朝
****さんの短編小説
朝。いつもと何も変わらない朝。そんな日にあれは起こった。
好きな人の死。小学校の卒業式のときも好きだったけれど何も言われずにいた。
自殺だった。遺書も何も無い自殺だった。
なぜあの人がと思った。
いつも明るくてちょっとお節介でピアノが上手だったあの人。
惚れたのは卒業式のときだったけ。
いつも明るかったのにあんなに泣いていた。
その姿が美しくて。世界中の誰よりも綺麗だった。
クラスの中では違う人が好きだと思われていた。
だけど違った。愛しているのはあの人。
例え世界中が敵にまわっても自分はあの人をかばいつづけた。
小学校4年生のときからずっと同じクラスで自分が岡山からきた田舎者だということも
最初はその人に言った。そのころは何も意識しないで普通の人と一緒だった。
好きなんだ。今でも。だけどこの声はもう届かない。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はないと聖書にあるが誰のために死んだの?それともなにが苦しかったの?
こんな自分でも相談してくれれば良かったのに。病気の死だったらまだ良かった。
諦めがつくから。病気を憎めるから。
だけど誰を恨めばいいの?
そしてふと思った。
自分が死ねばあの人を迎えに行ける。
そう聖書の教えにもあった。友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。
「迎えに行くよ。そっちで一緒にいよう。」
ルーズリーフにメモをして駅の伝言板にそれを貼った。
そうして僕はあの人に会うためにあの人を愛するため特急が通過しようとするホームに
思いっきり身を投げた。