文の構造
意味をもった文として成り立つには、普通は「主語」と「述語」(動詞)が最低限必要となります。
「誰が」「何が」という主語がなければ、「何をした」という述語があっても、不完全な文です。主語があっても述語がなければ、やはり不完全ですね。
例えば、「犬が吠えた」という文の主語「犬」がなければ「何が」吠えたのかわからず、主語があっても述語の「吠えた」がなければ、犬が「何をした」のかがわかりません。
ですから、もっとも基本的な文は、「主語」(Sujeito)+「述語(動詞)」(
Predicativo / Verbo)という構文です。主語をS、述語(動詞)をVと書くと、次のようになります。
第1文型:
S(主語) V(述語)
O cachorro latiu.
オ カショーホ ラチウ
その 犬が 吠えた
ただし、主語にしても述語にしても、普通はもっと詳しく説明したい場合が多いので、例えば、「黒い」犬が「突然に」吠えた、などとなります。
名詞を修飾(説明)するのは形容詞(形容詞句、節も)で、この場合「黒い」は形容詞で、主語である「犬」という名詞を修飾してます。
述語(動詞)を修飾するのは副詞(副詞句、節)で、この場合「突然に」が副詞で、述語である「吠える」という動詞を修飾してます。
S(主部) V(述部)
主語 ← 修飾語 述語 ← 修飾語
O cachorro preto latiu repentinamente.
オ カショーホ プレット ラチウ ヘペンチーナメンチ
その 犬 黒い 吠えた 突然に
ポルトガル語では、一般に、「修飾するもの」が「修飾されるもの」の後ろにきます。日本語と逆です。日本語では「黒い」は「犬」の前にきますが、ポルトガル語では "cachorro"(犬)が "preto"(黒い)の前にきます。
日本語では、「突然に」が「吠えた」の前で、ポルトガル語では、"latiu"(吠えた)が "repentinamente"(突然に)の前です。
修飾するのが、1つの言葉でなく、複数の言葉からなる「句」や、主語も述語もある1つの文のような「節」であることもできます。つまり、「修飾語」でなく、「修飾句」であったり、「修飾節」であることもあるのです。
S(主部) V(述部)
主語 ← 修飾句 述語 ← 修飾句
O cachorro de Paulo latiu ontem à noite.
オ カショーホ ジ パウロ ラチウ オンテン ア ノイチ
その 犬が の パウロ 吠えた 昨日 夜に
S(主部) V(述部)
主語 ← 修飾節 述語 ← 修飾節
O gato que Paulo trouxe miou quando chegou.
オ ガット キ パウロ トゥロッセ ミオウ クワンド シェゴウ
その 猫 パウロが 持ってきた 鳴いた 時 来た
第2文型:
S(主語) V(述語) C(補語)
O almoco estava gostoso.
オ アウモッソ エスターヴァ ゴストーゾ
その昼食は でした おいしい
英語の「Be」動詞のように「です」「いる」「なる」などという意味の動詞の場合、主語と述語だけでは文が意味をなさないことになります。「彼は、でした。」では「彼」がどうだったのか分かりません。
この場合「主語」が「どうなのか」という意味を補うもの、「(主格)補語」が必要となります。これが第2文型です。
補語は、形容詞(語、句、節)か、名詞(語、句、節)です。例えば、「彼女は美しい」の場合、「美しい」という形容詞が主語「彼女」の補語となっています。「彼女は主婦です」の場合、「主婦」という名詞が主語「彼女」の補語となっています。
もちろん、文を構成する S(主語)、V(述語)、C(補語)は、1つの語でも、句でも、節でも良いのです。
S(主部) V(述部) C(補語)
主語 ← 修飾句 述語 補語
O discurso de Marcos estava bom demais.
オ ジスクルソ ジ マルコス エスターヴァ ボン ジマイス
その 演説 の マルコス でした 良い 過ぎる
S(主部) V(述部) C(補語)
主語 ← 修飾節 述語 補語
Paulo que joga futebol é membro do time.
