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ヤカン一本料理

 カヌーでは登山のザックよりもたくさんの荷物が積める。しかし,それとて有限である。
 様々な道具を試行錯誤して持って行く荷物を決める。みんなで食べる料理を作るコッフェルについてはヤカンがいい。
 サッとお湯を沸かして注ぐのにいい。じっくり煮込むのにもいい。アウトドア用のスタッキングコッフェルでも,ダッチオーブンでもない普通のヤカンが,僕のカヌーの旅には欠かせない。
 ヤカンでできる料理の数々とその理論を整理しておこうと思う。今後もヤカンで僕はたくさんの料理を作るだろう。
CONTENTS
 

ヤカン一本料理の目的と理論


 アウトドアで調理をするときに沢山のコッフェルが必要だろうか?いや,そうでもない。ツーバーナー等を使えば同時に2種類の鍋を加熱することも可能だが,そんなに嵩張るものを持って行くのはオートキャンプだ。オートキャンプでは深く自然を味わう事はできない。アウトドアは人が来ない手つかずのところを何日も旅をするのが面白い。だから,荷物は軽い方がいい。バーナーはシングルで充分だ。僕の場合はカヌーによる旅なので,流木と焚き火のできる河原に事欠かない。燃料はできるだけ節約したい。でも,行動途中の昼はさっと昼食を済ませたい。だからお湯を沸かすのに最適なのはヤカンである。

 そのヤカンを使って色々な料理をするうちに,僕は焚き火とヤカンで全ての料理を作るようになった。特に夜はヤカンで3〜5品の料理を作る。それは,実戦と経験に裏打ちされた,テクニックである。ヤカン一本料理と言う。

 ヤカン一本料理の目的と理論はこうだ。

目的
  1. ヤカンだけで料理する。
  2. 順番に料理する。
  3. 家族4人分くらいは作らなくてはダメ。
  4. 勿論おいしくなくてはダメ。
  5. できるだけ簡単に。
  6. 無駄のない方法で。
  7. 洗うのも面倒なのでできるだけ洗わない。
基礎理論
  1. 少量の油を使って「揚げ物」を作る。そうすると,「油」がヤカンの中に残る。
  2. 残った「油」を使って「焼き物」を作る。そうすると,「油と焼き物に使った塩が主体の調味料」が残る。
  3. 残った「油と塩が主体の調味料」を使って「パスタ」を作る。すると,「油と塩とお湯」が残る。
  4. 残った「油と塩とお湯」を使ってシチューを作る。最後の一滴まで食べて残飯ゼロとする。煮込むのはパスタの時からだ。
ヤカン一本料理に使用するヤカン
  1. 大きさはカヌーに納まればいいが,家族4人分の食事を作るには4Lがいい。
  2. 揚げ物や焼き物をするために,できるだけ上口の口径が大きい方がいい。
  3. パスタをゆでるためにザルが取り付けられるものがいい。(麦茶用など)
  4. 注ぎ口にストレーナーがあると引火しにくくていい。
  5. 焚き火に直接かけるので取っ手が溶けたりしないものがいい。
  6. 頑丈で尚且つやすいものがいい。
  7. なければなんでもいい。


ヤカン一本料理の一日


  1. 【夜】 アウトドアでの夜は最も豪華な食事をとることができる。一日の疲れを焚き火などで癒しながらまったりと食事をするのがいい。楽しい食事の為にはしっかりと準備しよう。
    1. 一品目(揚げ物)
      1. 一品目はその川ならではの新鮮な食材がよい。だから釣ったり潜ったりして食べられるものを探そう。小魚や川エビがいい。
      2. 大きな魚はうろこを落として,内臓を取り出すとよい。
      3. チューブでバターとオリーブオイルで揚げる。
      4. 味付けは塩・コショウ・バジルで充分だ。
    2. 二品目(焼き物)
      1. オリーブオイルを足して,塩とスパイスで1日以上漬け込んでいた肉を焼く。
      2. 肉はガッツリポーク,ベーシックチキン,贅沢ビーフのいずれかだが,サイズはヤカン底面の半分が原則。
      3. 弱火がいい。
      4. 蓋をすると熱がこもって良く焼ける。
      5. 漬け込みで使ったローレルは肉の上に置いて焼けないようにする。
    3. 三品目(パスタ)
      1. 大きめのシチュー用の野菜を炒める。
      2. ざるをセットして塩と水を足して強火で沸騰させる。
      3. パスタはフェットチーネがいい。丸まっていてヤカンに収まる。
      4. 10分以上茹でる。
      5. 食べてみて茹で加減を見る。
      6. 良さそうであれば火から降ろして,コッフェルに桃屋の「きざみにんにく」を炒め,塩・コショウ・鷹の爪・バジルで味を調える。
      7. 麺を取って前項で作ったソースをかけて食べる。
      8. フェットチーネ500gなら2回戦もある。
      9. ソースはレトルトミートボールをつぶしたミートソースも旨い。
    4. 四品目(シチュー)
      1. 茹でたお湯にルゥを入れる。
      2. 焚き火の上で放っておく。
      3. 寝る前に火から降ろして注ぎ口から虫が入らないようにティッシュなどで蓋をする。
      4. これを食べるのは明朝。勿論腹が減ったら食べてもいいが,結構腹は膨れている筈だ。
  2. 【朝】 清冽な空気の中で朝はまず焚き火から始まる。
    1. 一品目(シチュー)
      1. 焚き火をして,昨日作っておいたシチューを温める。
    2. 二品目(BLT)
      1. 基本的にはBLTを好んで作るが,ご飯でもOK。
    3. ヤカンを洗う。4品を作った。
  3. 【昼】 行動中の食事はどうしても簡便なものに。ガスを使って短時間にやる事も多い。
    1. ご飯(パックライス)
      1. 円形のものが回転できてむらなくできるので良い。
    2. 丼の素
      1. カレー・ハヤシライス・なんとか丼も同時に温める
    3. ラーメン
      1. 温めたお湯でカップラーメンが簡単だが味がイマイチ。袋ラーメン+乾燥具材はもっとおいしい。つけ麺や,ざるラーメン,そうめん等も良い。特に真夏の昼食はざるラーメンが良い。
 ちなみに,夜の一品目がある場合(漁果があった場合)を僕たちの家族は「フルコース」と呼び大変喜んで自然に感謝して食べる。

 写真は概ね夜〜朝〜昼の良くあるシーンだが,色々なところの写真が混ざっている。(全て2013年)それを,料理の手順に合わせて並べている。