活字本について



ここでは、萩藩に関連する実名情報を得たい場合、比較的容易に利用できる活字化された本について、ご紹介します。

●名簿類

 思いつくままに、活字化されているものを挙げてみました。これからも追加していきます。

● 一番多いのは幕末の諸隊関係の名簿、および幕末維新の殉難者の名簿です。
ここで、注意! 幕末のこうした名簿は間違いが大変多い。10年以上前に幕末維新に関わった者のデータベースを構築しよう! と、取りかかったのはいいものの、名簿によって、「助」が「介」だったり、「右衛門」が「左衛門」だったり。でもこれくらいはかわいいもので(かわいくないが)、上下がずれていたり、明らかな誤植が多かったり、さらに複数の誤植の名簿を合体したり。もう、どれが一次情報なのか、活字本ではわかりません。でもって、原文書を調べると、これも結構いい加減で、最後に墓地を調べてみると、複数墓石がある場合は、それらが相反していたり、と、なかなか難しい状態です。



 1.『幕末維新全殉難者名鑑 一〜四
        
 明田鉄男編  発行者:新人物往来者  昭和61年発行  

 「維新動乱期殉難者一万八千四百七十二人の全事歴を収録」とあり、嘉永6(1853)年から明治4(1871)年の諸事件ごとの全国の殉難者を記載した全集的な本です。五十音順索引もあるので、まずはこれで調べます。この本の調査は「現地に行き、関係市町村教育委員会、県郡市町村史編纂部局、図書館、博物館、郷土資料館、郷土史研究家に面接調査」とあるので、かなりの情報が集まっていることは確かですが、上述したように、間違いもそのまま収録されていることに注意しましょう。鵜呑みにせず、手がかりとして使いませう。尚、「殉難者」の名簿ですから、凱旋者は基本的に掲載されません。「おじいさんのおじいさんが、幕末に○○に戦いに行って帰ってきたと聞いているが、載っているだろうか?」という場合は、ヒットしません。

 2.『防長維新関係者要覧
        
 田村哲夫編  発行者:山口県地方史学会  昭和44年発行
                        平成7年にマツノ書店より復刻    127頁  

 底本は@「旧長藩殉難者名録(時山弥八編)」、A「旧長藩名士病死者人名録(時山弥八編)」、B「近世防長人名辞典(吉田祥朔編)」の他、C毛利家文庫の諸隊一件、藩臣履歴類、祭祀、諸省、賞典、およびD山口県庁記録やE山口県史料であり、これらの中から関係者を集めた気の遠くなるような作業の末に作成されたものです。@〜Bに記載ミスや活版印刷の作業中の誤植と思われる記述が多いのですが、本書ではこれらがある程度修正され、特にC〜Eが集められていることがGoodです。ただし、この時期は一次史料からミスがありますので、注意が必要ではあります。

 3.『山口県小学校の系譜』
          田村哲夫編  発行者:風説社 昭和48年発行  149頁

 底本は「山口県教育沿革史草稿」、「県学事録」、「官省進達録」、「文部省年報」他であり、明治初年の史料をまとめたものですが、山口県内の各地で幕末期に寺子屋を開いていた人物の名前が記載されており、それがどのように小学校につながっていくかをわかりやすく表にした本です。「うちの先祖は寺子屋の先生だった」という言い伝えがある方、どれくらいの確率でヒットするか分かりませんが、一見の本です。

       
活字本について
  ・分限帳
  ・系譜
  ・名簿類
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