パウロ キ ジョーガ フチボウ エ メンブロ ド チーメ
パウロ プレイする サッカーを です メンバーに の チーム
第3文型:
S(主語) V(述語) O(目的語)
Eu jogo futebol.
エウ ジョーゴ フチボウ
私は プレイする サッカーを
動詞というのは、動作を表すことが多いので、その動作の対象物があることが多いのです。この対象物のことを「目的語」と言います。
「プレイする」動詞の目的語が「サッカー」です。
このような動詞を「他動詞」と言い、これまでの第1、第2文型のように目的語を必要としない動詞を「自動詞」と言います。「歩く」「走る」のは本人が自ら行うことであって、他人や何かをどうこうする動作ではありません。もし「歩かせる」という動詞があれば、その動作の対象があるはずで、他動詞となります。英語の「Be」動詞のように「です」とか「いる」とかも、他に働きかける動作ではないので自動詞です。
同じ動詞が自動詞とも他動詞とも使われることも多くあります。辞書には「他」とか「自」とか書いて区別してあります。日本語の意味から考えて、目的語を必要とするかどうか見当がつきますが、必ずしも一致しません。
例えば、元気に「なる」などは、日本語の意味からは自動詞のようですが、ポルトガル語では "tornar"(戻す)という他動詞を使います。この動詞は「戻る」という意味で使うときは自動詞です。
Ela tornou-se boa de saude.
エラ トルノウセ ボア ジ サウージ
彼女は なった 良い の 健康
この例では、"se"(自らを)が "tornou"(戻す)の目的語となっている。
「自らを戻す」で、「なる」という意味になっている。
主語 自動詞 補語(句)
Ela tornou a si.
エラ トルノウ ア スィ
彼女は 戻った に 自ら(我に返った)
この例では、"tornou"(戻る)は自動詞で、目的語はありません。
第4文型:
主語 他動詞 間接目的語 直接目的語
Ele deu me água.
エリ デウ ミ アグァ
彼は くれた 私に 水を
「誰に」「何を」あげる、という場合のように、目的語が二つ必要になる場合、この文型になります。
日本語の意味から、「〜に」が間接目的語で、「〜を」がつくほうが直接目的語である場合が多いようです。
代名詞のところで出てきた、人称代名詞のうち目的格人称代名詞は、直接目的格と間接目的格にわかれていたのは、この文型のときにも使い分けられます。
間接目的語が動詞の前に来ることもあります。
Ele me deu agua.
第5文型:
S(主語) V(述語) O(目的語) C(補語)
Eu julguei o preco caro.
エウ ジュウゲイ オ プレッソ カーロ
私は 判断した その 値段 高い
この文型は、動詞が目的語とその目的語の補語(目的格補語)の両方を必要とするものです。
否定文:
どの文型でも、否定文にするには、動詞の前に否定の副詞、例えば "nao" をつけるだけで否定文になります。
Eu nao julguei o preco caro.
Ele nao me deu agua.
Ela nao tornou a si.
Eu nao jogo futebol.
疑問文:
疑問文は、語尾に「?」をつけるだけで、読み方は語尾を上げて読みます。
Ela tornou a si ?
Ela nao tornou a si ?
疑問詞を使う疑問文は、疑問形容詞は形容詞の章、疑問代名詞は代名詞の章、疑問副詞(「いつ」「どこに」「どのように」など副詞的働きをする疑問詞)は副詞の章に説明します。
疑問副詞:
Quando termina a aula ?いつ授業は終わりますか。
Onde vai a senhora ?どこにあなたは行きますか。
Como vai a senhora ?どのようにお過ごしですか(お元気ですか)。
疑問形容詞:
Quantos dias passaram ?何日経ちましたか。
Que tipo de carro o senhor tem ?
あなたはどんなタイプの車をお持ちですか。
疑問代名詞:
Que e isto ?これは何ですか。
Quem e o senhor ?あなたはどなたですか。
Quais sao seus sapatos ?どれがあなたの靴ですか。