仏教思想を、西洋哲学と比較させながら、その思想に迫る。第2部では、1部と3部の著者の対談が入る。
西洋哲学をそれなりに知っていれば親しみを持って、その仏教思想の領域にアプローチしていくことができる。 内容として、入門向けであり、それほど難しくなく、かといって表面的でなく、幅広く哲学的なアプローチも行われている。本来、昭和43年に角川書店から出されたもので、古いが、初心者にとっては、ほとんど問題ないだろう。
・『饗宴』 プラトン著
中央公論社(『世界の名著・プラトンT』所収)他
『饗宴』岩波文庫
プラトンの著作の中で、おそらく最も一般的に理解されやすい本だろう。 愛をテーマにしている。自由闊達な哲学の雰囲気が味わえる。 よく哲学の初心者向けの原典として、『ソクラテスの弁明』(プラトン)と、『方法序説』(デカルト)が挙げられるが、私はこの本が一番いいと思う。
・『ソクラテスの弁明』 プラトン著
岩波文庫
新潮文庫
中央公論社(『世界の名著・プラトンT』所収) 他
・『国家』プラトン著
『国家〈上〉(下)』岩波文庫
中央公論社(『世界の名著・プラトンU』所収) 他
国家論の古典。国家、人の集まり、真理、教育、芸術、あらゆることが独創的な卓越した視点から論じられている。2300年の時を超えて、プラトン自身から、訴えかけるものがある。
大部だが、楽しみながら一気に読める本。
・『哲学とは何か』 ヤスパース著 林田新二訳
白水社 2800円
『哲学入門』新潮文庫
(『哲学とは何か』は、論文集であり、その中心部分が、この『哲学入門』。『哲学とは何か』の約半分を占める)
著者ヤスパースは20世紀の哲学者。西洋哲学史が述べられるとき、絶対欠かせない哲学者というほど著名ではないが、それなりに多少詳しい哲学史を述べるなら、必ず出てくる哲学者である。20世紀最大の哲学者といわれるハイデガーと並び称されることもある。思想家ハンナ・アレントは彼のことを、本当の意味でのカントの後継者と評した。ある面、彼は、西洋哲学史の総まとめ的思想を提示した人なのである。キリスト教的な伝統に沿って無限なる超越者としての神を認めつつ、哲学者としての良心をもちつつ、また積極的に政治的方面にも意見を述べて時代に対して傍観者となることのなかった人なのである。
彼の哲学は、自己完結的なヘーゲルの荘厳な哲学とは違った、自己自身と超越者を見つめる実存哲学であり、閉鎖的・独善的なキリスト教的神観や、閉鎖的な無味乾燥な唯物論的な世界観でもない、神観(超越論)を展開したものである。彼ほど、本当の誠意を持って過去の世界の哲学史上の偉大な思想家たちの思想を受け止めた哲学者はいなかったかもしれない(独自のスタイルの哲学史『偉大な哲学者たち』に、その研究はまとめられている)。そしてまた彼は、何よりその上で、自分自身の実感に基づいて哲学する実存哲学者だった。彼の哲学は、コミュニケーションを非常に重視した「理性」の哲学でありかつ、自己自身をテーマにした「実存」の哲学なのである(『理性と実存』)。また力強い良心を貫いた思想家であり、その点で、何らかの意味で、社会や神といったものに対して背を向けた、マルクス、サルトル、ニーチェ、ハイデガーなどと異なっている。
さて、そのようなヤスパースだが、一方で、同時に、ハイデガーなどと比べると、独自性、完結性、思想としての明確さ、訴えかけに欠けるといえ、ある意味、平均的ともいえ、それゆえにあまり重視されないのである。
以上のような特徴を持った哲学ゆえ、彼が哲学入門書として、彼自身の哲学に基づいて書いた『哲学とは何か?』は、入門者には、おすすめできるのである。幅広く、偏見がなく、かつ平面的でもなく、良心的で誠意のある哲学的洞察に富んだ内容である。
・『現代思想としてのギリシア哲学』 古東哲明著
講談社選書メチエ 1600円
現代思想の観点から、ギリシア哲学をとらえる。一人の人としての読者にコミュニケートすることを意識して、著者は自分自身から語っているので、哲学をよく知らない人にも分かりやすい。著者はハイデガーの研究者。
内容は、・哲学誕生の瞬間 タレス ・逆説の宇宙 ヘラクレイトス ・存在の永遠 パルメニデス ・非知の技法 ソクラテス ・ギリシアの霊性 プラトン ・あたかも最期のように M・アウレリウス。
現代思想の入門書として、また、哲学そのものへの入門書としてもおすすめ。
・『論語』
中央公論社『世界の名著・孔子 孟子』 貝塚茂樹 監修 所収
他者への、本当の配慮とは何かを教えてくれる。儒教の原典。
・『道徳経』
中央公論社『世界の名著・老子 荘子』小川環樹 監修
『老子』中公文庫(世界の名著の「老子」の部分のみ)
道(Tao)の思想。道教の原典。
