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26時間 福岡-富山 夢の夜行バス



 26時間夜行バスの旅


9月×日。

その日の仕事も終わり、少し早めに天神に着いた。

地下街で夕食を済ませ、コーヒーを飲みながらもう一度バスの時間を

確認したが、まだ少し時間がある。

地下街を出ると日も落ち、薄暗くなってきたが外はまだ、蒸し暑い。

コンビニで飲み物とつまみを買ってバスセンターへ向かった。

天神発20時××分富山行き高速夜行バス。

今から富山まで夜行バスで出かけるのだ。


バスセンターの場内アナウンスでバスがゲートに入って来た。

私は、チケットの番号を確認し、座席についた。

バスは定刻で発車した。天神を出発したバスは仕事帰りや買い物客で

込み合い、そしてまだラッシュで車が渋滞する中、博多駅バスセンターを

経由して福岡インターから高速道路に入った。

バスは暗闇の中を走りはじめた。前方のスクリーンの画面からは映画

が始まったが私は座席を倒しヘッドホンから流れる音楽を聴きながら

窓の外をながめた。

バスの乗客は少ない。

クーラーが良く効き、少し寒い。

時折対向車のヘッドライトが流れていく。

外は時折見える、家々に明かりが灯り、そこではすでに夕食も済み

家族でテレビでも見ているのだろうか。

と、突然窓の外が明るくなった。長いトンネルに入ったようだ。

今まで暗かった車外がトンネルに入りナトリュウム灯の照明で昼間のよ

うに明るくなった。金剛山トンネルに福智山トンネル。続けて有るので

約7Kmはある。

トンネルを過ぎしばらく走るとライトアップされた関門橋が見えてきた。

車高の高いバスから眺める門司、下関、関門海峡を行き来する船、

ライトアップされた関門橋。素晴らしい夜景である。



いよいよ九州とお別れだ。

これから26時間バスの旅そして、始めて行く富山。

何が待っているだろう。



・・・・・・・・・・・・・・と なるはずだったのだが、バスセンターに予約の電話を

すると、なっ、なんとこの長距離バスは今年の7月で廃止になったそうだ。

ガーン。

せっかくその気になり、富山の友達にも連絡し、また福岡の友達達にも

「行って来るよ」と言ったのに。

残念で仕方がない。

今回はダメだったが、「お金と暇が出来たらきっと行くからね」と友達に

インターネットでメールを送り、”26時間、富山バスの旅”は夢で終わった。