明治25年11月1日 火曜日起案
算術科教案


  ある家の文書調査をしていたときに、見つけた一点!


明治25年11月1日(火)にある尋常小学校の雇(やとい)教師が考えた算数の問題。

     
『算術科教案』

明治時代の小学生はどんな内容を学んでいたのだろうか?

  −−−それが今、明らかになる。
  


文書が痛んでいて読みにくいが、何とか解読しました。

(一)柿ノ木三本ト二本ハ幾本ナリや

  
柿の木3本と2本は、(合わせて)いくらですか?

 いきなり簡単な足し算。こんな計算をする小学生は「柿」とか「幾本」という漢字が読めたのか....?
 
   3 + 2 = 5    答え 5本


(二)柿ノ木三本ニ各二十二顆宛結ヒシトキ□總計ハ何ナルや   
□は破損して読めないところです。

 柿の木3本にそれぞれ22個の実がなったとき、柿は全部でいくつですか?

 全部足し算かと思ったが、今度はかけ算、それも二桁と一桁のかけ算。こんな問題を解く生徒に(一)の問題は簡単過ぎると思うが...。

   3 × 22 = 66   答え 66個


(三)柿ノ木三本ニ各二十二顆宛結ヒ其一顆ノ価五厘其金總計幾何ナルや

 
柿の木3本にそれぞれ22個の実がなって、一つの価格を5厘とすると、合計はいくらになりますか?

 前半は(二)と同じ問題ではないか。変えればいいのに....。

  3 × 22 = 66
  66 × 5 = 330    答え 330厘 → 33銭


(一)柿ノ木五本ノ中二本実ヲ摘取リシトキハ摘マザル木□□リや」  □が破損して読めないが...

 柿の木が5本あり、このうち2本の実を摘(つ)んだとき、摘まない木は何本ですか?

 問題の最後が読めませんが、たぶん引き算の問題でしょう。問題番号が(四)ではなく、(一)に戻っているので。

  5 − 2 = 3       答え 3本


(一)柿四个ト一个ハ幾本ナリや

  柿4コと1コは、(合わせて)いくらですか?

   4 + 1 = 5    答え 5コ

  なんか、おもしろくないですねえ。


(二)柿四个ト一个ト八个トアリ毎一个価四厘セバ總計幾何ナルや


 
柿が4コと1コと8コあります。1個の価格を4厘とすると、合計でいくらですか?

 「4コと1コと8コあります」、なんて、言うか? 3つを足す足し算をさせたいんだろうが...。

  4 + 1 + 8 = 13
  13 × 4 = 52        答え 52厘 → 5銭2厘


(三)柿ノ木五本ニ各六十四个宛結実セシ□二百七十八个摘ミトリシトキハ残リ□□幾个アリや


 
柿の木5本それぞれに64コが実っています。このうち、278コを摘んだとき、残りはいくらですか?

 結構、難しい計算になってきた。

  5 × 64 = 320
  320 − 278 = 42     答え 42コ

  当時の小学生には柿は身近だったんだろうが、実際には使えない問題。
 5本の木に64個つづ柿がなる、ということはないだろうし。



                    
え〜、もう終わりかい?

                    
算術科教案って...いったい....。