about Austro. & Simpso. (プロローグ)

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プロローグ |
New World
コロンブスが発見して以来、南北アメリカ大陸はアフリカ・アジア大陸をOld
World(旧大陸)と呼ぶのに対して、New World(新大陸)と呼ばれます。未開発だが希望に満ちた新天地、との期待をこめる呼び名であるとともに、生物新種の宝庫であることに期待を寄せる思いのこもった予備なのです。
この南北アメリカ大陸にも多くのメダカの仲間が、実に広範囲に生息しています。メキシコ南部やパナマ地方から下がることの赤道へかけてリウルスの仲間、ブラジルを中心としたシンプソニクティスの仲間、アルゼンチンからパラグアイへかけての温帯域に生息するオーストロレビアスの仲間がそれです。さらに、モエマ属、パピリオレビアス属、トリゴネクティス属、キノポエキリウス属もそうでしょう。
とても不思議なことですが、アフリカ大陸のメダカたちに比べて南米大陸のメダカたちは何故か地味なのです。
地味というと語弊があるかもしれませんが、ノトやアピュオのような色鮮やかなカラフルさではなく、漆黒のボディーにパールスポットが点在するシックな美しさなのです。
何故このような体色の違いが生じたのか、浅学の私には知るよしもありませんが、基本的に環境に適応してきた生き物たちの進化の道筋を考えて見れば少しわかるような気もします。つまり、あくまでも燦々と照りつける太陽のサバンナで、一時的に生じた水たまりで必死に生きているノトブランキウスの仲間。それに対して、どんよりと曇った空の下、草原に生じた湿地帯の水たまりにギラギラと銀ラメを輝かせているニグリピニス・・・・。進化の過程で全く異なる自己アピールの仕方を獲得してきたのでしょう。
数ある南米産の年魚の中で、おもに2つのグループをとりあげました。それは、オーストロレビアス属とシンプソニクティス属です。
ある意味派手な「男の黒(くろ)」は、黒系とか黒の軍団とかいって熱狂的なファンがいます。おそらくは、ニグリピニスに一目惚れした人たちでしょう。いわゆるアルゼンチンパールフィッシュとして総称されるオーストロレビアスの美しさはノトのラコビーと両極端な位置にあるものです。地味な派手さとでも申しましょうか、一度取り憑かれるとなかなか直らない強力なメダカ菌をもっている素晴らしい魚たちです。
<Aus.ニグリピニス
<Sim.マグニフィカス
New World の年魚たち
New
Worldには下記のようにたくさんの年魚がいます。ただ、10年ほど前に分類が大きく変えられたため(Costa,1998)、古いメダカファンには使い慣れたキノレビアスはどこへいったの?と思われることでしょう。現在は、ほとんどがAustrolebias属に分類されています。
【Simpsonichthys シンプソニクティス属】・・・マグニフィクス、フラムメウス、コンスタンシアエ、など
【Aphyolebias アフィオレビアス属】・・・ペルエンシス、ルブロカウダトゥスなど
【Austrofundulus アウストロフンドゥルス属】・・・リムナエウス、レオホイグネイなど

Austrofundulus leohoignei

Maratecoara lacorti
南米低温魚・南米低温魚という分け方について
広範囲にわたる生息分布の所産として、適水温に大きな差異ができました。アルゼンチンそしてウルグアイという高緯度の温帯にすむオーストロレビアス属は20℃前後の低水温、そしてブラジル低緯度、つまり赤道に近い熱帯・亜熱帯にすむシンプソニクティス属は23℃前後の高水温がそれぞれ望ましいのです。そのため、私の属する倶楽部では南米低温魚・南米低温魚という2グループに分け、コンテストなども別々に採点しています。
特に、オーストロレビアス属は熱帯卵生メダカという呼称に惑わされ、実に多くの方が誤解の元に飼育され、本来の発色を見なかったり、買っては殺し!をくりかえされています。ぜひ、それぞれの特性を理解され、氷の張った睡蓮鉢でギラギラに輝くニグリのいることを知っていただきたいものです。言ってみるなら、温帯魚なのです。
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代表的なSimpsonichtys属 |
代表的なその他の属 |