シットコム

アメリカでは幅広い世代で人気があり、日本でも、古くは「奥様は魔女」に始まり「ファミリータイズ」「フルハウス」、そして近年では「フレンズ」などが知られています。
映画やドラマを始め、映像には音楽が付物ですが、この situation comedy=sitcom においては、少し事情が違うようです。

何が違うかと言うと、セリフに重なる音楽がないということです。もちろん、劇中の生活音として流れている音楽は別ですが、映画のサウンドトラックのうように、音楽でシーンを盛り上げるようなことが、極力控えられているのが特徴です。

ちょうど、アメリカンニューシネマの一つ、バート・バカラックが音楽を担当した「明日に向かって撃て!」(ジョージ・ロイ・ヒル監督。1969年 20世紀フォックス)でも、セリフに音楽がかかる場所は殆どなく、息抜きのように音楽が挿入されています。
この映画はラストシーンが有名ですが、その緊迫した場面にも音楽は一切使われず、カットと実際にその場で聞けるであろう音を演出して見せています。フランス映画の「穴」("LE TROU"1960年制作。ジャック・ベッケル監督。フィリップ・ルロワ他出演)なども、劇中の音楽はありません。

とりわけ、音がないというのはバツが悪くなり、間をもたせるために音楽が使われます。おそらく、演出力も問われるのではないでしょうか。

アメリカのシットコムは、放送時間が1枠25分と短くスピード感があること、そして、スタジオ・オーディエンスを前に収録し、その笑い声も使われていることが、音楽を必要としない理由でしょう。

実際には、オーディエンスの笑い声も生活音もアフレコされますが、それでも、オープニングと、途中数秒ずつ繋ぎとして挿入される音楽の使われ方は注目に値しそうです。

要するに、シットコムでは、実際の日常生活で音楽が流れる場面でしか音楽は聞かれないと言えると思います。コメディーというと、ただ笑って見るもので軽く見られがちですが、いつも見ていて学ぶことが多いと思わされます。しかも、笑いながら教われるところが良いところですね。


フレンズ
© Warner Bros.



明日に向かって撃て!
原題:Butch Cassidy And The Sundance Kid
ポール・ニューマン/ロバート・レッドフォード
キャサリン・ロス主演

Periodical 2



     



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