不二禅堂創設者辻雙明老師は、昭和25年5月毒狼窟古川堯道老師に嗣法する。辻老師は見性して以来禅の尊さを知り、これを広く世間に伝えたいという悲願を抱いた。辻老師は昭和26年夏からは麻布の書壇院、T会社の職員クラブ和室、また神田一ツ橋の如水会館和室において禅会や「黙想の会」等を開催していたが、参加者たちがもっと徹底して修行するため常設の道場、それも街頭の禅で述べたように東京の真っ只中に建設する夢を抱くようになった。
昭和35年の5月に起こった「安保反対デモ」の騒ぎを観るに付け道場建設の夢が強く大きく膨らみ、同年12月辻老師の先輩、東京電力会長菅礼之助氏との会談中夢の一端を漏らすと「夢とか妄想などと言っていないで、早速その実現に着手したまえ。私は年寄りだから急ぐよ。すぐやりたまえ」と叱咤するが如く激励され、心が大いに動かされた。
昭和36年正月3日、「街頭の居士林」としての「不二禅堂」(注)建設の発願を心に決し、5日から恩師や先輩や親友を歴訪してことの次第を述べ、その意見を聞き、漸次、理解協力してくれる方々の範囲を広め5月8日に至って、「財団法人 不二学道会設立準備会」の発起人会(設立趣意後記参照)、同年8月第1回会員総会を経て、東京工業大学教授谷口吉郎設計の禅堂建築工事起工式を昭和37年9月26日施行し、翌年38年10月26日に落成式が挙行された。この落成式来賓には、鈴木大拙先生が祝辞を述べられた。 注 禅堂の名称を不二禅堂といいます。現在は代々木に設立されたのものから、浅草橋に移転しております。
著書
街頭の禅(東洋経済新報社、春秋社34年)、真の宗教を求めて(春秋社1960年)、禅宗教についての15章(編著、春秋社1960年)、禅の道をたどり来て(春秋社1964年)、禅骨の人々(春秋社1996年)、禅と人生(日本文芸社1973年)、呼吸の工夫(春秋社1992年)、呼吸の工夫以外絶版です。

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