・仏教、儒教、道教に関して基本的なものを示したので、キリスト教とイスラム教に関しても、示しておく必要があるだろう。キリスト教に関しては、新約聖書か、さらに限定すれば福音書のどれか一つ。解説書として、ヤスパースの『偉大なる哲学者たち』の、イエスの部分の翻訳として理想社から出ているもの(『イエス・アウグスティヌス』)は推薦できる。イスラム教に関しては、『イスラーム文化』(井筒俊彦著 岩波文庫)がおすすめ。
・『百億の昼と千億の夜』萩尾望都(もと)作 小学館他
『百億の昼と千億の夜』秋田文庫
萩尾望都のマンガは、哲学的洞察に富む。この作品の原典は別にあるが、萩尾望都の本領が発揮されている。宗教、存在、生存、善と悪、神、といったテーマがシンプルな形でストーリーの中で扱われ、示唆に富む。原作者でないからか、『スターレッド』ほどには、まとまりがない。
・『スターレッド』萩尾望都作 小学館他
『スター・レッド』小学館文庫
一見、SFの少女マンガなのだが、普通の作家では決して描かれないであろう、卓越したセンス、視点が、あちこちに感じられる。存在と愛、自由と規制、生と死のサイクル、存在と無、といったテーマに対する鋭い洞察を読者に与えてくれる。
・『ポーの一族』萩尾望都作 小学館他
萩尾望都を著名にした作品で、多少、少女マンガを読んだりしたことのある女の子なら大抵知っている作品。ヨーロッパの学園もので、ドラキュラの話。 『11人いる』も、同様に広く知られている作品だが、それは主にストーリー性において評価されている作品であり、哲学的な観点からは特に注目すべき作品ではないと思われるのでここでは推薦しない。
・『火の鳥』 手塚治虫作
『火の鳥』 角川文庫
同氏の『ブラックジャック』には、逸脱した弱さがあるが、これは、まさに真理に直面して描いたという感じがする。
『ブッダ』(潮ビジュアル文庫)は、仏教そのものの勉強には、あまりならないと思われるが、読んでおいて損はない。

以下、オーソドックスな入門書からは外れるが、質的には優れたものを紹介する。いずれにせよ、良い物は良いのである。
『太陽の法』 大川隆法著
1030円 土屋書店
宗教団体「幸福の科学」の有名な本。各宗教の重要な教義を、普遍的(universalという感じがしました)におさえつつ、今の一般の人々によく分かるように整理され、よくまとまっている。単なる宗教の解説書、研究書とちがい、また、一面的・独断的だったりせず、また表面的であったりもせず、一人の人が、自分自身のものとした考えを、確信を持って伝えている本である。著者が、人格として非常に高い位置にある人だということがわかる。こういった本を書ける人はそういないだろう。
・『ダイアネティックス:科学の進化』 L・ロン・ハバード著
_ 3250円 ニュー・エラ・パブリケーションズ
〜心のしくみ〜
ダイアネティックスは、過去の経験によって積み重ねられた、 心の中にある有害なエネルギーを取り除いていくことによって 、人を本来の状態に戻していく技術を提供している。その技術の基礎となる、心の仕組みに関して、分かりやすく解説された入門者向けの本である。心の仕組みに興味のある人におすすめ。
・『ダイアネティックス』 L・ロン・ハバード著
_ 4550円 ニュー・エラ・パブリケーションズ
1950年に発刊され、大ブームとなり、以来、現在までに2000万部以上売れている、今世紀最大のベストセラーの一つ。『科学の進化』は、心の仕組みについて、エッセンスのみが描かれているが、この本は、そのカウンセリングの実際例を交え、深くふみいって扱い、シンプルだが効果的なカウンセリングの行い方まで扱っている。サイエントロジーの、発展の基礎となった本。
・『思考の原理』 L・ロン・ハバード著
3250円 ニュー・エラ・パブリケーションズ
〜哲学的洞察〜
ダイアネティックスが発展し、サイエントロジーという 応用宗教哲学が生まれた。サイエントロジーは、scio(知る )と、logos(学問)からなる造語で、知ることに関する学問と
いえる。宇宙、人生、自己、性格、心、といったものの基本 的仕組みを紹介している。また、そういったものの良くない 状態を改善するための、簡単な方法も紹介している。哲学的
内容に興味のある人におすすめ。
先に紹介した、『自己成長の基礎知識』等を参考にすると、 サイエントロジーが、過去の心理学(そしてまた哲学もなのだが
)のエッセンスを包括して越え出た優れた哲学であることがよく分かる。
・『生存の科学』 L・ロン・ハバード著
4547円 ニュー・エラ・パブリケーションズ
〜人間の振る舞い、性格に興味のある人に〜
『科学の進化』や『ダイアネティックス』は、心の構造について触れているが、
この本は、その構造に基づいて、人はどのように振る舞うのか、 どのような性格者が実際に存在するのかについて述べている。
様々な性格者の根底にある心理構造、動機を徹底的にくわしく描写している。
その洞察力は、他に類を見ない。
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